東京第1代表の東京ガスがミキハウスを下し、4年ぶりの勝利を挙げた。
試合前、ムードメーカーの竹村光司内野手(26)が円陣で声出し役。マスクを外すと口元にアイブラックがひげのように貼られていた。ナインは大爆笑。緊張がほぐれた。0―0の4回2死二塁。9番・北本一樹内野手(23)が外角スライダーを拾って左前に運んだ。先制打に「絶対に還す強い気持ちで行った。その一心で食らいつくだけだった」と胸を張った。
3年目で初の都市対抗。「初めて東京ドームで野球をやったんですけど、雰囲気が全然違った。1試合やって疲れたなというのが印象です。緊張とかはなくて、自分らしくできたと思います」と振り返った。
課題だった打撃の向上へ、試行錯誤を続けてきた。山口翔大外野手(27)から「タイミングで間を取れ」とアドバイスされ、その意識でバットを振り込んだ。その成果が、初めての大舞台で出た。試合前に笑わせてくれた先輩、助言をくれた先輩のサポートに感謝し、北本が大きな一歩を踏み出した。(川島 毅洋)
【北本選手の紹介】
177センチ82キロ 右投げ右打ち
ポジション:ショート・サード
解禁年:2021年
チームではショート・サードで起用される右の巧打者。明治大では巧打の4番として4年の全国大会では13打数7安打1本塁打で首位打者を獲得。
東京ガス就職後が途中出場がメインとなるも、鷺宮製作所戦で故障者が出たため代走で出場すると決勝点となる3ラン+ダメ押しの犠飛で活躍。
都市対抗本選では9番ショートで起用され、13打数4安打4四死球2打点と下位打線ながらチャンスメーク、アベレージヒッターとして結果を残しています。
【指名への課題】
守備については破綻しておらず安定こそしているものの、自分の守備範囲でのみ安定しており、守備範囲は広くありません。特に横の守備範囲が非常に狭く、ぎりぎりの捕球であるためしっかり踏ん張ってスローイングする時間的余裕がなく、腕の振りが小さくなり送球が弱くなっています。
打撃についても右打ちを意識したスイングが多く、インコースに入ってくるストレートにも右打ちで差し込まれたスイングが見受けられるため、打撃についてもストレートに対しては押し負けています。
【指名順位予想】
守備自体は安定しているものの守備範囲が狭いことから打撃型の内野手となります。ショートはできるものの範囲は狭いため、ショートスタメンでなくサードスタメンで状況によってはショート守備にも就くようなユーティリティとして見込まれなければ獲得の可能性は低くなります。
解禁年である21年の下旬でようやくスタメン起用されるようになった状態であるため、21年の指名漏れは実績不足によるアピール不足も原因の一つ。
足が速くない打撃型となると長打が求められるため、都市対抗では13打数4安打で打率3割は記録できたものの、二塁打以上が0では長打が見込めないため、地方大会で2本塁打以上、さらに打率でも3割以上が指名ラインとなり、このラインをクリアした場合6~7位の指名となります。