読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

横に滑る球が武器 JR東日本東北 竹本 祐瑛選手 社会人右腕投手

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都市対抗野球・1回戦、JR東日本東北5-3Honda」(28日、東京ドーム)

 開幕して1回戦3試合が行われ、JR東日本東北(仙台市)、NTT西日本(大阪市)、日本製鉄かずさマジック(君津市)が2回戦に進出。来秋ドラフト候補のJR東日本東北・竹本祐瑛投手(23)は前回王者のホンダを相手に先発し、7回5安打3失点7奪三振の粘投で勝利に貢献した。決勝は12月9日。昨年は新型コロナウイルスの影響で実施を取りやめていた名物の応援団による応援が復活した。

 竹本が下克上デビューを飾った。「緊張したけど、応援と雰囲気は楽しめました」。前回王者を力で抑え込み、来秋ドラフト候補の実力を示した。

 ポーカーフェースで立ち向かった。初回は、2次予選で無四死球だった持ち味の制球を乱した。2四死球でいきなり1死二、三塁のピンチを招いたが、この日最速の147キロ直球を軸に2者連続三振で切り抜けると、表情を変えることなくベンチに戻った。その後も「攻めていくことだけ考えて」とひるむことなく粘った。

 足をつった影響で八回前の投球練習を行ったところで降板したが、強敵相手に見せた好投にスタンドから温かい拍手が送られた。「勢いに乗って、一戦必勝で行きたい」。新人らしからぬ強心臓で、初めての都市対抗を駆け上がる。

JR東日本東北・竹本 下克上デビュー 来秋ドラフト候補が前回王者斬り/野球/デイリースポーツ online

 

【竹本選手の紹介】


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186センチ94キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・カット・チェンジ・カーブ・フォーク

 経歴:八戸西高ー駒沢大ーJR東日本東北

解禁年:2022年

 

 ワインドアップから軸足の重心を落とし、上半身を反らしてオーバースローの角度から振り下ろすフォームから最速150キロ、常時140前半から中盤のストレートを投げ込む右腕投手。130中盤の縦のスライダーに100キロ台のカーブ、120後半の外に逃げていくチェンジアップ、130中盤のカットとフォークなどを駆使して打ち取っていきます。

 武器は伸びのあるストレート。大学時代に比べ平均球速は落ちているものの、その分安定したコントロールながらコースを突く伸びのあるストレートで空振りを奪っていきます。そこに外に逃げる見極めが難しいチェンジアップで左打者を翻弄し、右打者にはカットボールとストレートでアウトコースの空振り・打ち損じで打ち取っていきます。

 さらにピンチになると140中盤にギアを上げ抑え込む投球術を社会人になってから披露しており、強豪ホンダ即戦力右腕候補として注目されています。

 

【指名への課題】

 課題は球種によって制度のばらつきがひどいこと。左打者に対してはチェンジアップがあるものの、右に対するスライダーとスプリットは高めに抜けることが多く、右に対してはストレートの比率が高くなっています。左に対しても使える変化球が限られるため、本塁打・長打にされた球は何れも抜けてしまったチェンジ系の球となっており、タイミングや軌道が似た球が多いため、抜けてしまうと打ち損じにならずしっかりと安打にされています。

 また使える球種が限られる左のほうが長打を打たれており、都市対抗で打たれた2本塁打はどれも左打者の引っ張りで打たれていました。

 球種の見分けがつきにくいため、スライダー・カット・スプリットの精度が上がれば左右どちらにも安定しますが、現状ではインコースを攻めるための球がないため、打者がしっかりと踏み込んで振りぬいており、失投がそのまま長打となっています。

 

 

【指名順位予想】

 カット・スプリット系が高めに抜けてしまうため、左のインコースを突くためにもチェンジアップ以外の精度アップが課題。また制球重視といっても社会人右腕で140前半は出力不足。平均球速145前後に、精度向上がはかれ左のインコースに対する配球が増える様になれば4~5位が指名候補となります。ギアを上げた際に球速が3~5キロあがるものの、多くが高めに抜けるため、ギアをあげてもコースを突けるようになれば上位指名も見えてきます。

 一方で中継ぎとして起用できるタイプではないため、即戦力先発として計算できなければ指名漏れの可能性が高くなります。そのため先発として7回以上投げぬく試合が登板数の半数以上でなければ、素材型でないため即戦力とは見なされず指名漏れの一因となります。