読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

紅白戦、日ハム戦で見えたドラフト3位・赤星 優志選手の1軍起用への課題とは

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(練習試合、巨人-日本ハム、15日、沖縄・那覇)巨人のドラフト3位・赤星優志投手(22)=日大=が三回から2番手で〝デビュー登板〟を果たし、2回4安打2失点の内容だった。

【写真】先発の戸郷は2回3安打1失点

「まだまだ実力不足というか、頑張らないといけないなと感じました」

三回1死一塁から万波の右前打で一、二塁とされると、石井に左中間を破る2点二塁打を浴びた。日本ハム打線については「初球からくるというイメージが、打者からすごくあった。初球からしっかりコースを狙って投げるという意識でした」と語った。自慢の制球力を発揮することはできなかった。

9日に1軍の宮崎キャンプに昇格。その初日の円陣では先輩たちが見守る前で「1軍に定着します」と宣言した肝っ玉ルーキーは生き残りを目指す。

巨人のD3位・赤星優志が〝ホロ苦デビュー〟 「まだまだ実力不足」(サンケイスポーツ) - Yahoo!ニュース

 

【日ハム戦では2回2失点と100点とはいえない結果に】


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 紅白戦では1回無失点と結果を残し、1軍の沖縄2次キャンプでは唯一の新人帯同となった赤星選手。15日の日ハム戦で2回を投げたものの、2失点と100点とはいえない結果となりました。内容自体も最初の1回で1アウトしかとれず連打を浴びて2失点だったため、その後は持ち直せたとも言えますが、しっかり捉えられており、あまり褒められる内容ではありませんでした。

 なぜこのような結果となったのか。投球内容を振り返りながら分析したいと思います。 

【アマチュア時代から目立っていた奪三振率の低さとその原因】

 赤星選手の日大時代の奪三振率は6点台とドラフト指名選手の中では低い部類に入ります。その原因は目立った決め球の無さ。日ハム戦での三振はすべてストレートであり、変化球で三振を奪えていません。

 なぜ変化球で三振が奪えなかったについては、赤星選手は球種こそ豊富ですが、どの変化球も大きな変化量や鋭い変化がなく、打ち損じはあれども空振りには繋がってい暗線。投げた瞬間から変化し始めるタイプの変化球の為、投げた瞬間からボールとわかる変化球は変化量が大きいわけでないため打者も誘われず、簡単に見逃されています。

 

 

【緩急が使えないことが致命的なダメージに】

 赤星選手の持ち球はスライダー・カーブ・フォーク・チェンジ・カット・ツーシームと豊富ですが、日ハム戦で投げた球種と投球数を見てみると、スライダー・カーブはほとんど投げていません。

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 右投手にとってスライダー・カーブは生命線の一つ。それにもかかわらずなぜ割合が少ないのかについては、赤星選手自身も課題に挙げるスライダー・カーブの精度の甘さです。

 カーブは大学時代にスライダー、フォークとともに不安を残す球種だったが、14日はブルペンで精力的に練習。「投げたい軌道をイメージして練習してきたので、いい形になって良かった。緩急と(打者の)目線を浮かせる目的で投げたい」。エースの助言は期待の証し。縦変化と奥行きも駆使して、新庄ビッグボス率いる日本ハムに挑む。(小島 和之)

【巨人】ドラ3赤星優志、15日初対外試合でカーブ解禁…菅野からの金言で決意 : スポーツ報知

 赤星選手はストレートの平均は140~143キロが多く、それに対しカットやツーシーム・フォークは128~138キロが多く、ストレートと大きな球速差がありません。そのため打者はタイミングが合わせやすく、フォーム自体も癖がなく合わせやすいため、初見のバッターでもしっかり振りぬいており、長打を打たれていました。

 

 

【今後の課題】

 変化球の全体的な変化量と球速アップ。さらにスライダーの割合を増やせなければ1軍では力負けする可能性が高くなります。決め球になる変化球が少ないことも課題であり、三振を奪えるような打者が迷う変化球の開発も求められるため、赤星選手は全体的なレベルアップが必要となっています。

 

【桑田カーブで飛躍となるか】

27日のDeNAとのオープン戦那覇)で〝プロ初先発〟となった赤星は、先頭・桑原に右前打を許したが落ち着いていた。20日の練習試合で2回2失点を喫したDeNA打線を相手にカーブを多投。緩急を使った投球で、3回39球3安打3奪三振無失点と抑え込んだ。  前日に桑田投手チーフコーチとキャッチボールを行い、タテに落ちるカーブを直伝された。実戦で披露した右腕は「教えてもらった握りで投げてます。タテのスピンの効いたカーブを教えていただいて。まだまだ桑田さんのカーブには及ばないので、それに少しでも近づいていけるように練習したいなと思います」と手ごたえ十分だった。

巨人ドラ3・赤星が〝桑田カーブ〟で3回無失点 桑田コーチ「習得して先発をできるように」(東スポWeb) - Yahoo!ニュース

 スライダーとカーブは精度不足であまり投げていませんでしたが、桑田コーチからカーブを教えられDena戦で試投しています。まだ変化量のばらつきがあるものの、右打者のアウトコースに投げ込め、引き付けて打とうとするために空振りを奪えています。菅野選手や桑田コーチからも先発としてやっていくならスライダーとカーブは絶対に必要と言われている通り、カーブの割合が増えたことで右打者はある程度抑えられるようになっています。

 しかしそれでも対左が4打者で2四球2三振であるのに対し、対右が16打者6被安打4三振と、まだ右のほうが打たれています。スライダー・カーブの精度アップが今後の課題となります。