読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

巨人が2022年を野手ドラフトにするためのキーパーソンとは

巨人が今秋ドラフトの1位指名候補に日体大で二刀流で活躍する矢沢宏太投手(21)をリストアップしていることが28日、分かった。投げては最速150キロを誇る左腕で、打っては50メートル5秒8の俊足を生かす1番タイプの巧打者。メジャーの舞台で二刀流で活躍するエンゼルス大谷翔平投手(27)のようなスター選手となる可能性を秘めた逸材を徹底マークする。
 投げて、打って、チームを勝利に導く。誰もが憧れるが、プロなど高いレベルでは限られた人間でしか可能ではない二刀流。巨人が今秋ドラフトの目玉となりそうな二刀流の矢沢を密着マークする。

 矢沢は1メートル73と小柄ながら左腕から繰り出される直球の最速は150キロ。首都大学野球リーグ戦で3本塁打を放つ打力に加え、俊足も魅力だ。昨年、メジャーで9勝&46本塁打を記録してア・リーグMVPに輝いた大谷のような二刀流選手となる期待も背負う。矢沢も「それ(大谷の日米での活躍)がなかったら(二刀流を)やる選択肢がなかった。投手と野手、どちらもドラフト1位のレベルを目指したい」と掲げる。

 矢沢は巨人の補強ポイントにも合致する。今年の開幕ローテーションの6人で左腕はメルセデスだけ。昨年チーム最多11勝の高橋は本調子ではなく救援待機している。切れ味の鋭いスライダーを操り、スタミナ十分の矢沢は入団すれば即戦力となれる。打者でもチームの近年の課題である1番タイプ。広角に長打を打つ技術もある。

巨人 日体大の二刀流・矢沢をドラフト1位指名候補にリストアップ― スポニチ Sponichi Annex 野球

 

【巨人が日体・矢澤選手を1位候補に】


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 28日に編成が日体大・矢澤選手を1位候補としていることを発表。下級生時代から注目された二刀流の選手で、投手としては最速150キロを投げ4年春は7勝をあげ、防御率も1点台という圧倒的な成績を残しています。また野手としても出場し、3本塁打を放て率も残せる巧打者と、投打どちらでも期待できる選手として、巨人も獲得候補としています。

 しかし今の巨人を見てわかるとおり、深刻なのは野手。坂本選手も故障が目立ち、丸選手も今年で33歳と衰えが見えてくる年齢。特に外野手は2軍の帝王と化している石川選手にムラだらけの重信・松原選手と中堅どころも定着できていません。

 このため今年は野手豊作ということもあり、巨人は野手ドラフトに走ると予想されています。しかし1位候補は左腕の矢澤選手。この先巨人が22年ドラフトを野手中心にするためのキーパーソンは誰なのか。それについて触れていきます。

 

 

【矢澤選手が1位候補に挙げられた理由】

 

 矢澤選手が1位候補に挙げられた理由の一つが先発左腕不足。現在の先発ローテは菅野ー戸郷ーメルーシューー赤星ー山崎選手を中心に、高橋・堀田・アンドリース・畠選手が控えています。このローテからもわかるとおり、ローテ固定は外国人枠のメルセデス選手のみで、候補も高橋選手1名と左腕不足が深刻。

 今村選手も中継ぎ起用されているため、若手でも横川選手に3軍起用の山田選手。リハビリ明けでようやく3軍で復活登板を果たした井上選手と、候補に数えられる選手すら少ないために矢澤選手が1位候補となりました。

 

【野手ドラフトへのキーパーソンは】

 上記からもわかる通り、野手ドラフトの戦略をとるには計算できる左腕の台頭が鍵。その候補となるのが高橋・横川の2名となります。高橋選手についてはローテとして起用されていることもあり期待されるのは当然ですが、なぜ横川選手なのか。


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  実は22年ドラフト矢澤選手以外にもノーヒットノーランを達成した白鴎大・曽谷選手や都市対抗では調子を落としたものの、1年目から好成績を残したホンダ・片山選手、1年から登板し続ける慶応・増井選手と即戦力投手で1・2位候補が左腕に揃います。右腕でも東芝・吉村選手や亜細亜大・青山選手、東京ガス・益山選手、東洋大・羽田野選手と好素材は多いものの、まだ素材型が目立ち、実績豊富は左腕に集中しています。

 富士大・金村選手や大阪ガス・河野選手と即戦力候補はいますが、どの球団でも不足する左腕が豊富であるため、左腕が足りないとなれば上位枠でこれら即戦力左腕を狙う可能性が高く、野手ドラフトをする上での大きな問題となります。このため高橋選手だけでなく、今年で5年目となり戦力として見込める可能性がある、という段階まで首脳陣を評価を上げなければ、戦力として見込める左腕がいないということで、先発候補の左腕を一人獲得する動きが出てきます。

 高卒1~2年目の石田・代木・阿部・鴨田選手は1軍戦力とは期待できず、井上選手はようやく3軍で実践復帰した状態。山田選手も2軍では炎上が続き3軍調整が続いているため、左腕先発として期待できるのが横川選手のみとなっています。

 

【今村選手の活躍は影響するのか】

 阪神戦で6失点炎上し防御率こそあがったものの、それ以外の球団では11試合を投げて2失点と中継ぎとして好投しているのが今村選手。

 中川選手の故障が長引き、大江選手の不調が続く中で貴重な中継ぎとして活躍していますが、今村選手の活躍は左腕獲得に影響するのか。

 残念ながら今村選手が活躍しても左腕獲得の方針は変わりません。理由としては一軍の左中継ぎが高梨・大江・今村選手のみ。その大江選手も敗戦処理止まりで、中川選手は毎年故障で離脱するため、計算できる中継ぎが足りていません。

 二軍も股関節故障以降結果を残せていない高木選手。なかなか一軍に上がれない戸根選手。育成一年目の冨田選手のみ。冨田選手も2軍では防御率14点台と、若手中継ぎの状況は厳しく中継ぎ候補すらいない状況の為、左中継ぎの補強は今村選手関係なく必須事項となっています。

 

 

【左腕獲得の見込みについて】

 菊池選手を支配下にしたことで現在の支配下枠は67名。しかし今年は戦力外候補が少なく、引退候補も微妙なところです。そのためあまり多くの支配下選手は獲得できず、その代わり今年は育成と発掘と銘打ち育成選手を大量に獲得すると表明した最後の1年であるため、支配下よりも育成で左腕を揃える可能性が高くなっています。

 そして左腕を獲得すればその分全体のバランスをとるために同じ左腕を戦力外にすることとなるため、支配下で中継ぎ候補の左腕をとれば、戸根・高木選手のどちらかが危ない立場となります。