読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

イアン・クロール選手獲得から見る巨人の左腕中継ぎの厳しい現状について

巨人が緊急補強に動いた。パドレス傘下3Aエルパソ自由契約となっているイアン・クロール投手(31)と入団契約に合意したことが4日、分かった。近日中に正式発表される。クロールは鋭いスライダーを軸に150キロ前後の直球と変化球が武器の左腕。メジャーでの登板243試合はすべて中継ぎのスペシャリストで、エンゼルス大谷や日本球界復帰を果たした広島秋山とは元同僚だ。巨人が課題のブルペン陣を強化し、巻き返しへの態勢を整える。

【巨人】緊急補強!メジャー243登板150キロ左腕イアン・クロール獲得 中継ぎスペシャリスト - プロ野球 : 日刊スポーツ

 

【巨人が中継ぎ左腕としてクロール選手を補強】


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 巨人が左の中継ぎ候補としてイアン・クロール選手を獲得。クロール選手は今季はパドレスに所属し、通算243試合8勝6敗26H防御率4.49であり、これまではすべて中継ぎで起用されてきました。150キロ前後のストレートにスライダー・カット・カーブ・シンカー・チェンジを投げ込むパワータイプ。年俸は3500万と自由契約状態であったためか安めとなっています。

 今季は3Aで1勝1敗2S防御率7.46と制球が悪化し自由契約となっていましたが、中川選手が未だにノースロー状態で計算できず、大江選手は調子が戻らず3軍がメインとなっており、1軍で起用できる左腕中継ぎが今村・高梨・高木・戸根選手の4名のみと左腕不足が顕著である巨人が緊急補強する形となりました。

 

【緊急補強が必要な左腕中継ぎの現状について】

 外国人枠はすでにメルセデス・シューメーカー・アンドリース・ウォーカー・ボランコと5枠が埋まっているにもかかわらず、ここにきてなぜ中継ぎを補強したのか。

 ブルペン陣の強化が目的と報道されていますが、具体的にどれほどブルペン陣がぎりぎりとなっているのかについて触れていきます。

 

 左腕中継ぎは勝ちパターンだった中川選手は自主トレ中の故障以降3軍帯同が続いており、今現在もキャッチボール以降続報がなく、ブルペン登板している情報もありません。このため中川選手については今季絶望の可能性が高くなっています。

 

 大江選手は2軍と3軍を往復する毎日。2軍成績は19試合で防御率4,40と結果を残せていません。3軍では無失点ではあるものの、ストレートが140キロを超えることはなく、130中盤で球威も物足りなさがありました。残念ですが大江選手についても現状では1軍で計算できる内容ではありませんでした。

 横川・山本選手といった若手左腕は共に先発として起用されており、中継ぎとして起用するには再調整を図る必要があります。加えて横川選手は130キロ台で変化球でかわす投球がメインのため中継ぎ向きではなく、山本選手も腕が遅れて出てくる変則左腕で140前後のストレートながらタイミングの取りづらさが武器ですが、変化球の精度が甘く中継ぎでは怖い部分が目立ちます。

【育成左腕の台頭はあり得るのか】


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 現在巨人の育成左腕は手術で育成再契約となった井上選手。身長2mの阿部選手と195センチ越えの鴨田選手。四国学院大から入団した富田選手の4名です。

 井上選手は今年復帰登板を果たし、ストレートは平均145前後を記録する成長を見せています。ですがまだ変化球の精度・キレは戻り切っておらず、変化球ではあまり空振りを奪えていません。2軍の先発ローテも横川ー山本ー井上ー堀田(山崎)と1軍の中継ぎとして赤星・桜井選手などが昇格しているため、これ以上1軍中継ぎに回せません。

 

 阿部選手は下半身が太くなっていますが、フォームは以前投げる瞬間にブレーキをかけてしまうフォームでリリースもバラバラであるためコントロールが悪く、3軍登板が続いています。

 冨田選手もシーズン当初は2軍中継ぎで起用されていましたが、5試合を投げ防御率は21.00.持ち球が少ないため見られてしまい、3イニング6四球と四球から痛打され崩れる展開が多く今は3軍起用。こちらも時間がかかることから支配下の可能性は低くなっています。

 

【まとめ】

 残念ですが現状ではこれ以上の中継ぎ左腕の台頭は厳しく、育成からの昇格の可能性も低くなっています。右の中継ぎも田中豊選手は3軍で球速が戻り切っておらず、畠選手もノースロー状態。鍵谷選手も調整不足で2軍降格となりました。

 デラロサ・ビエイラ選手もともに2軍調整が続いており、左右の中継ぎが不足し勝ちパターンが安定していない今、左腕中継ぎの補強以上に、勝ちパターンで起用できる中継ぎが少なすぎる状況を踏まえた獲得ともなっています。