読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

3軍で防御率4点台の笠島尚樹選手。成長と苦戦の理由とは

プロ野球イースタン・リーグ 楽天15-2巨人(30日、ジャイアンツ球場)

巨人の投手陣が6回までに15失点と崩壊し、大敗しました。

先発の井納翔一投手は、初回、楽天・横尾俊建選手に先制のタイムリーヒットを打たれると、2回と4回にも追加点を許し、4回6失点で降板します。

その後も2番手・笠島尚樹選手が5回、マルモレホス選手に走者一掃のタイムリーツーベースを打たれるなど4失点。

6回には3番手・太田龍投手が制球が定まらず3つの四球を出すなど5失点。6回までに3人の投手が合計15失点と大炎上しました。

一方の打線も、楽天の先発・藤平尚真投手相手に4回までノーヒットピッチングを許すなど、反撃できませんでした。

巨人2軍戦 投手陣崩壊で15失点 楽天相手に投打がかみ合わず大敗(日テレNEWS) - Yahoo!ニュース

 

笠島選手の特徴】


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178センチ82キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・カーブ・カット・チェンジアップ

 

 セットからゆっくりと足を上げ、スリークォーターよりも下げた角度からの腕の振りから最速145キロ、常時140前後のストレートを投げ込む右腕投手。

 武器は大きく縦に変化するスライダー。少し浮き上がった後打者の手前で突然大きく落ちるため左右問わず強力な武器となっています。右に対しては若干外に逃げるカーブも有効な武器となっており、また140前後ながらコースに投げ込めるコントロールも武器。カット・チェンジともに制球良く投げ込めておりコントロールのよさをスカウトから高く評価されています。

 1年目は3軍をメインに2軍には8試合に登板。今年は16に登板し、防御率4.86となっています。

【成長した点】

 大きく成長している点は平均球速の向上。アマチュア時代の笠島選手の球速は最速145キロ、常時140前半といったところで、コントロール重視の投手でした。

 入団後2年が経過し体重は78キロから82キロに増加しており、体つきもしっかりしてきています。その成果は球速に現れており、最速は149キロを記録し、平均球速も142~147とばらつきこそあるものの、しっかりと球速を伸ばしています。

 

 また3軍でリハビリしていた鍵谷選手の指導で足の踏み込みを変えており、フォーム改造にも取り組んでいます。

【苦戦している理由とは】

【①:奪三振率の低さ】

 笠島選手の22年2軍奪三振数は16(2/3)イニングを投げわずか6つ。奪三振率も3.24と低い数字となっています。実は21年よりも防御率はよくなっているものの奪三振率は悪化しており、1イニング辺りの平均球数も15~20球になることが多いため、打たせて取る投球が出来ているわけではありません。

 

【②:スライダーの精度悪化】

 

 なぜ奪三振率が悪化しているのか。その原因はスライダーの精度の悪化です。笠島選手は縦の横の2種類のスライダーを使い分け、この2種類のスライダーとコントロール良くコースに投げ込むストレートとのコンビネーションで打ち取っていきます。

 しかし今の笠島選手はこのうちの横のスライダーの精度が悪化しており、投げた瞬間にボールゾーンに向けて大きく変化してしまうため、打者はハーフスイングどころかほとんど反応しておらず、横のゾーンが使えなくなっています。

 

 スライダーの精度が悪化しているため力で抑えようと力みが出ており、指に引っかかってフォークやアウトコースへのストレートが引っかかって精度が悪化。どうしても真ん中中心になり打者に当てられてしまっており、これが奪三振の低さにつながっています。

 

【まとめ】

 球速は伸びたものの変化球の成長はまだ課題が多く、支配下の見通しは見えていません。平井快青選手のように高卒育成であっても3年で戦力外になった例もありますが、平井選手は3年でほとんどが3軍登板と実績を積み上げられなかったため、笠島選手の場合は4年目が一つのラインとなります。