<東京新大学野球:流通経大2-0杏林大>◇第5週第2日◇8日◇さいたま市川通公園
流通経大は杏林大に連勝し、3つ目の勝ち点を獲得。単独首位に立った。
最速148キロ右腕・小沢颯太投手(高崎商=4年)が9回4安打1四球完封の好投で勝利に導いた。
5回1死までは1人の走者も許さない完全投球。しかし、この日14人目の打者の三塁への飛球を、三塁手が落球(記録は失策)。それでも動揺はなかった。小沢は「あれのおかげで特に意識せずに投げられました」と笑顔で振り返った。6回には、打球が小沢の左足を直撃するアクシデントで、不運な初安打も許したが、痛みをこらえ、続投した。
高野重弘監督(57)は「逆に前に落とせなくて悔しがっていたんです。目も死んでなかったんです」。結果的には4安打完封。同監督は「エースの意地、4年生の意地をみせてくれましたね」と笑顔でたたえた。
32度目のリーグ制覇に向け小沢は「最後に創価大戦が残ってます。創価に勝てないと、優勝はないと思っているので、そこに集中していきたいです」と力を込めた。
【東京新大学】流通経大が連勝で単独首位 小沢颯太が完封「エースの意地みせてくれた」高野監督 - アマ野球 : 日刊スポーツ
【小澤選手の紹介】
178センチ78キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・チェンジ・カット・ツーシーム
セットから大きく上半身を反らし、大きく角度をつけたオーバースローで投げ下ろすフォームから最速148キロ、常時140中盤のストレートを投げ込む右腕投手。120キロ後半の縦のスライダーに110キロ台のカーブ、120キロ後半の外に小さく変化するチェンジアップ、130中盤のツーシームを投げ込んでいきます。
武器は高いポイントから振り下ろす角度をつけたストレートと同じ軌道で落ちるチェンジアップ。さらに左打者のインコースをつく縦の小さく変化するスライダーの組み合わせた投球。ダイナミックなフォームながら球威で押すタイプでなく、ストレートと見分けがつきにくい変化球で芯を外しながら打ちとっていきます。
チームでは主に先発で起用。4年春は59イニングを投げ自責点は14で防御率2.14と好成績を残しており、全国大会では神奈川大で登板し8回3失点と投げぬきました。
ダイナミックながら豊富な変化球を武器とする右腕としてさらなる飛躍が期待されます。
【指名への課題】
課題は全体的にもうひと伸び欲しい物足りなさです。小澤選手の変化球は全体的にまとまっていますが、2ストライクから使える変化球に苦労しています。小澤選手の変化球は全体的に変化量が小さいため、空振りを奪うのに苦労しています。
またオーバースローのためリリースが早いと高めに浮いてしまう場面が目立ち、チェンジやツーシームの変化量が小さく真っ直ぐ変化するため、高めに打ち頃の変化球が抜けてしまっています。高めに抜ける変化球の割合が多いため、左打者に対しては変化球を要求するのには怖さが残っています。オーバースローの投げ下ろすフォームであるため、フォーク系の大きく落ちる球があれば落ちる系の球が来た際に打者が迷うため、甘く入っても痛打されるリスクを軽減できることから、大きく変化する球の習得が求められます。
【指名順位予想】
即戦力ではく素材型としての評価となります。しかし素材型としても角度を使った投球が武器ながらあまり身長が無く、軸となる変化球が無いため、素材型としても上位指名の可能性は低くなっています。
球速や変化球の変化量、リリースポイントの安定など数年後の即戦力と評価しての獲得となります。そのため何年かは2軍漬けとなるため、育成2~3位が指名順位となります。