読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

右打者を惑わす投球が持ち味 東海大札幌キャンパス 渡部 雄大選手 大卒左腕投手

全日本大学選手権第2日(7日、神宮ほか)1回戦7試合、2回戦1試合が行われた。東海大札幌(札幌)は1回戦で先発の渡部雄大投手(4年)が大会史上7人目のノーヒットノーランを達成し、環太平洋大(中国)に2-0で勝った。4四死球と失策で走者を出しただけで投球数は138。2011年に近大工学部の久保田高弘が1回戦・名桜大戦で達成して以来、11年ぶりの快挙となった。

東海大札幌・渡部雄大、気づかずノーヒッター達成! 大会7人目快挙/全日本大学選手権(1/2ページ) - サンスポ

 

【渡部選手の紹介】


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178センチ80キロ 左投げ左打ち

変化球:スライダー・カーブ・カット・チェンジ・フォーク・ツーシーム

 

 セットからリリースする瞬間に腕が出てくる球の出どころが見にくい腕の振りから最速144キロ、常時130後半のストレートを投げ込む左腕投手。120後半のスライダーに100キロ台のカーブ、120後半のチェンジアップ、130前後のカットボール、130中盤のツーシームで打ち取っていきます。

 武器は出どころが見にくいフォームから繰り出される様々な変化球のコンビネーション。特に右打者に対してばアウトコースにはカットボールとチェンジ・ストレートの使い分けで引っ掛けたような当たりを量産。さらにインコースにはストレートとスライダーのコンビネーションで膝元に堕とし空振りを奪っていきます。

 チームでは主に先発で起用。肩甲骨と股関節の柔軟性を上げるトレーニングに重点的に取り組んだことで可動域が向上。腕の振りがよくなりツーシームの精度が向上したことで左のアウトコースへのストレートがいきるようになりました。全国大会では右打者を並べた環太平洋大を相手に打者を翻弄。8奪三振ノーヒットノーランも達成しており、技巧派左腕として注目されています。

 

【指名への課題】

 スタミナが切れてくると制球が甘くなり、どの球種もボール一つ分高くなるため空振りが奪えなくなります。序盤はストレートやスライダー・チェンジなどの高低差が少なく見分けがつきにくいため空振りを奪えていましたが、制球が甘くなるとストレート・スライダーは高めに、チェンジは指に引っかかりバウンドするほど低いために空振りを取るのに苦労しています。

 右はまだ豊富な変化球で上手く芯を外せていますが、左に対しては元々使える変化球がアウトコースへのスライダー・ツーシーム・チェンジに限られ、特にツーシームはあまり変化しない分高めに抜けるとあまり球速がないこともあり、痛打されてしまいます。

 

 

【指名順位予想】

 中継ぎでなく先発候補としての獲得。中継ぎであれば対右のワンポイントとして起用できますが、空振りを奪うのでなく引っ掛けて打ち取るタイプの投球であるため、ある程度力押しが出来てしまいます。先発として計算するにも140前半は欲しいところ。またカーブを投げる時のみリリースが早く制球がばらつくため、空振りだけでなく左右から見逃しを奪うカーブの精度アップも必要となります。

 現状では5位~6位の下位指名候補。変則と言えどストレートの球速が平均140を超えてこないと即戦力としては評価されなくなっており、中継ぎとして試しながら、1~2年後に先発1軍デビューといった流れが期待されます。