上武大(関甲新学生野球連盟)の最速146キロ左腕・新谷晴(しんや・はると)投手(3年)が15日、群馬県伊勢崎市のグラウンドで今季初のシート打撃に登板し、打者10人に無安打と無難な投球を見せた。
「タイトルをとれるような投球で春のリーグ戦で優勝できるようにしたい。これから、気迫で抑えられる投球をめざしていきたい」。新谷は174センチ、83キロのがっしりした体から、チェンジアップ、スライダーをまじえて3年秋までリーグ通算4勝。体形と真っすぐで勝負するスタイルから、楽天・松井裕樹投手を目標にしてきている。
さらには、ヤクルトに入団した新潟・日本文理高時代の同期、右腕・鈴木裕太投手と同じ舞台に立つことを大学入学時から意識。視察した中日・正津スカウトは「スライダーがいいし、楽しみな左腕」とうなずいた。
新4年になる今春は、ドラフト候補に挙がる最速153キロ右腕・加藤泰靖投手(3年)とともにリーグ制覇、そして日本一をめざす。
【新谷選手の紹介】
174センチ83キロ 左投げ左打ち
変化球:スライダー・カーブ・チェンジ
セットから足を上げた後タメを作り、オーバースローよりも低い角度で振りぬくフォームから最速146キロ、常時130後半のストレートを投げ込む左腕投手。120中盤のスライダーに100前後の膝元に落ちるカーブ、120中盤の小さく落ちるチェンジアップを投げ込んでいきます。
武器は力のあるストレートとスライダー、チェンジを組み合わせた投球術。本人も気迫で抑えられるようにしたいと語るとおり、球威のあるストレートを中心に投げ込んでいき、そこにコースを突けるスライダーと手元で小さく落ちるチェンジアップで空振りを奪っていきます。
チームでは先発・中継ぎ両面で起用。5試合に登板し先発として2試合起用されており、2勝0敗防御率0.93と好成績を残しています。高い奪三振能力も魅力の左腕として注目されています。
【指名への課題】
課題は出力不足。投球内容は全体的にまとまっているものの、オーソドックスなフォームから140前後のストレートに120中盤の変化球で持ち球の変化球種も3つと物足りなさが残ります。140を超える時は多くが2ストライクまで追い込み空振りを奪うために力んで高めに抜けてしまったストレートが多く、現状の出力では平均140越えは厳しくなっています。
スライダー・チェンジともに抜け球は少ないものの変化量も目を見張るほどではなく、今以上に球速が伸びないとパワーで持っていかれてしまう内容となっています。
【指名順位予想】
まだ全体的な出力不足が目立つため即戦力ではなく、素材型としてもここ1~2年で大きく伸びしているわけではないため、期待通りに伸びるかどうかが不明瞭のため、伸びしろ面でも大きく評価はされません。
そのため3~4年後に戦力になることを期待し2軍で起用しながらの運用となるため、育成2~3位が候補となります。