<全日本大学野球選手権:静岡大-東日本国際大>◇6日◇1回戦◇東京ドーム
東日本国際大(南東北)の小林龍憲内野手(4年=作新学院)が先頭打者弾で今大会1号を決めた。
初回無死走者なし、カウント1-2から120キロの内角変化球をすくい上げ、右翼席に先制ソロ。大会通算847号となった。続く1死走者なしの場面では、3番佐々木優征外野手(3年=青森山田)がカウント1-2から124キロ変化球を捉え、右中間に大会通算848号となる1発。東日本国際大は初回に2本のソロ本塁打で2点を先行した。
【小林選手の紹介】
172センチ76キロ 右投げ左打ち
ポジション:セカンド・ショート
大学通算5本塁打、チームでは1番で起用される、打撃能力を高く評価される小柄な内野手。シャープなスイングで引っ張る打撃が魅力で、4年春は43打数19安打10得点3本塁打で打率.442と優勝に大きく貢献。打点王・本塁打王・ベストナイン・表彰選手の4冠を獲得しました。
また全国大会でも鋭いスイングでライト方向へ2本塁打を放ち、持ち前の打力を大きくアピールしています。
守備は3年まではショートで起用されていたものの、4年生からはセカンドへコンバート。守備能力については打球反応が良くグラブさばきのうまさもあり、ライナー性の当たりもしっかりと処理してアウトにしています。
4年生で打撃を開眼しており、打撃型内野手として注目されています。
【指名への課題】
課題の一つはインコース捌き。小林選手はかなりベース寄りに構えるのが特徴の一つですが、ベースにかなり近いため、インコースを攻められるとどうしてもバッティングが窮屈になります。引っ張りのスイングが多いため、制球がよい投手が相手となるとインコース攻めをされてしまい、引っ掛けて弱いゴロを打たされてしまっています。
相手のスタミナが切れてインコースに投げ切れなくなると武器である引っ張りの打撃が活きてくるため、制球型の投手を苦手としています。
また守備も守備範囲内の打球であればうまく処理できますが、ショート・セカンドとして見るには俊足のほうではなく、守備範囲自体はあまり広くありません。打球反応の良さからサードとしての起用の可能性も模索したいところですが、肩もあまり強いではないため、サードとしても不安が残ります。
【指名順位予想】
4年生になり打撃が大きく向上し一気にドラフト候補にまで上り詰めた選手。そのため打撃内容についても不振だった期間のほうが長く、守備は堅実で上手いものの守備範囲自体はあまり広くなく、肩もあまり強くないためコンバートや複数ポジションも上手くいくかどうかが不明瞭となると、指名順位は低くなります。</p >
素材型ではなく、打撃成績も4年春のシーズンのみが判断材料となるため、打撃が一過性のものなのか、小林選手本来の打撃を取り戻せたのかも判断がつきません。そのため現状では指名漏れの可能性が高くなっています。社会人に進み長打力を維持できれば即戦力の打撃型ショート・サードとして期待されます。