◆社会人野球JABA京都大会 ▽予選リーグDブロック NTT西日本7―5JR西日本(26日・わかさスタジアム京都)
NTT西日本が4点差をひっくり返し、JR西日本に勝利。相手先発のプロ注目右腕・石黒佑弥から5、6回の2イニングで3本塁打を放った。
1―5の5回に反撃が始まった。先頭打者から連打で一、三塁とすると9番・串畑勇誠中堅手が左中間へ3ランを放ち、1点差に。さらにこの回1死からDH・日下部光がバックスクリーンへ同点ソロ。「インコース高めの真っすぐを打ちました。状態はずっと良かったので、結果が出て良かったです」とうなずいた。
さらに6回1死一塁から辻本勇樹捕手が中越えに逆転2ランを放ち、相手先発・石黒をマウンドから引きずり下ろした。河本泰浩監督は「打線がしっかり振れていた。(大会初戦で)勝つ事ができてよかった」と評価した。
この日の第2試合、三菱重工West―ツネイシブルーパイレーツ(Cブロック)は8―8の5回表途中で降雨ノーゲームとなり、第3試合(宮崎梅田学園―日本生命、Cブロック)とともにわかさスタジアム京都で27日に行われる。
【石黒選手の紹介】
180センチ82キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・カット・フォーク
経歴:星城ーJR西日本
解禁年:2022年
セットから低く足を上げたところで一度静止し、投げ下ろすフォームから最速151キロ、常時145前後のストレートを投げ込む右腕投手。120後半の縦のスライダーに100キロ台のカーブ、120中盤のカットボール、130キロ台のフォークを投げ込んでいきます。
武器は伸びのあるストレート。角度を持って投げ込み手元からさらに伸びていくストレートで空振りを奪っていきます。左打者にはストレートを中心にフォークで外の球を引っ掛けさせ、右打者にはスライダーでアウトコースを攻めながらストレートをインコースに投げ込んでいきます。
チームでは主に先発で起用。都市対抗戦では2戦に先発し、四国銀行戦では7回途中2失点と好投したものの、ENEOS戦で打ち込まれ10(2/3)回8失点で防御率6.75と不本意な結果に終わっています。
高卒社会人でさらなる伸びが期待される投手となっています。
【指名への課題】
課題はストレート以外で計算できる変化球が少ないこと。特に左打者相手に使える変化球がなく、外に逃げる球があるもののキレや精度がいまいちなため、高めに浮いた球をしっかり振り切られ痛打されています。フォームもタイミングを合わせやすく変化球の種類でも緩急を使えないため、威力あるストレートも一巡すると合わせられています。
一方で右打者についてもアウトコースへの変化球がスライダーしかないためスライダーに合わせられライト方向へ軽打で打ち返されています。現状では相手打者のランクが上がると2巡目で捕まりストレート押しが出来なくなり試合を作れなくなっています。
【指名順位予想】
ストレートの伸びは魅力ですが、計算できる変化球が無いためまだ安定して試合を作る能力がありません。高卒社会人であるため素材型としては評価できますが、それでも武器となる変化球を持っていなければ見通しがたたないため、現状では指名漏れの可能性が高くなっています。
目標としてはフォークと対左用のカットボールを精度アップをはかり、緩急を意識させる球としてカーブの割合を上げることが求められます。社会人であるため武器となる変化球が2球種投げられるようになって指名候補となっています。