東京ガスの益田武尚投手(23=北九州市大)は、最速153キロの直球が魅力の本格派右腕だ。
中学まで内野手。投手を本格的に始めたのは高校から。転向の理由は「内野の守備が下手だったから」。そんな東京ガス・益田は、ドラフト候補右腕に挙がるまでになった。「このチームで結果を残せれば(プロ入りが)視野に入ってくると思います。そのためにも、チームの勝利に貢献したい」と大目標を見据えた。
チームに貢献したいわけがある。昨年の都市対抗。自身初の全国の舞台は悔しい結果となった。初戦のミキハウス戦は、自己最速153キロをマーク。5回を2失点にまとめ、勝ち投手となった。しかし、準々決勝ENEOS戦は先発を託されながら左脇腹を負傷し、わずか1球で降板。チームは初優勝を飾ったが「(自己採点は)50点にも届かないくらい。都市対抗のためにやってきたのに、迷惑をかけっぱなしでした」と唇をかんだ。
投手として足らないものは「全て」と言う。球速は「最速だけを見ていても仕方ない」と前置きした上で155キロを目指す。変化球の精度も、スタミナ面も課題に挙げる。「会社の人たちは、仕事を休んでまで応援しに来てくれました。勝ちに貢献して恩返しをしたい」。狙うは都市対抗連覇。そしてプロの扉を開く。
【益田選手の紹介】
175センチ87キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・カット・チェンジ・スプリット
解禁年:2022年
セットから足を上げたところで一度静止し、最速153キロ、常時140後半のストレートを投げ込む右腕投手。110キロ台のカーブ、130中盤のカットボール、130中盤のチェンジアップ、130後半の小さく落ちるスプリットを投げ込んでいきます。
武器は先発で登板した際も常時140後半を記録する力あるストレート。150超えを記録することも珍しくなく、6割近くがストレートながら打者は押し込まれ空振りを奪います。そこにカウントを整えられるカットボール、引っ掛けさせるチェンジ・スプリットにタイミングを大きく外すカーブを中心に組み立てて打ちとっていきます。
チームでは主に先発で起用。1年目の都市対抗では登板中に脇腹を痛め無念の降板するも、リハビリ期間に体幹トレーニングとバランストレーニングにつとめたことでギアチェンジを意識した投球術を獲得。JR東海戦では完封勝利を遂げています。
即戦力右腕の一人として注目されています。
【指名への課題】
課題は先発として計算するうえでのスタミナ。益田選手の投球スタイルはストレートで押していきますが、50球を超えた辺りからストレートが全体的に高めに抜けるようになります。
球種の割合の6割がストレートのため、4回辺りからコントロールが乱れコースにストレートを投げられなくなることから、制球重視で145前後のストレートが中心になり、ランナーを出してクイックになるとチェンジアップも抜けるようになるため、カーブ以外でストライクが取れないようになり投球が苦しくなっています。
スプリットも変化量が小さくストレートが使えないと効果を発揮しない球となっているため、現状ではスタミナ不足が課題となっています。
【指名順位予想】
現状ではスタミナ不足から先発としては調子が良ければ抑えられるが、通常では4~5回からどのように乗り切るかが課題となります。そのため先発ではなくリリーフとして評価することもでき、ストレートが制球出来る間はストライク先行でガンガン投げ込めるため、中継ぎならば即戦力。先発ならば素材型として将来性を評価となります。
指名順位としては外れ1位~2位となります。今年は即戦力投手が少ないため、ある程度計算できる投手は順位が高くなっています。