早稲田大の主砲・蛭間 拓哉外野手(4年=浦和学院)が28日の早慶戦で本塁打を打った。慶應義塾大の左腕・増居翔太投手(4年=彦根東)から先頭打者本塁打を放ち、今春では初のマルチヒットを記録するなど、調子を上げている。早慶戦に登場した蛭間は久々に迫力があった。28日の本塁打で、現役最多の11本塁打。リーグ通算安打50本まであと1本に迫っている。
【蛭間選手の紹介】
176センチ85キロ 左投げ左打ち
ポジション:センター・ライト
通算12本塁打、チームでは主に4番で起用される、がっしりとした体でフルスイングから長打を生み出す左のスラッガー。打ち損じこそあるものの、パワーと力強いスイングでインハイをライト方向へ運ぶ打撃が魅力となっています。
また長打力が放てるパワーを持ちながら、50m5.9秒台の俊足も武器の一つ。通算盗塁数も8つと走塁面もアピールしており、スラッガーだけでなくチャンスメーカーとしても期待できます。
プロ志望を出さずに早稲田に浅学。1年秋からスタメンとして起用されるようになると、3年春には打率3割3本塁打でベストナインを獲得。スラッガーとして注目されますが、本人は攻守走3拍子が揃った率を残せるアベレージヒッターを目指しており、打球も無理に引っ張らずセンター方向に打ち返すだけが多くなっています。しかしセンター方向の深い当たりに打てているため本塁打だけでなく二塁打も多く、長打率は驚異の6割越え。俊足も活かし4年春は二塁打を量産しています。
21日にプロ志望を提出。俊足強肩で長打も期待できるバッターとして上位指名が期待されています。
【指名への課題】
プロの多くはスラッガーとして評価していますが、蛭間選手の魅力はセンターを守れながら長打も打てるところですが、蛭間選手自身は中距離ヒッターを目指しています。体重も85キロとスラッガーとしては軽めの体重です。そのためストレートに押し込まれ打ち損じになる場面も多く、特に左投手からのストレートに押し負けています。
センター守備として足を活かすために体重を増やしきれないためどうしてもパワーが伸ばせず、中距離ヒッターとして見るには率を残すこと、相手を問わず打てることが重要であるため、左投手が苦手なのは大きなマイナスポイントとなります。
また蛭間選手の懸念点の一つである打撃成績の多くを東大から稼いでおり、打撃成績が参考程度にしかならないという指摘ですが、実は本塁打自体は12本のうち東大からは4本と3分の1に留まっています。
しかし蛭間選手が東大から稼いでいるのは本塁打ではなく打率であり、安打の半分が東大からとなっています。そのため蛭間選手はプロ入り後も想定通りある程度率を残せる中距離打者として本当に計算できるかは課題となっています。
【指名順位予想】
蛭間選手が競合1位候補となるには、東大以外からどれだけ安打数を稼げるかがカギとなります。しかし今のところ2試合で0安打と打てておらず、現状では即戦力ではなく素材型としての評価となります。
センターを守れますが左打ちということで需要はおち、俊足を活かし盗塁によるチャンスメーカーとして期待するには東大以外での打率の低さが課題となります。そのため現状での評価は単独1位~2位の評価。今年のドラフト市場は例年に比べ目玉となる選手が少ないため一本釣りを狙った使命に走る球団が多くなり、結果として蛭間選手もその候補の一人となっています。