２２年ドラフトを考える上で重要なのが、翌年のドラフト市場の傾向。ドラフト戦略は数年スパンで考える必要があり、来年の豊作・不作を踏まえて今年のドラフト戦略を練る必要があります。
そこで２３年ドラフトがどのような傾向なのか。それを語りたいと思います。
【２３年ドラフト市場の傾向】
２３年ドラフトを一言で表すと「誰を１位で狙うかが鍵」の年です。２２年ドラフトは目玉候補がおらず、高松商・浅野選手が競合クラスですが、はっきりとしたドラ１候補は日体大・矢澤選手くらいで、他は１位と２位の間といった選手が多く、競合クラスがいない不作年と評価されています。
一方で２３年は目玉選手が多い一方で、目玉選手とそれ以外の選手で評価に大きな差が出来ています。１位候補は２２年時点で１位評価を得るほどの成長性・実績を残しています。
高卒投手であれば大阪桐蔭・前田 悠伍選手は２年生左腕ながらすでに１４０中盤から後半を連発しており、既に多くのスカウトが注目株に挙げています。横浜・杉山 遙希選手は１年生から背番号１を背負うエースで、東海大相模を２安打完封に抑えた総合力の高さが武器。
最速１４７キロの仙台育英・仁田 陽翔選手や最速１４９キロの享栄・東松 快征選手といった左腕も注目株。右腕でも専大松戸・平野 大地選手や東邦・宮國 凌空選手も注目されています。
さらに野手は１年生のころから大型スラッガーとして注目された、スラッガー３人衆のドラフト解禁年。８０本越えの花巻東・佐々木 麟太郎選手にかつてのスラッガー、ボンズ選手の愛称がついた通算３９号のスラッガー、広陵・真鍋 慧選手。１００キロ超えの巨体から放つパワーが武器の九州国際大付・佐倉 俠史朗選手が揃います。 １年生から横浜でショートスタメンとして活躍する横浜・緒方 漣選手も注目株です。
大卒選手では最速１５５キロ左腕の東洋大・細野 晴希選手が注目株。実績だけでなく順調に球速を伸ばしており、成長性もアピールポイントです。ダイナミックなサイドスローで最速１５０キロを誇る名城大・松本 凌人選手も即戦力として期待されます。大阪商業大・上田 大河選手と高 太一選手は同チームに所属しともに即戦力として期待される左右投手。中央大・西舘 勇陽選手は花巻東時代から注目された長身右腕。中央大でも順調に成長し、チームのリリーフエースとして活躍しています。明治大・ 蒔田稔選手は３年生から本格的に起用されるようになった遅咲きのエース。
野手は慶応大・廣瀬隆太内野手がすでに１１本を放っている右のスラッガー。明治大・上田希由翔選手もサードを守り、安打・本塁打どちらも期待できる内野手。 大卒ショートでは早稲田大・熊田任洋選手や中央大・石井巧選手といった好守好打型が多いものの、２２年に比べると不作となります。
社会人では都市対抗で４本塁打を放ったＥＮＥＯＳ・度会 隆輝選手が注目されるスラッガー。セカンドだけでなく外野守備にもついており、内外野両方で計算できる期待株です。ショートでは高卒社会人のヤマハ・相羽寛太選手や三菱重工East・津田啓史選手、大型選手のHonda・峯村貴希選手、ＮＴＴ西日本・泉口友汰選手といった１年目から起用される即戦力ショートが揃います。
投手ではNTT東日本・片山 楽生選手が高卒社会人として中継ぎから先発にと実績が積んでいます。日本通運・古田島 成龍選手も１年目から先発として起用。三菱重工West・竹田 祐選手も高校時代から注目された右腕投手。三菱でも先発として起用されています。
全体的に高卒・大卒・社会人どこでもドラ１候補がおり、誰を１位指名するかが鍵となっています。現状１位候補は今の時点でも１位候補としてみられるほどの活躍をあげておいるため、１位と２位で大きな開きがありますそのため１位を競合覚悟で狙うか、一本釣りを狙うかといった戦略が非常に重要となります。
【２０２３年ドラフト候補】
【高卒左腕】
東海大札幌・阿部堅心 182/76 左/左
最速１４２キロ、鋭く落ちるカーブが武器。素材型として注目される
仙台育英・仁田 陽翔 174/73 左/左
最速１４７キロ、１年間で球速を９キロも伸ばした成長株。
横浜・杉山 遙希 180/82 左/左
最速１４０キロ、１年生からエースナンバーをつける。
享栄・東松 快征 177/83 左/左
最速１４９キロ、順調に成長する上位候補
大阪桐蔭・前田 悠伍 180/78 左/左
最速１４８キロ、常時１４０中盤を投げる注目候補
【高卒右腕】
北海・熊谷 陽輝 183/100 右/右
最速１４３キロ、投打で活躍する大型右腕
専大松戸・平野 大地 181/84 右/右
最速１５０キロ、１７３球を投げぬいた馬力のある先発型
東邦・宮國 凌空 175/74 右/右
最速１４９キロ、愛知大会では３試合に先発し防御率０．００を達成
滝川第二・坂井 陽翔 186/81 右/右
最速１４８キロ、２種類のスライダーを使い分ける器用さが売り。
【高卒内野手】
花巻東・佐々木 麟太郎 183/117 右/左 守：一
東海大相模・山内 教輔 左/左 守：一
打撃技術を高く評価される左の強打者。
横浜・緒方 漣 169/69 右/左 守：遊
一年からショートスタメンで起用される。守備能力の高さが武器。
広陵・真鍋 慧 189/89 右/左 守：一
九州国際大付・佐倉 侠史朗 182/104 右/左 守：一
通算２０本、九州を代表する大型スラッガー
西日本短大付・江口 翔人 169/60 右/左 守：二
一年生から二塁を守る、守備が魅力の巧打者。
【大卒左腕】
星槎道都大・滝田 一希 183/77 左/左
最速１５１キロ、ＳＢ３軍戦で６回１０奪三振無失点の好投を遂げた
法政大・尾﨑 完太 175/70 左/左
最速145キロ、横に曲がるスライダーが武器
東洋大・細野 晴希 180/85 左/左
最速１５５キロ、力あるストレートに４種の変化球が武器の即戦力候補
大阪商業大・高 太一 183/79 左/左
最速１５１キロ、ストレートを高く評価される上位候補
【大卒右腕】
早稲田大・加藤 孝太郎 178/74 右/右
6試合で防御率1点台、監督からもエースと評価される先発右腕
立教大・池田 陽佑 183/91 右/右
最速１５０キロ、１年生から先発としてフル回転する右腕投手
明治大・蒔田 稔 178/81 右/右
最速１４８キロ、多彩な変化球で先発エースとして活躍
明治大・村田 賢一 181/87 右/右
最速１４７キロ、肘の手術から復活した先発右腕
中央大・西舘 勇陽 183/79 右/右
最速１５５キロ、通算防御率１点台。リリーフとして活躍する
亜細亜大・遠藤 慎也 177/77 右/右
最速１４６キロ、オーバースローから投げ込む角度あるストレートが武器
名城大・松本 凌人 183/81 右/右
最速１５１キロ、ダイナミックなフォームで投げ込むサイドスロー右腕
大阪商業大・上田 大河 182/80 右/右
最速１５２キロ、フォークが武器の即戦力候補
【大卒捕手】
亜細亜大・小山 翔暉 175/78 右/右 守：捕
高校から捕手に転向した打撃型捕手
上武大・進藤 勇也 181/83 右/右 守：捕
遠投１１０ｍ、打てる捕手として期待される大型捕手
関西大学・有馬 諒 183/81 右/右 守：捕
二塁送球２秒を切る強肩捕手。動きの良さも評価される
【大卒内野手】
慶応大・廣瀬 隆太 182/91 右/右 守：一
通算１２本塁打、チームトップクラスの本塁打を放つ右のスラッガー
東北福祉大・工藤 ナイジェル 162/63 右/左 守：二
５０ｍ５．９秒、身体能力が高い小柄な内野手
早稲田大・熊田 任洋 174/76 右/左 守：遊
中央大・石井 巧 178/78 右/右 守：遊
バランスの良さが評価される好守巧打の右打ちショート
明治大・上田 希由翔 183/92 右/右 守：三・一
通算四４塁打、繋ぐ４番として率を残せる巧打者
中央大・中前 祐也 178/78 右/左 守：三
ベストナインにも選ばれたサードの巧打者。
【大卒外野手】
早稲田大・野村 健太 180/97 右/右 守：右・左
山梨のデスパイネと評されたパワーが武器の大型外野手。
亜細亜大・天井 一輝 180/85 右/左 守：中
通算３本塁打、５０ｍ６．０秒の俊足巧打の４番
城西国際大・サンドゥ・シャーン・タヒル 179/73 右/左 守：左
ＷＢＣパキスタン代表にも選ばれている身体能力の高い外野手
【社会人左腕】
JR東日本・市川 睦 182/83 左/左
最速１４３キロ、ＪＲでは先発として起用される
日本通運・平元 銀次郎 180/85 左/左
最速１４６キロ、多彩な変化球部の先発投手
【社会人右腕】
NTT東日本・片山 楽生 177/82 右/右
最速１５１キロ、中継ぎとして活躍する高卒社会人
ENEOS・飯田 琉斗 187/96 右/右
最速１５４キロ、中継ぎとして起用されるパワーピッチャー
最速１５１キロ、威力あるストレートが武器の先発右腕
日本通運・川船 龍星 180/80 右/左
最速１５０キロ、高い角度からリリースする角度が武器
Honda・岡野 佑大 176./85 右/左
最速１４９キロ、ストレートとスライダーのコンビネーションが武器
日本製鉄東海REX・加藤 優弥 176/83
最速１５０キロ、複数のスライダーを使い分けるサイドスロー
三菱重工West・竹田 祐 184/90 右/右
最速１４７キロ、まとまりのある投球で試合を作る総合力が武器
Honda熊本・内田 了介 182/80 右/右
最速１５０キロ、伸びしろが期待される防御率０点台の中継ぎ右腕。
【社会人内野手】
Honda・岩本 久重 181/92 右/右 守：捕
打撃が魅力の大型捕手。
トヨタ自動車・福井 章吾 168/74 右/左 守：捕
大学よりリーダーシップを高く評価される選手
日本通運・大友 宗 181/88 右/右 守：捕
遠投１２０ｍの強肩が売り。打撃でも長打が打てるパワーが魅力
ＥＮＥＯＳ・度会 隆輝 183/83 右/左 守：二・右
都市対抗で４本塁打を放った左のスラッガー。高卒社会人で伸びしろも魅力
Honda・峯村 貴希 186/86 右/左 守：遊
１年目から３番で起用される打撃が売りの大型ショート
三菱重工East・津田 啓史 181/84 右/右 守：遊・三
率を残せ５０ｍ５．９秒の俊足も武器の３拍子揃った高卒内野手
ヤマハ・相羽寛太 178/76 右/右 守：遊
俊足好守が武器の高卒社会人。
【社会人外野手】
JR東日本東北・大西 蓮 183/90 右/右 守：三・右・左
通算２本塁打、４番を任され内外野両方守れるユーティリティーが売り
明治安田生命・鈴木 萌斗 180/77 右/左 守：中
通算２本塁打、俊足巧打が売りのセンター
東芝・太田 英毅 177/84 右/右 守：中・右
巧打が売りの外野手。大学から外野に転向した
日本新薬・若林 将平 182/90 右/右 守：左
