読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2022年ドラフト指名選手の巨人における起用方針と課題  3位指名 国学院大 田中 千晴選手 大卒右腕投手

◆2022年 プロ野球ドラフト会議 Supported by リポビタンD(20日)

 巨人3位の国学院大・田中千晴投手(22)は、未来のエースに名乗りを上げた。横浜市内の同校で朗報を受け、「チームを勝たせる活躍をしたい」と決意を口にした。

 普段は感情を表に出さないが、名前を呼ばれると顔を赤らめながら、心の中で喜びをかみ締めた。ゆっくりと仲間の輪へ飛び込み、チームメートらの祝福を受け、「自分を選んでくださった感謝と、周りで喜んでくれる仲間や、自分を育て、支えてくれた人たちへの感謝したい」と実感を込めた。

 189センチの長身から投げ下ろす最速153キロの直球が自慢の右腕。右肘を負傷し、今春の登板が2年秋以来。鳥山泰孝監督(47)は「やっと形になってきた」と評したが、白星なしに終わった。悔しさから夏には1日3時間にわたって投げ込み、ドラフト直前の今秋に大変身。5登板2勝、25回1/3で25奪三振防御率1・42と頭角を現した。

 今後の伸びしろも期待される田中は、野球人生での一番の思い出を「これからつくりたい」と、プロでのさらなる飛躍を宣言。「伝統があって、ファンも熱い。野球ファン全員が注目しているチーム」と巨人入りに胸を躍らせた。

【巨人3位】国学院大・田中千晴、189センチの大器 未来のエースに名乗り「チームを勝たせる活躍を」(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース

 

【田中選手の紹介】


www.youtube.com

189センチ85キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・カーブ・フォーム

 

 セットから大きく腕を振りかぶり、オーバースローの角度から投げ下ろすフォームから最速153キロ、常時140後半のストレートを投げ込む右腕投手。120キロ台の縦の緩いスライダー、110キロ台のカーブ、130キロ台のまっすぐ落ちるフォークを投げ込んでいきます。

 武器は長身から投げ下ろす角度のあるストレート。球威もあるストレートもかなりの割合で投げ込むにもかかわらず打者を押しこんでおり、スカウトもその直球を評価しています。また高いリリースポイントから投げ込むフォークも角度があり、カーブとスライダーでカウントを稼ぎながら緩急を生み出していきます。

 チームでは主に先発で起用。3年生に肘痛を発症し1年間投げられず、4年春も本調子を出せずわずか5試合で11イニングに留まりました。しかし夏の間に投げ込みを行いフォームを固めることに成功。制球も安定し5試合で2勝1敗防御率1.42と結果を残し、多くのスカウトから成長性を評価されました。

 伸びしろが期待される大型右腕として獲得となりました。

 

【なぜ獲得されたのか】

 担当の脇谷スカウトは「まだ荒削りだが伸びしろが期待できる選手」と評しているように、即戦力でなく素材型。3年秋はひじ痛で全く登板しておらず、4年生からの登板でフォームを安定させ、防御率1点台を達成した成長性が評価されました。3年生までは指名候補になるほどの知名度もなかったため、21年1位の大勢選手や2位の山田選手のように、最終年度で一気に注目を浴びた選手です。巨人がここ最近狙うようになった、最終年度で評価を上げた選手となっています。

 

 また編成面では先発は菅野ー戸郷ー山崎ーメルー赤星ー井上ー新外人。中継ぎでも畠・田中豊・鍵谷・ビエイラ選手といった右のパワーピッチャーが故障や不調で全く計算できず、先発・中継ぎ共にパワーピッチャー不足となっています。先発・中継ぎどちらでも期待できると語っており、1・2位を野手に使ったため、3位でとれる即戦力よりも、スケールの大きい素材型をとり、将来的なエースクラスを期待しての獲得となっています。

 

【1軍起用への課題】

 荒削りと言われる理由は変化球の精度。田中選手の大きな武器は角度のあるストレートとフォークですが、その2球種をカバーする球としてスライダー・カーブが重要となっています。特にカーブは緩急に加え2球種と大きく球の軌道が異なる球として、安定してカウントを稼げる球となっています。

 しかしこのカーブとスライダーのコントロールにばらつきがあり、この2球種でも安定してストライクが取れていません。そのためボール先行の展開になることも多く、2ボール先行になるとストレートの割合が増えることから、ストレートに狙い球を絞られしっかりと捉えられています。

 

 フォークは落差が大きく、全体的に変化量が大きい球が多いため、カット・スプリットといった、変化量が小さい詰まらせる・引っ掛けさせる球の習得で、早いカウントから仕留める球が欲しいところです。特に先発を狙うのであれば、球数を減らすための球は必須となります。