読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

巨人が2022年現役ドラフトで狙う選手層と現役ドラフト候補について

日本野球機構NPB)は7日、「現役ドラフト制度規定」を公表した。出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化するためで、保留選手名簿公示1週間後の12月9日に非公開で開催。各球団は同名簿から2人以上のドラフト対象選手を選ぶ。外国人選手、複数年契約選手、年俸5000万円以上の選手(1人に限り5000万円以上1億円未満も可)、FA権を行使したことのある選手、FA資格選手、育成選手、前年シーズン終了以降に契約譲渡で獲得した選手、シーズン終了後に育成から支配下になった選手は対象外となる。

まず各球団は名簿公示日12月2日の午後3時までに、ドラフト対象選手をNPBに提出。会議当日に全対象選手から、獲得希望選手を議長に通知する。全球団が必ず1人は指名し、1人は指名される。

実際の流れをイラストのケースで説明する(※簡易的に6球団としている)。

(1)他球団から集めた獲得希望数の順に暫定指名順位を決定。同数の場合は今年のドラフト会議2巡目の指名順。1位となったBは議長への通知通りA<1>を指名。

(2)指名順は選手を指名されたAに移る。Aは通知通りB<1>を指名。

(3)Bは既に指名を終えているため、残った4球団のうち暫定指名順位最上位のDに指名順が移る。Dが通知した選手の所属球団Bは既に指名されているため、残ったC、E、Fから選ぶ。そこでDはC<1>を指名。

(4)指名順はCへ。Cは同様に通知した選手は指名できず、E<1>を指名。

(5)指名順はEへ。通知通りならD<2>の指名となるが、最後から2番目の球団(実際は11番目の球団)は自動的に指名順最後の球団(同12番目)から指名。そこでF<1>を指名。

(6)Fは残ったDから<1>を指名。

人気選手を対象にした球団ほど暫定指名順位を上げることで、制度の実を保つ。希望球団だけで2巡目の指名も実施。指名順は1巡目の実際の指名の逆順となる。2巡目参加球団は、指名順が回ってきた時点で指名を棄権することもできる。

現役ドラフト12・9に非公開で実施 獲得希望多い選手を提供した球団が指名順位で有利に - プロ野球 : 日刊スポーツ

 

【現役ドラフトルールについて】

 12月9日に迫った現役ドラフト。そのルールは各球団が最低2名指名候補の選手を支配下選手の中から選出(育成選手は対象外)。その後各球団が指名候補選手の中から欲しい選手を指名。最も指名希望が多かった選手を出した球団が1巡目指名を獲得となり、そこで指名された球団が次に指名していた選手を獲得。次は2番目に獲得希望数が多かった球団が・・・となっていきます。

 各球団最低1名は指名する必要があるため、指名希望が少なかった球団は残った需要が低い選手を獲得せざるをえないといったペナルティもあります。

 

【巨人が狙う選手層は】

  現在巨人が不足している選手層は

・左の中継ぎ。敗戦処理をこなせる中継ぎ

・大城選手が故障した際に起用できる3番手捕手

・坂本選手以外の安定してショートを守れる俊足の選手

・外野手のレギュラー候補

・左の代打

 このようになっています。しかし現役ドラフトで選出される選手は戦力外一歩手前。また出身チームとの兼ね合いですぐに戦力外にできない選手となるため、ショートを安定して守れる選手や外野手のレギュラー候補は期待できません。

 

 そのため狙うべきはどの球団も頭数が必要なため、ドラフトやFAなどで獲得する分はじき出される選手も多い、中継ぎ候補。しかし中継ぎも即戦力が出される可能性は低く、ここ1~2年は1軍で戦力になっていない、1軍での防御率が4~5点台の投手や、プロ入り6~8年目でも1軍の総登板数が10~20試合程度の選手がメインとなります。

  理想は左の中継ぎですが、右の中継ぎも平内選手が肘のクリーニング手術、鍵谷・畠選手は球速が戻り切っておらず、田中豊選手も手術以降は3軍がメインと計算できる選手が少なく、ここにデラロサ退団、ビエイラ膝の故障により不透明と外国人中継ぎも未知数の新助っ人に頼る形となるため、右も頭数が必要となっています。


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 阿波野コーチは7・8回を任せる候補に菊地選手を候補に挙げているため、敗戦処理やイニング処理で起用することが多かったtこのポジションに入るような選手が獲得候補の一つ。また阿波野コーチはショートイニングであれば球種は少なくても球威があればある程度は計算できると語っているため、まとまったタイプでなくある程度荒れても球威があるタイプも候補となっています。

 

【巨人の現役ドラフト候補】

 巨人の現役ドラフト候補ですが、まず現役ドラフト候補は年俸5000万以下(1名は1億以下でも可)や育成選手は対象外。外国人や複数年契約の途中の選手は対象外となります。

 その中で巨人の現役ドラフト候補は以下の通りとなります。

【①:戸根千明選手(左腕投手)】


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1軍成績:9試合14(1/3)回8失点 防御率5.02 

 

 恵まれた肉体から横手投げの力強い腕の振りで140前半のストレートを投げ込む左腕投手。しかし制球難をなかなか改善できず、中川・高木選手の故障で高梨選手が孤軍奮闘、シーズン途中にクロール選手を獲得するほどに左腕中継ぎに困窮していたにもかかわらず、1軍登板はわずか9試合のみ。戦力外にこそならなかったものの、中川選手がブルペン登板も果たしており、戸根選手を残すメリットは薄くなっています。

 しかし2軍では先発として結果を残したこともあり、速球派左腕はそれだけで一定の需要があります。

 

【②:増田 大輝選手(右内野手)】


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1軍成績:58試合20打数3安打0本塁打4盗塁 打率.150

 巨人では代走の切り札兼内野・外野の守備固めと便利屋枠として起用されるユーティリティープレーヤー。しかし今年は内野・外野共に守備で精彩を欠く場面が多く、打撃でも結果を残せていません。

 武器の走塁でも膝の故障以降パフォーマンスが落ちており、今年はわずか4盗塁のみ。ひざの故障は野球を辞めないと完治しないといわれています。代走兼守備固めでもより若い湯浅選手がおり、走塁コーチとして復帰した鈴木コーチは鈴木大和選手を非常に評価しており、コーチ就任前から連絡先を交換していたほどのため、湯浅選手以外にも足を武器とする選手がいることから、ある程度需要があるユーティリティー枠として候補となっています。

 

 

【⓷:廣岡大志(右内野手)】


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1軍成績:28試合50打数9安打0本塁打四死球 打率.180

 

 左投手に対し3割の打率を残していることから、左投手が先発の時に起用されていた右打ち内野手。しかし対右では打率が1割を切っており、守備面でもショートでは首位率.897。セカンドでも.926とエラーが目立ちました。

 ショートであれば守備範囲は広くないものの安定している北村選手や、右の代打でも増田陸選手と台頭してきており、トレードで入団した外様の選手であることから、生え抜き選手よりも立場は厳しいものとなっています。

【④:石川慎吾選手(右外野手)】


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1軍成績:22試合29打数8安打0本塁打四死球 打率.276

 

 近年は右の代打で起用されることが多かった右打ち外野手。スタメンではレフト起用が多かったものの、今年はレフトに打線の要であるウォーカー選手が入り、右の代打でも中島選手や増田陸選手がいたため、2軍暮らしがメインとなっています。

 さらに右の代打枠に長野・松田選手が入り、外野手でもセンター候補としてドラフト2位の萩尾選手に、新たにセンターにも挑戦し合格をもらった増田陸選手。また2・3軍でも浅野・大城・三塚選手と獲得しているため、ファームの外野ポジションを空けるためにも現役ドラフトの候補となります。

 

 

【捕手は現役ドラフト候補になるか】

 現役ドラフト候補のなかで、17年2位で入団するも、なかなか1軍に定着できていない岸田選手がいます。今年巨人がドラフトで捕手を獲得したならば現役ドラフトの可能性はありましたが、今年は獲得無し。そのため支配下捕手は大城・小林・岸田・山瀬・喜多選手の5名のみ。もし大城選手か小林選手が故障した場合、大城(小林)・岸田・山瀬・喜多選手と、支配下捕手はわずか4名となってしまいます。

 このことからも現役ドラフトで出せば1軍の捕手運用が高リスクとなることから、現役ドラフトでは出さないと予想しています。