◆秋季四国大会 ▽準決勝 英明4―2高知(5日・レクザムスタジアム)
準決勝2試合が行われ、英明(香川1位)と高知(高知2位)が対戦。3回途中から2番手で登板した下村健太郎(2年)が、6回3/1を2被安打1失点でまとめ、18年以来のセンバツ出場を確実にした。
サイドスローの下村は、元々は内野手。「ショートから送球するときにもシュート回転してて、動く球が使えるんじゃないかって。先生方にずっと勧められていた」と1年生で投手に転向。この日も、「勝手に動いて、自分でも制御できない」という120キロ前半の球に緩急を加え、相手打線を翻弄した。阪神の青柳を参考にしているという右腕は「試合はまだ残っているので、目の前の敵を倒すのみ。もし出番があれば全力で」と、高松商との決勝戦へ意気込んだ。
【下村選手の紹介】
171センチ65キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー
セットから上半身をあまり落とさず、力みのないサイドスローの腕の振りから最速129キロ、常時120キロ前後のストレートを投げ込む右腕投手。110キロ台のスライダーを投げ込んでいきます。
武器は本人も勝手に動くと評しているストレート。真っ直ぐ、シュート回転など様々な動きをするストレートと、小さく変化し引っ掛けさせるスライダーのコンビネーションで打ち取っていきます。
チームでは主に先発で起用。神宮大会では2試合を投げ16(1/3)回で被打率はわずか.061と驚異的な数字を残しています。
高校までは内野手だったものの、送球がシュート回転してしまう癖を投手に活かせると打診され投手に転向。高校生になってから投手として起用されるようになっており、阪神・青柳選手を参考にしたサイドスローで打者を翻弄。今後さらなる伸びしろが期待されています。
【指名への課題】
課題は力みのなくフォーム自体もあまり動きが無いフォームながら、四死球率が悪いこと。地方大会では17イニングを投げ15四死球。神宮大会でも11(2/3)イニングで8四死球と四死球を出さないイニングのほうが少ない結果となっています。
その原因が投げられる球種と使えるゾーンの少なさ。投げる球種はストレート・スライダーが大半でスライダーも変化量よりも緩急を意識させる球であるため、7~8割がストレートとなっています。
高い奪三振能力を誇る一方で、どうしても厳しいコースを投げざるを得ませんが、本人も意図しない変化をするストレートのため、コースに投げなければならないためただでさえ四死球が増えているうえに、コースに投げた球が意図しない変化をして四球に繋がってしまっています。
【指名順位予想】
現在のフォームはあまり下半身を動かさず、重心も落とさないためここから大きく球速を伸ばせる要素がありません。投げられる球種も少ないため、コースに投げ込むときはストレートに限られてしまうのもマイナスポイント。
奪三振こそ高いものの、高卒で変則タイプは敬遠されることが多いうえフォーム改造も必要であるため、将来的なビジョンが想像しにくい選手となっています。そのことからも、高卒よりも大卒・社会人である程度形になってからのほうが指名しやすいため、現状では指名漏れの可能性が高くなっています。