読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2022年ドラフト指名選手の巨人における起用方針と課題  育成9位指名 市船橋 森本 哲星選手 高卒左腕投手

巨人の支配下&育成新人14選手を紹介する連載「はGめまして」。鋭く曲がるスライダーを武器とする最速143キロ左腕の育成9位・森本哲星投手(18)=市船橋=は小学3年の時に野球に魅了されると、双子の兄・哲太(18)と高め合いながら成長。U18日本代表に選ばれた左腕はプロでも着実にステップを踏み、侍ジャパン入りを目指す。

 小学3年の時に野球と出会い、森本の運命が変わった。それまではサッカー、体操、ドッジボールを経験。「どれもしっくりこないなって思ってやっていました。そういう時に友達からじゃあ今度、野球やってみなよと誘ってもらって入ってみました」。実際にプレーしてみると、これまでと違う感覚があった。仲間と一緒に打つ、投げる、走る。「野球って楽しい」。野球の全てに魅了された。

 一番近くにライバルがいた。双子の兄・哲太だ。「(兄と)性格は似ていないと思うけど、チームメートとか友達には2人とも同じこと言ったり、同じ行動したりしているってよく言われます」。小さい時からけんかは多かったが仲は良かった。そんな兄と同じタイミングで野球を始めると一緒にキャッチボールや打撃練習。小5から中学までは兄が捕手を務めてバッテリーを組んだ。

 高校は市船橋に兄弟そろって進学。「家ではあまり野球の話はしない」と語るが練習や試合中、お互いに気づいたことがあればアドバイス。時には気持ちが熱くなり過ぎ、強い口調で言い合うこともあった。それも相手を思ってのこと。高め合って成長し、自身はエース、兄は中堅手として活躍。甲子園へと導いた。

 兄は大学で野球を続ける予定。弟の将来的な目標は侍ジャパン入りだ。高校時代には現在、チームメートの浅野、吉村とともにU18日本代表に選出。日の丸を背負って戦うことの重圧や楽しさを肌で感じた。「プロの世界でも代表を目指したい」ときっぱり。理想の成長曲線を思い描きつつ、「体が細くて土台がまだできていない」と課題を分析。最速143キロの直球を150キロまで伸ばすために、入寮後もトレーニングを重ねている。最初の目標は支配下昇格。その先に大きな夢が広がっている。

【巨人・新人連載】育成9位・森本哲星、双子の兄と切磋琢磨「プロの世界でも代表を目指したい」 : スポーツ報知

 

【森本選手の紹介】


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175センチ77キロ 左投げ左打ち

変化球:スライダー・カーブ・フォーク

 

 セットから上半身を少し捻り、左足を着地させた後にオーバースローの角度から投げ下ろすフォームから最速143キロ、常時130前半のストレートを投げ込む左腕投手。110キロ台の緩いスライダー、100キロ台のカーブ、まっすぐ落ちるフォークを投げ込んでいきます。

 武器は腕が遅れて出てくる独特のフォーム。踏み込んでから突然腕が出てくるため、タイミングが取りづらいフォームとなっています。

 チームでは主に先発で起用。木更津総合戦では9回180球を投げぬきU-18にも選出。パナマ戦では5回2失点と好投。まだ成績にばらつきが目立ち戦力となるには時間がかかる素材型ですが、貴重な変則左腕として指名に至りました。

 

【なぜ指名されたのか】

 桑田総合監督の要望で「左の変則左腕が欲しい」とあり、獲得された左の変則左腕の一人。岡島選手のように投げ下ろすフォームながら独特のタイミングで投げ込んでいきます。

 巨人は近年中川・大江・高梨選手と変則左腕を戦力にしてきました。しかし高梨選手の衰えや中川選手の故障の多さにより次代の左腕候補が求められており、変則左腕はドラフト市場に出てくること自体が珍しいため、変則があまり評価されない高卒を獲得することで育成でも変則候補をそろえる方向にシフトしました。

 

 

【1軍起用への課題】

 球の出力やコントロールなど非常に課題の多い選手。まず球速は大きく動くオーバースローのフォームながら130前半とあまり球威がなく、あまり空振りが奪えていません。これがクイックになるとフォームの間がなくなるためタイミングが合わせやすくなり球威のなさも相まって打ち込まれ崩れる展開が多くなっています。

 

 また腕の出所が見にくいフォームはある程度制球がまとまっていて、相手打者に中途半端なスイングをさせ打ち取っていく投球スタイルが主ですが、森本選手はまだばらつきが目立ち、投げた瞬間にストライクかボールかがはっきりしたものが多いため、せっかくの変則も見逃されています。スカウトは将来的に先発候補として期待していますが、現状ではこれといった決め球もないため、先発として戦力となるには球速の大幅な向上、コントロールの改善。変化球の精度アップと数多くの課題を抱えています。