読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

ノーヒットワンランを記録した先発 京都産業大 藤川 紘斗選手 大卒右腕投手

京産大の最速148キロ右腕・藤川紘斗は、1年前の衝撃を塗り替えるつもりだ。昨春の神院大戦で1失点しながら9回無安打投球で勝利を挙げたものの、まだ納得はできていない。「四球を4つ与えたり、全てがうまくいった試合ではなかった」。今春は相手に付け入る隙すら与えない投球を目指す。

 「まだまだ理想の投球ではない。自分の意図した軌道で投げ切れていないので、そこをとことん追い求めてきた。チームを優勝に導ける投手になります」

 昨春は5試合に先発するなどフル回転した。しかし、昨秋は開幕前に新型コロナに感染した影響で登板2試合に終わった。「去年1年間を通して課題を見つけられたことは良かったと思います。勝てる投手になるためには、必要なことがたくさんあるとよく分かった一年でした」。制球力から打者との駆け引きまで全てを見直し、春への準備を済ませた。

 今年に懸ける強い思いは、夢をかなえるためでもある。「一番の目標は、プロで活躍できる投手になることです」。高校時代の最速は140キロ前後で、突出した存在ではなかった。「大学でも野球続けようかな…ぐらいのぼんやりとした考えでした」と京産大に進学した結果、オリックスとロッテで投手だった光原逸裕監督らの指導を受けて急成長した。

 「優勝するためには大商大を倒さないといけないけど、他の大学にもいい選手がたくさんいる。1チームずつ全力で倒しにいきます」。18年秋以来の優勝をかなえ、自身の評価も高める春とする。

【関西六大学野球のキーマン】京産大・藤川 目指すは「真のエース」 フル回転で18年秋以来の頂点へ― スポニチ Sponichi Annex 野球

 

【藤川選手の紹介】


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178センチ82キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・カーブ・フォーク

 

 セットから右肘を伸ばしスリークォーターよりも高い角度から腕をしならせ投げ込むフォームから最速148キロ、常時140中盤のストレートを投げ込む右腕投手。120キロ台の縦のスライダー、100キロ台のカーブ、130キロ台のまっすぐ落ちるフォークを投げ込んでいきます。

 武器は伸びのあるストレート。140中盤ながらしならせるように投げる腕の振りから繰り出されるストレートは多くの右打者を詰まらせ、右打者からの被打率は1割台と安定して打ち取っています。左打者に対してはスライダーでカウントをとりつつ、アウトコースへのストレートとフォークのコンビネーションで打ち取っていきます。

 チームでは主に先発で起用。大学に入り光原逸裕監督の指導の下で大きな成長を遂げ、神院大戦では味方の連続失策による1失点のみで完投を遂げるノーヒットワンランという記録を達成。

 先発・リリーフ両面で期待できる速球派右腕として注目されます。

 

【指名への課題】

 課題は対左への対応。右打者に対してはシュート気味にインコースに向かっていくためコースを間違えても長打になりにくく、押し込めているためフライアウトで打ち取れています。

 一方で左打者に対してはアウトコースへのストレートが中心となりますが、真ん中への失投や高めに浮くと合わせられ長打にされており、左に対しては粘られる場面も多くなっています。原因は変化球の精度にばらつきが目立ち、特にスライダー・カーブはコースに決まらない精度の悪さがあることから、なかなか決め球に使えないためです。

 

 決まったスライダーを投げた際は相手打者は完全にタイミングを外され見逃すしかないシーンも目立ち、スライダー・カーブ系を交えて投げられるようになれば攻めのスタイルも確立できますが、現状のストライク中心ではタイミングを合わせやすいために少しでも甘くなると捉えられています。

 

【指名順位予想】

 対右の被打率が1割台に対し、左の被打率は2割中盤となっており、やはり左への対応が鍵となります。左に対してある程度スライダーは投げ込んでいますがカーブはほとんど投げておらず、投げても高めに抜けカウントを悪くしているだけのため、今後はスライダー・カーブ系の精度向上が求められます。

 プロ入り後は先発よりも中継ぎとして期待され、クイックになると球速が落ち空振りを取るのに苦労しているため、即戦力でなく素材型評価となります。そのため指名順位は育成2~4位。スライダーが安定して投げ込めるようになれば中継ぎとして目途はたつため、6~7位の下位指名候補となります。