<東京6大学野球:法大9-5明大>◇第7週第2日◇22日◇神宮
法大は打線がつながり、逆転勝ちで1勝1敗とした。
今秋ドラフト候補の尾崎完太投手(4年=滋賀学園)が先発したが、制球に苦しみ初回に3連打と3四球で4失点を喫した。
打線は5点を追う4回に5連打などで一挙6点を奪い逆転。
4回から、3番手で登板した塙雄裕投手(4年=常総学院)が6イニングを無失点に抑え、昨春以来となる4勝目を挙げた。加藤重雄監督(67)は「5失点をして厳しいかなと思ったが、前半だったので1点ずつ返せばどこかでと思っていた。あそこ(4回)でよく逆転してくれた」と選手をたたえた。
4-5で迎えた4回2死二、三塁で1番の武川廉内野手(3年=滋賀学園)が中堅手の頭上を越える適時三塁打を放ち、2点を奪って一気に逆転した。武川は、先発した尾崎と同じ滋賀学園の出身。「尾崎さんは苦しいシーズンだったけど、負けをつけさせる訳にはいかないと個人的に思っていた。逆転タイムリーが打ててよかったです」。ベンチでは、尾崎から「マジでありがとう!」と感謝されたという。
23日の第3戦が、今秋最終戦となる。武川は「明大は来年もライバルですし、負けたくない。来年につながる試合がしたいです」と意気込んだ。
【武川選手の紹介】
178センチ77キロ 右投げ右打ち
ポジション:セカンド・サード
打球速度が速い右打ちの内野手。持ち前のパワーを活かしたしっかりとしたスイングで長打を量産。本塁打こそないものの、今季は11安打のうち6安打が二塁打以上という長打力を誇ります。
また走塁面も50m6.1秒と打撃型内野手としては足も速く9盗塁を記録。積極的な走塁で三塁打に繋がっています。
チームでは1番から4番で起用。3年生からスタメンで起用されると、リードオフマンの役割を果たし、41試合153打数50安打10打点で打率.327を記録。現法大監督の大島監督とのマンツーマン指導により現在の好打率を記録する打撃技術にたどり着いています。
身体能力の高い打撃型内野手として、さらなる活躍が期待されます。
【指名への課題】
課題はミート技術。持ち前のパワーで力で押し切るスイングによりヒットを生み出していますが、スイング自体はまだ粗さが残っており、ストレートや高めに浮いたスライダー・カーブ系の振り抜けていますが、一方でフォーク系の低めの球に手を出して空振りしてしまう場面が多く、特に右投手のアウトコースに投げた縦の変化球に何度も空振りし打ち取られています。
このため左に比べ右投手相手の打率が悪化しており、特に4年生でコンパクトなスイングが減った結果、縦の変化球に空振り割合が多くなっています。
【指名順位予想】
本人も将来的にプロに行きたいが、現時点ではまだ考えられないと語っており、大学よりも社会人でより技術と実績を積んで上位を狙う素材型となります。
打撃型内野手となれば本塁打は通算5本塁打以上、武川選手はサード・セカンドメインで守備自体は上位というわけではないため、やはり打撃成績がよくないと指名の可能性は低くなっています。
その打撃も4年になり大振りになり粗さが目立つことから、現状では指名漏れの可能性が高くなっています。
