＜全日本大学野球選手権：大商大1－0中央学院大＞◇10日◇1回戦◇東京ドーム
8年ぶりに大学選手権出場の中央学院大（千葉県大学野球連盟）が初戦で姿を消した。
先発の清水一真投手（4年＝共栄学園）が初回の1点に泣いた。2死一、二塁、今秋のドラフト候補に挙がる4番の渡部聖弥外野手（4年＝広陵）を迎え、「プロ注目と言われていたので、打たれたくなかった。絶対に抑えてやろうと思いました」と得意のスライダーで三振に仕留めた。ただ、続く真鍋慧内野手（1年＝広陵）に少し浮いたスプリットを捉えられ、1失点。「2アウトからの入りはできていたと思うんですが、ウイニングショットがちょっと浮いてしまって。そこをうまく拾われました」。
1年時には明治神宮大会で準決勝の国学院大戦で先発。決勝の慶大戦でも中継ぎ登板するなど大舞台を踏んできた。そんな経験が、清水の背中を押した。2回からは、エースとしてマウンドに立つ気持ちを新たにした。「1点取られてから割り切って投げるしかない、と思ったので、テンポよく攻撃につなげられるような投球をしようとこころがけました」。2回以降は立て直し、カットボール、スライダーを軸に無失点。8回7安打1失点に抑えた。「チームを代表して投げさせてもらっている。堂々とした投球で勇気を与えられる投球をしたかった」。敗戦にも、その存在感を示した。
卒業後は、社会人での野球を視野に入れる。「失点はしたんですが2回以降は0に抑えられたので、自信にはなったと思います。まずはリーグ戦連覇を目標にしていきたいです」と前を向いた。
【大学選手権】中央学院大が初戦敗退 清水一真が２回以降無失点も初回の１点に泣く「悔しい」 - アマ野球 : 日刊スポーツ
【清水選手の紹介】
１８０センチ８５キロ 右投げ右打ち
変化球：スライダー・カーブ・カット・フォーク
セットから大きく足を上げたあとに一度しっかりとしたタメを作り、テイクバックの小さい腕の振りから最速１５０キロ、常時１４５前後のストレートを投げ込む右腕投手。１２０キロ台の縦のスライダー、１００キロ台のカーブ、１２０後半のカット、１２０キロ台のフォークを投げ込んでいきます。
武器は鋭く落ちるスライダー・カットと投げ下ろす角度あるストレートのコンビネーション。カーブのように大きく弧を描くスライダーと小さく変化するフォークのようなスライダーの２種類をカウント・決め球両方で使い打者を打ち取っていきます。
チームでは主に先発で起用。１年生から先発として起用され２年時にはキャリアハイとなる１４試合８勝５敗で防御率１点台の活躍をあげ、４年生までチームの先発の柱として投げ抜いています。
卒業後は社会人野球を視野に入れており、今後即戦力としての成長が期待されます。
【指名への課題】
課題はストレートのばらつき。清水選手の生命線はスライダーのカットの２種類。特にスライダーは緩い変化と鋭く落ちる２種類のスライダーを使い、特に右打者に対しては外中心に投げ込み打ち取っています。そのためストレートが見せ球としてどれだけ低めに投げ込めるかが重要となります。
清水選手のストレートは１４０前半ならある程度制球できていますが、１４０中盤になるとばらつきが目立ち、特に右打者相手になると外中心になるため、右打者に対してはストレートがばらつくと縦のスライダー・カットでカウントを整えなければならず、それをストライクゾーンに投げなければならないため、甘く入り本塁打コースに危険な球が見受けられました。幸い打者がタイミングが合わずファウルになり長打にはされなかったものの、右打者に対しストレートの制球アップが今後の課題となります。
【指名順位予想】
ストレートのばらつきと球速アップが求められるため即戦力ではないものの、がっしりとした体格にスライダー・カットのキレがよく決め球として計算できるため、伸びしろを期待しての素材型獲得となります。
社会人野球志望のためプロ志望を出す可能性は低いものの、出した場合の指名順位は５～６位指名候補となります。
