読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

阿部監督が中継ぎ投手の先発挑戦を明言。1軍先発未経験投手の中で、先発候補として期待できる選手は

今季プロ4年目で1軍デビューし、中継ぎで8試合に登板した巨人・伊藤優輔投手(27)が9日、自主トレ中のジャイアンツ球場で来季の先発挑戦に意欲をにじませた。中大の先輩でもある阿部監督から、秋季キャンプで「最初は先発で行くよ」と言われたことを明かし「(メジャー挑戦を表明している)菅野さんの穴を埋めるピースになりたい」と意気込んだ。

 12月に入っても傾斜を使って力強いボールを投げ込む伊藤は「キャンプ序盤から球数を多めに投げられるよう、この時期にしっかりやりたい」と説明。9日の投球練習では、周囲から「いいボール!」と声が上がる場面もあり「秋季練習でフォームを見直したのが、いい感じで継続できている。このままキャンプに入れるように」と手応えを口にした。

 三菱パワーから2020年のドラフト4位で巨人入りしたが、1年目のオフに右肘内側側副靱帯再建術(トミー・ジョン手術)を受けて育成契約に。厳しいリハビリを乗り越えて今年7月に支配下復帰を勝ち取り、オフは「初めて自分で練習に取り組めている」と充実の時間を過ごしている。

巨人・伊藤優輔、阿部監督から「最初は先発で行くよ」 来季の先発挑戦に意欲「菅野さんの穴を埋める」(中日スポーツ) - Yahoo!ニュース

 菅野選手が海外FA、さらにFA宣言の石川選手がロッテに入団したため、現状で先発新戦力の獲得は0。新たな外国人先発投手の獲得はしないと阿部監督が明言したため、現有戦力で先発ローテを再編する必要があります。その中で平内、伊藤優選手の先発挑戦が明言され、今季途中から中継ぎ起用だった堀田選手も先発挑戦に意欲を見せています。

 現在の先発ローテは戸郷ー山崎ーグリフィンー井上選手が確定で、そこに横川、赤星選手を筆頭に西舘、又木、森田、松井選手が争い、現役ドラフトで入団した田中瑛人選手も先発候補として見られています。

 しかし平内、伊藤優選手のように、阿部監督は中継ぎ投手にも先発としての活躍を期待しています。そこで今回は1軍先発未経験者の中で、先発候補となる投手たちを紹介していきます。

 

 

【1.田中 千晴選手】


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 22年ドラフト3位で入団、パワーのあるストレートと落差のあるフォークが武器の右腕投手。1年目は中継ぎとして30試合に登板。防御率5.51となり、2年目は整備された中継ぎ陣に食い込めず、1軍登板はわずか3試合。さらに10月に肘のクリーニング手術も受けていたため、かなり出遅れた状態となっています。

 2年目には先発にも挑戦し、2軍でも7試合に登板し5勝3敗とまずまずの成績を残しています。先発のために持ち球を増やそうとスライダー・スプリットにも挑戦。しかし持ち球にできるほど精度の向上はまだ見込めておらず、契約更改の場でも来季は中継ぎで結果を残し、将来的に先発にも挑戦したいと語っています。そのため25年に先発候補として期待できるかと言われれば厳しい立場となります。

【2.伊藤 優輔選手】


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 20年4位で三菱PWから入団。即戦力リリーフとして期待されましたが、制球難に加え1年目のTJ手術をしたことで育成再契約。その後も3軍暮らしが続き危ぶまれましたが、今年2軍昇格するとリリーフとして活躍。2軍では40試合14S防御率1.29で支配下復活。1軍でも8試合を投げています。

 そんな伊藤選手ですが阿部監督から来季は先発にも挑戦させると明言されており、現在は落ち球であるフォークの精度向上を目標に自主トレしています。

 そんな伊藤選手の課題は先発としてのブランクの長さ。アマチュア時代から先発登板することはありましたが、メインは中継ぎ。特に社会人に入ってからは先発よりも中継ぎの割合が増えています。

 また3割近い対左被打率を下げることも重要。伊藤選手の持ち球であるカットボールは左打者のインコースに食い込む、外に逃げるフォークも持つため左の方が抑えられるように見えますが、右の被打率が1割を切っているのに比べ、左相手を抑えるのに苦労しています。その原因が持ち球の一つであるフォークの精度。自主トレの課題にもあげているとおり、カットに比べフォークの精度が甘く、左打者から空振りを奪う球がないためストレート主体になり、使えるコースが限られる左打者に痛打されていました。

 先発として計算するなら左右ではっきりとした課題があるとスタメンを固められ苦しい投球となるため、フォークの精度アップが必須。後はストレート以外のカウント球ですが、スライダーの精度の悪さが致命的。スライダーを平均クラスにまで挙げたいところです。

 

 

【3.平内 龍太選手】

 23年のロッテ戦で先発として起用されているものの、あくまで先発ローテが不足したことによるブルペンデーで登板しただけで、2回で降板しています。そのため先発ローテで起用された経験はなく、阿部監督に来季先発挑戦させる選手として挙げられた選手の一人です。

 投球スタイルは150キロ超えのストレートと亜大ツーシームの印象が強いためパワータイプと思われがちですが、実はこの2球種は被打率が高く、武器はブレーキの効いたスライダーと鋭く落ちるスプリット。特にスライダーは被打率0のため、150キロながら被打率の高いストレートが先発になりさらに球速が落ちる点をどうカバーできるかが鍵。

 

【4.菊地 大稀選手】


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 21年育成6位で入団後、主にリリーフとして活躍。2年目には1軍で50試合11H防御率3.40と結果を残しています。

 しかし3年目は1軍中継ぎに入り込めず登板は0。2軍では奪三振率10以上という驚異の三振能力を誇りながら1軍起用はなく、それどころかオフに育成再契約となりました。

 菊地選手の課題は以前から指摘されている送球イップス。ピッチャーゴロを処理する際、不必要なまでに一塁手に近づき下手投げで送球したり、上手投げでは地面に叩きつけてしまう場面も見られ、守備面で大きな課題を残しています。

 一方で先発としては2軍で1試合登板したのみ。しかし4回9奪三振無失点と好投しており、先発の可能性は残しています。ストレート・スライダー・フォークの3球種が軸のため、右打者のアウトコース被打率が高くなっており、現状ほとんど投げていない外に小さく逃げるカットボールの割合を増やしたいところです。

【5.京本 眞選手】


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21年育成7位で入団。2年目には2軍先発ローテに入り13試合に先発、5勝4敗防御率2.36と好投し、24年の春に支配下登録となりました。しかしそこから成績が悪化。コントロールが悪くなり、2軍でも中継ぎで防御率4.99と悪化。1軍もわずか4試合にとどまっています。

 オフはオーストラリアWLに派遣。主に先発で6試合2勝2敗防御率2.06と好投。現状京本選手を中継ぎ調整させるより、伊藤優選手や菊地、泉選手たちを中継ぎのまま起用したほうが安定するため、京本選手は来季先発候補の一人です。

【6.木下 幹也選手】


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 20年育成4位で入団。主に3軍で先発していたところ今年創設されたくふうはやてにレンタル派遣され、そこで8試合2勝2敗防御率1.29と圧巻の成績を残しました。

 今年は支配下枠がかなり空いており、シーズン途中の支配下昇格数が多くなる年。去年が3軍メインだったため25年は2軍スタートの可能性が高い選手で即支配下はありませんが、夏ごろに支配下されレギュラー陣に疲れが出てくるタイミングで1軍デビューを狙いたいところです。

 

 

【7.山田 龍聖選手】


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 21年2位で入団した高卒社会人左腕。なかなか制球難を改善できず1軍登板はいまだ0ですが、3年目は2軍で29試合を投げて1.65と一番の成績を残しています。しかしオフに育成再契約。オーストラリアWLで先発・中継ぎ両面で起用されていました。

 今年は新たに習得したカットボールの精度向上につとめていますが、山田選手の一番の課題は調子の波の大きさ。ある程度力押しでいける中継ぎでなく先発となると、持ち球が少ない山田選手は調子に大きく依存するため、投球の再現性を上げることが求められます。ただ左中継ぎも不足しているため、山田選手は中継ぎ候補になる可能性が高くなっています。