読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

鋭い縦の変化球と速球で打ち取る 明治大 菱川 一輝選手 大卒右腕投手

初回のマウンドに上がった菱川は、146キロの直球で気迫を見せるも、変化球を捉えられ失点。1死満塁のピンチで2ボール1ストライクから犠飛を放たれ、痛い先制点を献上した。しかしその後は追加点を許さず、4回を投げ被安打4と球数は多いものの最小失点で投げ切り、後続の投手にマウンドを託した。

 いきなり先制点を奪われ、明大打線も黙ってはいなかった。2回裏にすぐさま7番・岸本一心外野手(文1=横浜)、8番・瀨千皓外野手(営2=天理)、9番・福原聖矢捕手(国際1=東海大菅生)の3連続安打で好機を演出すると、2番・吉田匠吾内野手(文2=浦和学院)が同点に追いつく右前適時打を放つ。今大会全ての試合がビハインドゲームの中、試合を振り出しに戻した。

 明大は4回表以降、1年生右腕の松本直投手(情コミ1=鎌倉学園)、早大戦でも登板した郷原怜大投手(文2=東京都市大付)、毛利海大投手(情コミ2=福岡大大濠)ら3人が1イニングずつの継投でつないだ。四球や安打などで得点圏に走者を抱えるも、要所をしっかりと抑え無失点。6回表に迎えた1死三塁の危機では、あわやセンター前の打球を友納周哉内野手(文1=福岡大大濠)がダイビングキャッチの美技を見せ脱出。相手の追加点を許せない状況でもバックに支えられながら、裏の攻撃に望みをつないだ。しかし6回裏、そして最終回となった7回裏の攻撃でも走者を生還させることはできず、2時間の制限時間を超過しコールドゲーム。両者一歩も譲らないまま試合が終了し、明大は今大会を3位の成績で終えることとなった。

今季3位 試合動かず/東京六大学秋季フレッシュトーナメント – 明大スポーツ新聞部

 

【菱川選手の紹介】


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174センチ76キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・カーブ・カット・フォーク

 

 セットからグラブを掲げた状態で構え、足を上げ大きなタメを作った後、一気に勢いをつけ、オーバースローの角度から力強い腕の振りから最速151キロ、常時140後半のストレートを投げ込む右腕投手。120キロ台のスライダー、130キロのカット、130キロのフォークを投げ込んでいきます。

 武器は鋭く変化する縦の変化球。強く腕を振るフォームから大きく変化するスライダーとカットボールを中心に、140後半の浮き上がるストレートで押していき、まっすぐ落ちるフォークで打ち取っていきます。

 チームでは主に中継ぎで起用。3年秋は7試合を投げ9イニングで自責点はわずか1点で防御率1.00と好投。パワータイプリリーフとしてさらなる活躍が期待されています。

 

【指名への課題】

 課題はストレートのコントロールの悪さ。特に左打者に対しては意図せずショート回転してしまうことが多く構えたところに投げられないため、インコースはカット・カーブを狙い打ちされています。右に比べ抜けることも多くストレートでストライクを稼ぐのに苦労しているため出力をセーブしており、右に比べストレートの球速が3~4キロ遅く、それも当てやすい原因になっています。

 さらにクイックになるとタメを作れない分腕の振りが強くなっているため、変化が早くなりすぎ縦変化が見切られやすく、ストレートも投げた瞬間から高めに抜けているため大きく抜けるようになっています。

 一方で右打者に対してはシュート回転を上手く使い、外に逃げるスライダーとカットでアウトコースを攻め、外を意識させたところにストレートで詰まらせるといった打ち取り方でできているため、左に比べると右は安定して打ち取れています。

 ストレートのコントロール向上が今後の鍵となります。

 

 

【指名順位予想】

 左打者のアウトコースを攻める手段が出力を落としたストレートしかないため、ストレートのコントロール向上と外に逃げる球であるフォークを決め球に出来るまで精度を上げられるかが指名ラインとなります。

 大卒は即戦力と判断されない場合起用の幅が広い先発起用されている選手でないと指名漏れになることが多いため、対左が安定しない現状では即戦力とならず指名漏れとなります。

 対左でもストレートのコントロールが安定したうえで145キロ以上を安定して出せるようになり、アウトコースに落とせるフォーク系の球の精度が安定すれば6~7位指名候補となります。クイック時に対左のコントロールが悪化する点から、1年目から勝ちパターンは厳しいことから下位指名となります。