関大にとっては、中日ドラフト1位の金丸が卒業して迎える新たな一年になる。その絶対的エースの後継として、最速142キロ左腕の荒谷紘匡(4年)は、主戦投手の役目を担う覚悟ができている。
「金丸さんが抜けた穴の大きさは、投手全員が分かっている。自分たちが力を発揮して投手陣を底上げし、金丸さんがいたときと比べても引けを取らない投手陣にしたいです」
軸足一本で直立してから力感なく投じる投球フォームは、金丸の投げ方とうり二つ。それは決して先輩をコピーしたわけではなく、高校時代から変わらない投球姿勢で「ドラフト1位の先輩に似ていると言われるとうれしい」と笑う。昨秋は救援転向を志願し、14試合中11試合に登板。「金丸さんら先発投手がいる中で、どう勝利に関われるかを考えたときに救援の方が貢献できると思った」と明かす献身精神も持ち味だ。
佐賀出身で、佐賀北では1年夏に背番号11で甲子園出場。ただ、高校卒業後は「公務員になる勉強をしよう」と考えていた時期もあり、関大からの勧誘にも「名前もよく分かっていなかった」と苦笑いする。それでも地元を離れる一大決心をして大阪へ。「試合には出られないだろうな…」との心配は無用だった。抜群の制球力は大所帯でも光り、2年春から先発機会を与えられるまでに成長した。
「金丸さんと練習をして自分の特長を再認識できた。球速が出ていなくても、球を速く見せられるかどうか。変化球や直球の切れで勝負したいです」。関大の左腕は、今年も手ごわいことを証明する。【関西学生野球のキーマン】関大・荒谷紘匡 中日ドラフト1位の金丸に負けない投手陣で勝負― スポニチ Sponichi Annex 野球
【荒谷選手の紹介】
185センチ80キロ 左投げ左打ち
変化球:スライダー・カーブ・チェンジ
ノーワインドアップから大きく足を上げ一度タメを作り、オーバースローよりも育い角度から降り出すフォームから、最速142キロ、常時140前後のストレートを投げ込む左腕投手。120キロ台のスライダー、110キロ台のカーブ、120キロ台のチェンジアップを投げ込んでいきます。
武器は失投の少ない制球力の良さ。決して球に迫力があるタイプではないものの失投が少なく、コースに投げ分けられるコントロールでストライク先行で攻めることができており、バッターに難しいところを振らせ打たせて取るピッチングを披露します。
チームでは主に先発で起用。一年先輩の金丸選手(中日1位)在籍時はチームのためにリリーフに転向。4年生では先発エースとして投げ込んでいます。
制球力を武器に総合力がある先発左腕として、さらなる活躍が期待されます。
【指名への課題】
課題は制球型であるゆえにセットになると出力が落ち打ち取ることに苦労していること。大きく乱れるわけではなくボール一つ分くらい甘くなる程度ですが、球威があるタイプでなく球種も豊富なわけではないため、高くなったストレートを無理せず打ち返されています。
変化球も変化自体は平均的でコースに投げ込めるコントロールがあることで武器になっているので、2ストライクまで追い込めれば打者がゾーンを広くするため打ち取れていますが、そこに行くまでに失投を投げてしまうと躊躇なく振り抜かれピンチを広げています。
即戦力で見るには引き出しが少ないゆえに、球が少しでも甘くなり始めると失投を捉えられやすいのが課題となります。
【指名順位予想】
本人も変化球や直球のキレで勝負したいと語っているようにここから急激に球速が伸びる可能性は低いため、先発で見るにも即戦力とは評価できません。2年生から起用されているため急激に現れ急成長が期待できる素材型というわけでもないため、現状では指名漏れの可能性が高くなっています。
中継ぎタイプでもないため、今の球種で勝負するには球種全体が3~5キロ伸びないと指名候補にはなりません。
