読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

右殺しのチェンジ・カットが武器 法政大 野崎 慎裕選手 大卒左腕投手

春の陽気が漂う季節。新生活がスタートするこの時期は、多くの野球人が新天地に向かう。大学へ進む東海地区の球児、愛知大学野球の門をたたく新大学生、社会人野球チームに入る注目の選手を3回にわたって紹介する。第1回は法大へ進む県岐阜商の最速144キロ左腕、野崎慎裕投手(18)の思いに迫る。
 大志を抱き、東京六大学の門をたたく。県岐阜商のエースとして甲子園のマウンドに3度立った野崎は法大進学を決めた理由をこう語る。
 「高校に入った時からプロに入りたい気持ちがあった。法大は六大学の中でも投手の育成がいい。大学でも自分に厳しくやっていきたい」
 昨年のドラフトでは3人の選手をプロへと送り出した法大。特に投手に関しては最速152キロ左腕の山下がヤクルトからドラフト1位で、右腕の三浦がDeNAから同4位で指名された。「プロに入りたい思いもある。大学日本一とともに、個人としても成長していきたい」と目標を掲げた。
 甲子園では世代を代表する左右の投手から刺激を受けた。3年春にはDeNAにドラフト1位で入団した市和歌山の小園と対戦し、6イニング無失点と投手戦を演じた。最後の夏はドラフト6位で巨人入りした明徳義塾(高知)の代木と投げ合って6イニング2失点。自信になる部分もあったが「自分との差が出た。真っすぐだけ見ても打者が振り遅れる球を投げていた」と冷静に振り返った。
 大学では「シュート回転しない伸びのある球質」と「勝てる投手」を目指す。「ずっと野球に関わりたい。プロを目指していけば、その夢もかなう」。4年後も野球を続けるため、大学でも自分に厳しく練習に取り組んでいく。

県岐阜商の144キロ左腕・野崎慎裕投手、東京六大学・法大進学を決めた理由は…【野球人・新天地連載】:中日スポーツ・東京中日スポーツ

 

【野崎選手の紹介】


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172センチ72キロ 左投げ左打ち

変化球:スライダー・カーブ・カット・チェンジ

 

 セットからあまりタメを作らず、スリークォーターよりも高い角度から投げ込むフォームから最速145キロ、常時140前後のストレート、130キロ台のスライダー、110キロ台のカーブ、130前半のカットボール、130キロ前後のチェンジアップを投げ込んでいきます。

 武器はストレートと同じ軌道で投げ込まれ、打者の手元で小さく落ちるチェンジアップ。左打者には引っかけさせる誘い球に、右打者には直前でブレーキが効いたように届かない決め球として空振りを奪います。

 チームでは主に先発で起用。怪我の影響もあり、公式戦初登板は3年秋で最長イニングが5イニング。5試合を投げ多くが2イニングで降板していたが、4年春は本科的に先発起用され、最長8回を投げるまでに成長しています。

 派手さはないもののコースに投げ分け見分けがつきにくい球種たちで打ち取る技巧派左腕として、さらなる成長が期待されます。

 

【指名への課題】

 課題はスタミナが減った際の投球術。野崎選手の持ち球はカーブ以外はストレートに似た小さな変化で打ち取るものが多く、ストレートとあまり球速差がないのも特徴の一つ。しかしスタミナが落ちてくると変化しない抜け球が目立ち、ほぼ球速が落ちたストレート状態でここから一気に崩れるのが毎回の課題です。

 カーブは他の変化球と軌道が大きく異なり打者が対応できていませんが、まだ制球が甘くゾーンに投げられていないため、変化量が落ちたところから一気に崩れ長いイニングが投げられていません。

 また左打者に対しては厳しいコースに投げ込み打ち取りますが、右に比べインコースに使える球が少なく、ストライクとボールがはっきりした球も多いため、少しでも甘くなるとレフト方向に打ち返されています。

 

【指名順位予想】

 現状では先発では厳しく中継ぎ候補ですが、ストレートを中心に似た軌道で打ち取るためタイミングがあったスイングが多く、中継ぎなら平均して3~5キロ上昇が求められます。特に左に対してはカーブがあまり決まらずタイミングを合わせやすいため、少しでも甘くなると逆らわないバッティングでヒットを打たれています。

 チーム事情で先発をしていますが、今の投球スタイルで起用するなら対右のワンポイント。チェンジとカットがあり右打者の外で空振りを奪えるため、左に比べると安定して打ち取れています。

 ですが現状では指名漏れの可能性が高くなっています。ワンポイント起用止まりでは指名される可能性は低く、法政大で先発1番手なら社会人チームからの推薦もあるため、育成入団するメリットもないことから、指名漏れとなります。