巨人は9日、育成選手の山田龍聖投手(24)、鈴木大和外野手(26)と支配下選手契約を結んだと発表した。 山田は2022年ドラフト2位の左腕で、今季から育成に。3~5月に派遣された2軍のくふうハヤテで防御率1・79の好成績を残し、「最少失点で抑えられるようになった。ストレートの強さに自信がある」と胸を張った。 22年育成ドラフト1位の鈴木大は「持ち味は足の速さ。2軍の試合にも出られず心が折れそうになることもあったが、報告したら泣いて喜んでくれた両親に1軍で活躍する姿を見せたい」と意気込んだ。
【巨人】育成の山田龍聖、鈴木大和を支配下契約に「両親に1軍で活躍する姿を見せたい」(中日スポーツ) - Yahoo!ニュース
【まさかの鈴木大和選手がサプライズ支配下】
9日に巨人が山田龍聖選手と鈴木大和選手を支配下昇格すると発表。 山田龍選手についてはレンタル移籍を前倒し終了したこともあり、支配下が囁かれていました。しかしもう一人の支配下は先発で好投していた菊地選手でなく、育成4年目の鈴木大和選手。 去年までは3軍がメインでしたが、今年は2軍で29試合に出場し、47打数10安打6盗塁で打率.213となっています。
今回は2名の巨人入団後どのような道をたどったか、そして支配下後1軍ではどのように起用されるのかについて触れていきます。
【山田選手の3年目までの経緯】
山田選手はJR東日本から21年ドラフト2位で入団。最速153キロの威力あるストレートを武器としていましたが、JR就職後は制球に苦しみ伸び悩む年もありました。しかし3年目に制球が向上し、高卒社会人ながら即戦力左腕候補として注目され、左腕不足に悩む巨人が指名するに至りました。
1年目は2軍で登板するも、9試合を投げ19.2回ながら25四死球とコントロールに苦しみ、防御率も8.69と無残な結果となり、3軍降格も経験しました。しかし3軍もわずか4試合のみと、1年目は制球の悪さを改善するためフォーム矯正がメインと不本意な結果となっています。
2年目は主に中継ぎにまわり、2軍でも18試合29回で四球も14個と改善。防御率2.48と好投。3年目には29試合にまで伸ばし、防御率1.65とさらに向上。強化選手として京本・秋広選手とともにオーストラリアに派遣。先発で6試合を投げ
1勝2敗防御率4.91と、課題だった調子の波の激しさがが出てしまい、この年のオフに育成再契約になりました。
3年目は3月に2人目となるくふうはやてへの派遣が決定。これは育成選手になったことで派遣が可能となり、貴重な先発候補として9試合45.1回を投げ1.79。前倒しで派遣が終了し、支配下復帰に至りました。
【鈴木選手の3年目までの経緯】
鈴木選手は北海学園大から21年育成1位で入団。50m5.7秒の俊足が評価され、1年目から育成選手唯一の春季キャンプ1軍スタートと、ポスト鈴木として期待されていました。
しかし盗塁死も多く、課題だった打撃がなかなか伸びず3軍メインでスタート。2軍でも起用されたものの、39試合で35打数5安打2盗塁打率.143と、目立つ結果は残せませんでした。その後も2軍で起用こそされるものの、毎年打率は2割を切っており、売りの走塁も24年の4盗塁1盗塁死がピークで支配下候補とはいえず、強化指定選手にもなりませんでした。3年目の春にはキャンプ中に左有鉤骨切除術も受けており、リハビリもありこの年も3軍メイン。
自由契約期間を超えた勝負の4年目ですが、浅野選手が不調から3軍落ちしたこともあり、代わりに2軍に昇格。一度は打率.321、得点圏では.625と勝負強さを見せ、売りだった俊足を活かした守備も披露し一挙に支配下候補としてアピールしていました。
その後は打撃の調子を落としたものの、浅野選手が骨折し萩尾選手も不調。岡田選手も2軍で安定せず、センター候補不足により支配下に至りました。
【1軍での起用について】
鈴木大和選手は打撃では結果を残せておらず、盗塁も盗塁死は0であるものの、企画自体も6と特段目立つ数字ではありません。
佐々木、ヘルナンデス選手が調子が上がらず、浅野選手が骨折。若林選手も自打球や病気明けということもあり無理はさせられず、センター候補が足りていません。
ですが鈴木大和選手の現状ではセンターの守備固め兼代走。重信選手がこれ以上選手としての上がり目が期待できないため、それならより若い鈴木選手に同様の役割を期待しての支配下です。支配下になったことで枠を使うため、代走でも駄目となれば容赦なく切られる立場になっています。
山田龍選手は課題の腕の緩みが改善しきっていないため、先発では変化球で安定してカウントが整えられない点が大きな懸念点になります。そのためストレートで押しながら、まだ精度が安定しているチェンジアップで空振りを取るパワーピッチングでゴリ押せる中継ぎ候補。
左腕中継ぎも高梨選手が無期限調整。バルドナード選手は相変わらず波があり、宮原選手は3軍と、石川、中川選手以外の中継ぎが候補にもできない状態のため、左腕中継ぎでも活躍の場があります。
ワンポイントタイプではないため、先発経験を活かした1~2イニングを投げる中継ぎとして起用。将来的に先発候補として経験を積ませていく流れになります。
