プロ野球独立リーグ・日本海リーグの石川ミリオンスターズの新入団選手会見が19日、金沢市内のホテルであった。今年は過去最多の16人が入団。英語であいさつした米大学リーグ経験者や、金沢大の選手など個性豊かな新人たちが、来季の活躍はもちろん、近い将来での日本野球機構(NPB)入りを誓った。
内野手では身長188センチ、体重91キロの肉体から繰り出す長打が魅力の宮西一希内野手(19)=神戸国際大中退=が加入し、チーム内の遊撃手争いは激化。8人が加わった投手陣は、最速150キロの直球で押す村井拓海投手(22)=金沢学院大=らが中継ぎとして期待がかかる。
【村井選手の紹介】
174センチ80キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カット・チェンジ・ツーシーム
経歴:金沢商業高校 – 金沢学院大 – 石川MS
解禁年:2024年
肘を上げてグラブを高く構えるセットから、体を捻りオーバースローの角度で投げ込むフォームから最速150キロ、常時140後半のストレートを投げ込む右腕投手。120キロ台の縦のスライダー、130キロ台のチェンジアップ、130後半のツーシームを投げ込んでいきます。
武器は抜いたような軌道で落ちるチェンジアップ。角度のあるストレートと同じ振りで投げ込まれ、抜いた軌道でまっすぐ落ちるため、打者がタイミングを外され空振りを奪っています。
チームでは主にリリーフで起用。威力あるストレートを中心に押していくパワーピッチングスタイルで、9試合を投げ10回6失点防御率5.40ながら1勝3Sとなっています。
角度のある投球で押していくリリーフとして、さらなる活躍が期待されます。
【指名への課題】
課題は投球のほとんどがストレートでタイミングが合ってしまっていること。スライダーはカウント球、チェンジが決め球といった投球スタイルですが、問題はほとんど変化球を投げていません。そのため打者のタイミング自体は合っている場面が多く、それを角度で差し込んで打ち取っています。
しかしランナーが出てクイックになると状況が悪化します。その原因が球威のばらつき。セット時は体を捻るフォームがなくなるため球威にばらつきが生まれており、球威が落ちた球を打ち返されています。
そのため一度ランナーを出してしまうとそこから崩れることが多く、変化球も1年目に比べあまり変化しなくなっており、変化球を効果的に使い打ち取っていた1年目に比べ、防御率・奪三振能力共に悪化しています。
【指名順位予想】
角度がついたときのストレートは魅力ですが、1年目に比べ変化球の精度が悪化。成績にも現れており、現状では1年目の方が期待できる内容でした。魅力的なチェンジアップを持っていますが、2年目はこのチェンジアップもあまり落ちなくなっており、変化球の決め球といえるものがなくなっています。
今年で24歳と大卒社会人と同じで即戦力が求められるため、変化球で期待できるものがない現状では指名漏れの可能性が高くなっています。1年目のチェンジアップを取り戻し、クイック時でも球威が安定すれば育成5~7位候補になります。
