◆第107回全国高校野球選手権 東東京大会 ▽5回戦 関東第一6―0安田学園(21日・神宮)
安田学園が関東第一に完封負けし、7年ぶりの8強進出ならず。最速140キロのエース左腕・稲葉颯来(3年)は2回途中から6回1/3を4安打無失点に抑えたが、18歳の誕生日に涙をのんだ。
2回に5点を先行され、なお2死一塁。稲葉は「3点取られたら行くぞ、と前日から伝えられていた」とたまらず、マウンドに向かった。最初の打者のU18日本代表候補・坂本慎太郎(3年)に適時三塁打を献上。それでも、直後の3回の打席でバースデーソングの応援が流れ、「すごい力になりました」と同じ左腕の坂本にお返しの中前打。3回以降は6四死球を与えながら、追加点を許さなかった。
昨夏の甲子園準優勝校に敗れ、「最悪なバースデープレゼント」と苦笑いも、今夏3試合にリリーフし計9回1/3を無失点。「成長した姿は見せられた。真っすぐ頼りだと、上のレベルでは通用しない。真っすぐも変化球も磨いて、大学で通用する投手になりたい」と18歳の誓いを立てた。(雑誌『報知高校野球』取材班)
【高校野球】安田学園の最速140キロ左腕・稲葉颯来が18歳の誕生日に関東第一に敗れるも、今夏3試合無失点リリーフ - スポーツ報知
【稲葉選手の紹介】
177センチ79キロ 左投げ左打ち
変化球:スライダー・カーブ・フォーク
ノーワインドアップから肘を折りたたんだショートアームで振りかぶり、オーバースローよりも低い角度から投げ込むフォームから最速140キロ、常時130後半のストレートを投げ込む左腕投手。120キロ台のスライダー、110キロ台のカーブ、120キロ台のフォークを投げ込んでいきます。
武器はクロスファイアで投げ込まれる威力のあるストレート。角度がついたキレのあるストレートを中心に投げ込むパワースタイルで、弧を描くスライダー・カーブで緩急を意識させながら打ち取っていきます。
チームでは主にリリーフで起用。夏の地方予選では3試合(1/3)回を無失点と好投。当初は進学を表明していたものの、9月24日にプロ志望届を提出しました。ストレートが魅力の左腕として、さらなる成長が期待されます。
【指名への課題】
課題は変化球の抜け球が非常に多いこと。特にカーブの抜け球が非常に多く、試合中にストライクゾーンに入ったカーブはほとんどなく、アウトコースに大きく抜けたものばかりとなっています。
その原因が腕の振りが一定ではなく、特にスライダー・カーブでは腕の振りがストレートのようにスムーズに触れておらずリリースが非常に早いため、投げた瞬間にボールと分かるすっぽ抜けのカーブになっています。
唯一安定しているストレートも球質にムラがあり、指にかかったストレートは魅力ですが、高めはカーブほどでないにしてもすっぽ抜けており、9イニングで7四死球とカウントを悪くする原因になっています。
【指名順位予想】
変化球は制球出来ておらず、ストレートも指にかかったものは角度があり魅力であるものの、こちらもムラがあります。安定して投げられる変化球がないためカウントを整えられず、ランナーがいてクイックになるとさらにリリースが早くなるため変化球が制御できていません。
どれか一つでも安定した球があれば候補になりましたが、現状ではどれも安定していないため、指名漏れの可能性が高くなっています。当初進学を表明していたもののプロ志望を出したため、最短指名が出来る独立リーグ入団を狙っている可能性もあります。
