読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

巨人2025年支配下ドラフトを振り返る。独自路線の即戦力中心ドラフトに

プロ野球ドラフト会議supported by リポビタンD」が23日、都内のホテルで行われ、巨人が前日に公表した鷺宮製作所・竹丸和幸投手(城西大)を1位指名。最速150キロの即戦力左腕を一本釣りした。

 2位は早大の最速152キロのサイドスロー右腕・田和廉投手、3位は1メートル74の小柄な体格から放たれる最速154キロの直球と変化球の緩急が魅力の“宮城2世”即戦力左腕として期待がかかる亜大の山城京平投手を指名した。

 4位は中大の皆川岳飛外野手、5位は沖縄電力の小浜佑斗内野手、6位で恵まれた体を生かした鋭いスイングと打球が魅力のヤンキース・ジャッジに憧れる浦和学院スラッガー・藤井健翔内野手を指名して本指名を終了した。

 本指名は計6選手。内訳は左腕が2人、右腕が1人、外野手1人、内野手は高校生含む2人となった。

 ▼阿部監督 (1位指名について)まあ抽選がなかったことだけでね、あの良かったですし、単独で指名できて良かったなと思います。隠す必要もないかなと思って。公表したことによってね、1球団でも引いてくれた球団があれば…そこの中は話せないでしょうけど、先手必勝ということで。やっぱり1位を希望している選手を外すと、どこもそうだと思うんですけどね、グダグダになっていくっていう。まあ、欲しい選手をしっかり獲れたってことがね一番だとは思います

【記事全文】【ドラフト会議】巨人は6選手で本指名選択終了 左腕2人、右腕1人、外野手1人、内野手は高校生含む2人 - スポニチ Sponichi Annex 野球

 

【25年ドラフトが終了。上位3名が全て投手に】

 25年ドラフトが終了。岡本選手のメジャー挑戦。グリフィン選手のメジャー復帰と大きな戦力ダウンが確定しており、補強ポイントだらけのドラフトとなりました。

 そして巨人は竹丸選手を1位指名すると公言。見事単独指名となりました。さらに2位・3位も大卒投手。そして4~6位は野手と独自路線ながらバランスの良い指名となりました。

 岡本選手の後釜となるような即戦力スラッガーは指名されなかったものの、先発・リリーフ・2軍で投げさせながら育てるロマン型。打撃が魅力の外野手。身体能力型内野手、パワーが魅力の高卒スラッガーとなりました。

 まずは支配下ドラフトの各選手について振り返っていきます。

 

【1位指名:鷺宮製作所 竹丸 和幸選手】社会人左腕投手

巨人にドラフト1位で指名された鷺宮製作所の竹丸和幸投手(23)が23日、埼玉・狭山市内の同社事業所内で会見を行い、「ドラフト1位という高い評価をいただいてとてもうれしいです」と語った。


 竹丸は最速152キロを誇るアマ球界屈指の左腕。細身の体をしなやかに使い、スライダー、カーブ、カットボール、チェンジアップなどの多彩な変化球を操る。広島の崇徳から首都大学リーグの城西大を経て入社した。巨人のイメージについて「伝統ある、長年プロ野球界を引っ張ってきた球団だと思っています」と語り、一緒にプレーしたい選手については「坂本勇人選手ですかね。自分が小学校の時からずっと1軍でレギュラーを張って活躍されている方なので」と胸を躍らせた。

【巨人】ドラ1の鷺宮製作所・竹丸和幸「安定してチームの貯金をつくれるようなピッチャーになりたい」 - スポーツ報知


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 1位指名は即戦力左腕として評価された竹丸選手。グリフィン選手がメジャー復帰。井上・赤星選手が夏から調子を落とし、先発ローテは火の車。来年に向けた先発ローテ強化のため、竹丸選手を獲得しました。

 最速152キロ、常時140後半のストレートを出所が見にくいフォームから投げ込み、変化球でも空振りを取れるのが魅力。6回以降のスタミナが課題ですが、まだ細身で伸びしろも残している選手です。

【2位:早稲田大 田和 廉選手】大卒右腕投手

巨人は2位で長身183センチのサイド右腕の早大・田和廉投手を指名し、交渉権を獲得した。 最速152キロ、スライダー、カット、カーブ、シンカーなど変化球も多彩なサイド右腕。リーグ戦はここまで20試合に登板し、2勝1敗、防御率1・82をマークしている。

 一昨年春にデビューし、自己最速の152キロをマーク。しかし、登板4試合目となる法大4回戦で右肘の靱帯を断裂。トミー・ジョン手術を受け、24年9月14日の東大戦で約1年4か月ぶりのマウンドで復帰を果たした。

【巨人】2位指名の早大・田和廉の武器は「独特な軌道と落差のシンカー」…担当スカウト一言 - スポーツ報知

 


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 2位指名はまさかのサプライズ指名。田和選手は早稲田ではトミージョンを経験。復帰は3年秋からで主にリリーフで登板していました。140中盤から後半のストレートと魔球ともいえるシンカーが武器で、リリーフではあるものの阿部監督は先発として期待しているとコメントしています。

 先発としては練習試合で4~5回を投げたまでなので、先発なら1年目からフル回転でなく、2軍で投げさせ育て上げる必要があります。

【3位指名:亜細亜大・山城 京平選手】大卒左腕投手

巨人が亜大の最速154キロ左腕の山城京平(4年=興南)を3位で指名した。

東京・武蔵野市の亜大キャンパスの大教室でチームメイト、一般学生とドラフト会議の中堅を見守った山城は、指名が決まると笑顔を浮かべて喜んだ。会見では「いい順位で指名されて非常にうれしい気持ちです」とはにかんだ。

 「自分の持ち味はキレのあるストレート」と話すように最速154キロを誇る左腕は今季、5試合で2敗と調子が今ひとつだったが、ドラフト会議前の青学大戦では負け投手になったものの7回途中まで被安打6、8奪三振自責点ゼロ。正村公弘監督は「一番よかった」とほめる好投をみせていた。

 沖縄出身とあって目指すのは来年2月の沖縄キャンプ。即戦力に期待されるとあって「地元の方に応援してもらえるよう頑張りたい」と誓っていた。

【巨人】亜大の最速154キロ左腕・山城京平を3位指名「いい順位で指名されて非常にうれしい気持ち」 - スポーツ報知

 


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 最速154キロ、小柄ながら150キロを連発した左腕投手。もともとコントロールに課題を抱えており、秋は不調でさらにコントロールが悪化。球速も落ち込んでおり、制球に難がある小柄な左腕とかなりのロマン枠。しかし大きな変化のスライダーと持ち帰のエンジンは魅力で、戦力になれば大きい選手です。

 こちらも阿部監督は先発で考えており、調子と制球を考えれば2軍スタートになりそうです。

 

【4位指名:中央大 皆川 岳飛選手】大卒左外野手

巨人は中大・皆川岳飛(がくと)外野手を4位で指名した。巨人は3位まではいずれも即戦力投手を指名していたが、中大後輩の指名に阿部監督も笑みを見せた。 身長182センチ、体重88キロの左打者で、今秋の東都大学野球リーグ戦では、ここまで10試合に出場して35打数15安打の打率4割2分9厘で9打点。本塁打はないものの、二塁打三塁打ともに3本ずつ記録するなど長打も記録している。

 担当の円谷スカウトは「走攻守でポテンシャルの高い右投左打外野手。投手として147キロを記録する肩力、一塁到達タイム4秒を切る走力、ホームランを打てる長打力、三振の少ないコンタクト能力、安定した守備力と5ツールがそろった好選手」とコメントした。

【巨人】ドラ4中大・皆川岳飛は「5ツール」そろう左の外野手 最速147キロの強肩も…担当スカウト一言 - スポーツ報知


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 4位でようやく野手を指名。中央大の皆川選手は100安打を達成したバットコントロールと高校時代は投手だった強肩が魅力の身体能力型外野手。センターとライトを守ることができる一方本塁打がないため、ライトメインでセンターもできる中距離バッターとしての獲得。阿部監督も守備の上手さを評価しています。

 長野、重信、乙坂選手が戦力外と引退でいなくなり、丸選手も守備がかなり厳しいレベルとなっているため、外野手を底上げするための獲得です。

【5位指名:沖縄電力 小浜 佑斗選手】解禁済右内野手

 

 巨人は小浜佑斗内野手沖縄電力)を5位で指名した。中部商業高から沖縄電力に入社した24歳。走攻守がそろった即戦力遊撃手の交渉権を獲得した。

【巨人】沖縄電力の小浜佑斗を5位で指名 上位3人は即戦力投手も続けて野手を獲得 - スポーツ報知

 5位は解禁済社会人内野手の小浜選手を指名。沖縄電力からの最後の指名を確認できたのは1996年と、かなりのレアケースの指名となります。

 高卒社会人ながら6年目のため24歳。しかし去年ごろから守備が良化し、今年はチームで4番で起用され3割超えとなるほど打撃でも成長を見せています。

 内野ゴロを安打にできる足の速さと守備範囲が魅力のため、中山選手が外野に本格転向し門脇選手の調子が上がらない中、ショート・セカンドでの起用を期待しての獲得です。

 

【6位指名:浦和学院 藤井健翔選手】高卒右内野手

巨人は6位で高校通算35本塁打浦和学院・藤井健翔(けんしょう)内野手を指名した。5位までは大学、社会人の即戦力を指名しており、6位で初めて高校生を指名した。

 身長181センチ、96キロの恵まれた体格で、右打席から打球速度160キロ超を記録した高校生離れしたパワーを誇る大砲候補。担当の大場スカウトは「高校通算35本塁打の右の大型スラッガー。力強いスイングでパンチ力があり、逆方向にも長打が打てる。守備は一塁手三塁手をこなせ、ハンドリングも柔らかい。将来の4番打者として期待」とコメントした。

【巨人】ドラ6浦和学院・藤井健翔は打球速度160キロ超のロマン砲「将来の4番打者として期待」…担当スカウト一言 - スポーツ報知


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  支配下最後の指名は浦和のジャッジと呼ばれたパワーが魅力の藤井選手。35本塁打でとにかくスイングがえげつないと評価されており、未来のスラッガー候補として期待されています。

 一方で守備はサード・ファーストであるものの上手いほうではなく、スイングに力を入れてきたためミート力が疎かになったと語る通り確実性も課題。パワーを保ちながらスイングと守備をどれだけ改善できるかが鍵となります。