読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

巨人における起用方針と課題 1位指名 鷺宮製作所 竹丸 和幸選手 社会人左腕投手

◆2025年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(23日)

 巨人はドラフト1位に、鷺宮製作所の竹丸和幸投手を単独指名し、交渉権を獲得した。前日に阿部慎之助監督も加わったスカウト会議で決定後に公表した通りとなった。

竹丸は179センチ、73キロと細身ながら最速152キロの本格派左腕。さらにスライダー、カーブ、カット、チェンジアップと変化球も多彩だ。即戦力投手の補強のため、変化球の精度に絶対的な自信を持つ社会人NO1左腕を指名した。

【巨人】ドラ1に鷺宮製作所の竹丸和幸を単独指名 社会人NO1左腕の交渉権獲得…阿部監督「球界を代表する投手を目指して欲しい」 - スポーツ報知

 

【竹丸選手の紹介】


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179センチ73キロ 左投げ左打ち

変化球:スライダー・カーブ・カット・チェンジ

 経歴:崇徳高-城西大ー鷺宮製作所

 

 ワインドアップから足を上げた後少しタメを作り、オーバースローよりも低い角度で力みなく投げ込むフォームから最速152キロ、常時140中盤のストレートを投げ込む左腕投手。

 武器は出所が見にくいフォームと打者の直前で鋭く落ちるチェンジアップ。変化量が大きいスライダーと小さく変化するカットでカウントを稼ぎ、左打者にはカットで詰まらせ、右打者には威力あるストレートとチェンジアップのコンビネーションで打ち取っていきます。

 チームでは主に先発で起用。都市対抗では2試合を投げ11回5被安打15奪三振自責点防御率3.27となっています。

 社会人になりそれまでやってこなかったウェートトレーニングによる体づくりを敢行。筋力が増え最速を8キロも伸ばし、秋に先発転向したことをきっかけに結果を残すようになりました。

【なぜ獲得されたのか】

 岡本選手がメジャーに移籍したうえ、今年は得点力不足が顕著で打線強化が必須でした。一方で先発ローテはグリフィン選手がメジャー復帰。赤星、井上選手も夏以降に離脱してしまい、終盤ローテは調子を落とし続けている戸郷選手を強行させた山崎ー戸郷―田中ー森田ー横川ー又木(西舘)という不安定なローテでした。

 このため先発ローテ強化も課題の一つ。特に左腕はグリフィン選手が抜けて計算できる左腕が誰もいなくなり、岡本選手が抜けた穴は一年で補えるものではありませんが、先発は即戦力を獲得すれば一つは埋まるため、先発強化が優先されました。阿部監督も先発が全く計算できなかったと語っており、今回のドラフト全体を見ても先発強化が優先されています。

 

【1軍起用への課題】

 課題の一つは右に比べ左はコースと球速に頼った投球になっていること。右投手に対しては外はチェンジアップ、インコースにはスライダーとコースによって使い分けられる球種があり、140中盤のストレートを警戒するため高めに抜けた球にもチャンスと感じつい手を出してしまい、コースを広く使って打ち取れています。

 一方で左打者に対しては変化球の腕の振りが弱く、右打者に比べチェンジやスライダーの変化量が落ち込んでいます。このためインコース中心の詰まらせる投球になっており、ストレートも140後半の力んだコースが増え、制球が甘くなっています。

 そしてもう一つの課題はスタミナ。竹丸選手は社会人1年目の秋から先発転向したこともあり、まだまだスタミナ不足。最長6回が多く、5回を超えた辺りから制球が全体的に高くなり、右にもストレートを打ち返されています。

 まだ体が非常に細いため1年目からフル回転できるタイプではなく、伸びしろも残した2~3年目が本番となる選手です。