●ホンダ鈴鹿(鈴鹿市)1-4三菱日立パワーシステムズ(横浜市)○(15日)
ホンダ鈴鹿の3番手・滝中が完璧な投球を披露した。3点を追う六回1死から登板し、最速151キロの切れのある直球を低めに集めた。七回の3者連続を含む6奪三振。前回大会は1回戦で先発したが、3回2失点で降板した。今年は体の開きを抑えたフォームに変えた結果、直球の威力が増し、制球も安定した。龍谷大出身の2年目右腕。「日本一になりたかった」と残念がったが、圧巻の投球で1年間の成長は示した。
【瀧中選手の紹介】
180センチ90キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・フォーク・カットボール
解禁年:2018年
肘を畳んだ状態から大きく足を上げ、そこから腕をしならせながら振り下ろすフォームから最速152キロ、常時140後半のストレートと落差のあるフォークが武器の大型右腕。ストレートを主体に空振りを奪い、カーブでカウントを整えフォークを決め球とする投球スタイル。スライダーとカットボールは打者の手元で変化し空振りを奪えるなど様々な変化スタイルの変化球を持つのも武器の一つ。このため奪三振率が非常に高く、都市対抗の三菱日立戦では打者8人に対しアウトの6つが三振を記録しています。
高校、大学と複数球団スカウトが視察に訪れる注目株でしたが何れも志望届を出さず今の至っています。現在のHONDA鈴鹿では先発機会はあるものの4~5回で降板することが多く、主に中継ぎやロングリリーフとして起用されることが主となっています。
【指名への課題】
ストレートは低めに決まれば相手は手を出せない一級品ですが、高めに入ることも多く危険なコースに入ることも多い。時々力んでしまうことがありその際のストレートは大体がすっぽ抜けのボールコースになるため、力まず腕のしなりで投げることが求められます。またカウントを整えるカーブも抜けてボール球となることが多く、かえってカウントを悪くすることがあります。
基本的に先発として登板しても5回程度で降ろされる理由としては球数が増えてくるとストレートの球威が下がり捉えられるようになるため、プロ入り後先発起用は厳しく、即戦力リリーフとして獲得する形となります。先発として計算できないとなると指名順位は大きく下がります。
【指名順位予想】
2~3イニングを投げられる即戦力中継ぎとして評価されるが、ストレートの高さがやはり気になります。その日のストレートの調子次第で内容が大きく左右されるため、勝ちパターンとして起用できるにはストレートが安定して低めやコーナーに決められる力が必要です。先発起用の見込みも薄いため、指名順位としては6~7位が候補となっています。