読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2018年ドラフト指名選手の巨人における起用方針と課題 育成2位指名 岐阜第一 平井 快青選手 高卒右腕投手

 

巨人から育成2位指名された岐阜第一高エースの右腕・平井快青投手(18)=184センチ、73キロ=が10日、大垣市内で球団と仮契約を交わし、「厳しい世界へ入るが、覚悟を持って臨みたい」と意気込みを語った。

 井上真二チーフスカウトと、青木高広スカウト(県岐阜商高出)との入団交渉に臨み、年俸230万円で合意。背番号は「012」に決まった。

 平井の魅力は長身から投げ下ろす最速145キロの直球と、落差が大きく空振りの取れるフォーク。担当の青木スカウトも「しっかりと体をつくれば、直球、フォークとももっとよくなる」と、今後の伸びしろに期待。

 平井は1年目の目標について「体重を増やし、まずは体を大きくすることが一番大事」と話しながらも、2月のキャンプについて「自信のある直球でどんどんアピールしていきたい」と闘志を燃やしている。

平井(岐阜第一高)巨人と仮契約 「覚悟持って臨む」 | 岐阜新聞Web

 

 

 【平井選手の紹介】

184センチ76キロ 右投げ右打ち

変化球:スライダー・カーブ・フォーク

  投手としては長身から投げ下ろす角度とフォークを武器とし、野手としてはライトで4番の投打で活躍する選手。巨人としては投手としての指名であるもののの野手としての起用の可能性も示唆されています。

 岐阜第一では同学年の左腕・伊加利夏生選手とともに先発2枚看板で活躍。四死球で崩れる癖とストレート・フォークの安定性が課題とされていますが、指にかかったときの球威は高く評価されています。

 【なぜ獲得されたのか】

 3軍を創設したことにより必要選手数は増えており、特に投手は必要数が一番多いポジションです。今年は長谷川打撃投手が一時選手登録されるほどの状態であり、いくら3軍の試合数を削減したといっても、連戦となると投手が不足していました。このため育成指名でも投手の複数名獲得は予想されていました。そうなるとすぐに投げられる独立リーグ・大卒選手を指名することも考えられ、実際に3軍創設当初は試合維持のためにある程度からだが出来た選手を育成で獲得していました。しかしその多くの選手が戦力外、また支配下を勝ち取った篠原選手も敗戦処理から上がれず、SNS事件もあり戦力外となってしまいました。

 しかしそんな巨人の育成指名は17年から傾向が変わってきており、高卒や身体能力型、恵体タイプや体は細く時間はかかるが光るものはあるタイプの指名が目立つようになっています。平井選手も甲子園経験はなく安定性に課題はあるものの、投手向きのフォームにはまれば力のあるストレート・フォークを持っており、肉体的にも細く時間はかかるものの、光るものをもった選手となっています。

【1軍起用への課題】

 フォークが決め手である投手の問題はフォーク以外の決め球があるかどうか。谷岡・小山選手もフォーク投手ですが、フォークは空振りを奪える強力な武器である一方、空振りを奪うための変化球であるため落差が大きくボールゾーンに行くことが多く、見切られるとただカウントを悪くする球となります。

 谷岡選手が勝ちパターンに起用できないのもフォークを見逃されるようになると、一気に勝負パターンが減ってしまい四球で自滅してしまうことが原因です。またバウンドすることも多い球となるため、ランナーが貯まった場面や起用された捕手のブロック能力次第では使いにくくなります。平井選手はフォークの精度も課題とされているため、安定して投げれるようになれなければ起用は厳しいものとなります。

  このためフォーク以外の決め球がないと追い込んでからの勝負がストレート頼りになり、ストレートをカットされフォークは見逃され四球で崩れてしまう問題があります。このことからフォーク以外の決め球を用意する必要があり、フォークについても精度アップが求められます。