札幌大谷の太田流星(3年)の顔は悔しさでいっぱいだった。西原と二枚看板を担う背番号17は4回無死一塁から救援。2死後に右中間三塁打で先制点を許すと、5回には痛い2点目を失った。
「(明豊の)打つイメージにやられた。自分の思い込み。簡単にストライクを取りにいき過ぎた」。1回戦で横浜(神奈川)を攻略した明豊打線を意識し過ぎてしまった。昨秋からあっという間の半年間だった。春にピークを合わせる初めての経験。背番号をもらえなかった昨夏後、帰宅してから自宅近くの河川敷を走り、冬も室内施設で鍛えてきた。「春」に懸ける強い思い。1回戦の1失点完投で甲子園1勝を引き寄せた太田は「勝ちたかった」と肩を落とした。
○…先発に抜てきされた背番号18、1メートル97の大型左腕・阿部剣友(2年)は3回0/3を1失点。4回、先頭打者に中前打されて交代したが「(捕手の)飯田さんのリードを信じて思い切り腕を振った。次の投手につなげる投球を心がけた」。自己最速138キロもマークした期待の左腕に、船尾監督も「よく投げた。今後の自信になると思う」と評価した。
【太田選手の紹介】
172センチ75キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・シュート・カーブ・シンカー
セットポジションから大きく足を上げ、タメを作らずアンダースローに近い位置から平均120キロ前後のストレートを投げる先発右腕。投球テンポが非常に早く、相手打者に考える余裕を与えず、フォームのタメのタイミングやテンポを不規則に変えタイミングを取らせづらくしています。ストレート自体は120前後と速くないものの、スライダー・シュートの同じような軌道で動くため判断がつきにくく打ち損じが非常に多くなっており、19年選抜1回戦の米子東戦ではアウトの半分が打ち損じの内野ゴロとなりました。
アンダーのため球が集まるゾーンが低く流し打ちがしにくく、引っ張ろうと強振した相手を変化球で打ち取ります。18年の明治神宮大会では19年選抜にも出場した福岡の筑陽学園高相手に8回までノーヒットノーランが記録されています。
<センバツ2019 注目選手>札幌大谷高校 太田 流星投手(札幌大谷中):明治神宮野球大会2018・準決勝
【指名への課題】
球速自体は遅く球のわかりづらさで打ち取る投球スタイルのため、ストライクとボールがはっきりしてくると球が遅く見れてしまう分、見逃されることが多くなります。また高めに抜けるようになると打ち頃の球になるため、スタミナが切れて高めに抜けると長打にされるようになりたす。
またアンダースローは育成ノウハウが少なく、多くが大卒や社会人でのプロ入りで即戦力として期待されて入団する選手が多く、伸び代という面では疑問がもたれます。
【指名順位予想】
高卒アンダースローがプロ志望を表明することはあまりなく、タイプとしては大学・社会人に進み即戦力としてある程度プロ入り後の形をはっきりさせた状態のほうが指名しやすいタイプとなります。このためプロ志望を提出する可能性は低いですが、もし提出した場合は6~7位の下位指名となります。伸び代という点と育てにくさという点がマイナスしています。