明豊(大分)が札幌大谷(北海道)に競り勝ち、春の甲子園初の8強入りを決めた。
先発の両左腕が無難に立ち上がった。札幌大谷の阿部剣友投手(2年)は身長197センチ。長いリーチを生かしたクロスファイアで押し、3回まで被安打1。明豊の若杉晟汰投手もボールが低めに集まり、スライダーを打者の手元で鋭く曲げ、3回まで1安打に抑えた。
札幌大谷は4回無死一塁から継投に入り、2番手は右サイドハンドの太田流星投手(3年)。2死二塁となり、明豊の4番の野辺優汰内野手(3年)が右中間を深々と破る適時三塁打を放り、先制した。5回は若杉が自ら中前適時打を放ち追加点を奪った。札幌大谷は6回に1点をかえし、接戦のまま終盤へ。
明豊は好投の若杉を7回で交代し、8回から大畑蓮投手(3年)を送った。大畑は140キロ台の角度のある直球で抑え込み、明豊が明治神宮大会優勝の札幌大谷を退けた。
【大畑選手の紹介】
184センチ65キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・チェンジアップ・フォーク
セットポジションで上半身を捻り、しなやかな腕使いでオーバースローのように投げ下ろすフォームから最速142キロ、常時130中盤のストレートを武器とする長身右腕。大きな武器は縦の落差あるスライダーで空振りを奪う一方、通常のチェンジアップとは別に110キロの抜いたようなチェンジアップがあり、チェンジアップながらカーブのような曲がり方をします。ストレートには球速以上の重さと伸びがあり、変化球との緩急で空振りを奪います。左の対してはインコースへのストレートとチェンジアップ。右に対してはアウトコースへのストレートとスライダーで打ち取ります。
先発では2年生の若杉選手と3年の寺迫選手が起用され、リリーフとしてこの大畑選手が登板することが多くなっています。
明豊vs東筑 ダイジェスト(2018/春季九州地区大会 準決勝)
【指名への課題】
得点圏にランナーを背負うとコントロールが大きく乱れボール先行となりやすい。ランナーがいない場面ではコントロールよく投げ込んでいけるが、得点圏に背負った途端ストレートも変化球も入らなくなってしまう。このため四球でどんどん状況を悪化させてしまい大量失点に繋がっています。単にランナーを背負うと崩れるというわけでなく一塁ランナーのみの場合は大きく崩れることもないため、ピンチになると力が入ってしまうタイプの可能性もあります。
また変化球は落差のあるカーブを多投することが多くなっており、ストレートが140前後で大きな緩急を生み出していますが、コントロールが精密なタイプではないため、高めに集まるようになると引っ張られやすくなります。なまじカーブを多投してしまうため、カーブかストレートに絞れば緩急をつけても二択で狙えてしまうため、カーブ以外にも安定して投げられる球が必要となります。
リリーフとして起用されることが多く先発実績があまり多くないため、プロ入り後も長身リリーフとして計算するには、球速アップが求められます。
【指名順位予想】
どの変化球もある程度は制球できており、ストレートは130後半ながら伸びとコントロールがあるため、将来性の高い選手です。素材としても上背があり手足も長い投手向けの体ながら細身でまだ体が出来上がっておらず、今後体作りをして平均球速が140を超えてくるようになれば上位も狙える選手になります。
現状では4~5位指名候補の選手。今後のアピールすべき点については急に制球が乱れ四球を乱発する点を改善することと、平均球速アップが求められます。そしてカーブの割合を減らし、甘めに来ても見逃されるように狙い球を絞らせられないようになれば先発としても計算できるため、3~4位に指名順位が上がります。