「京滋大学野球、仏教大5ー1京都先端大」(13日、皇子山球場)
第5節3回戦が行われ、仏教大が京都先端科学大を下し、春は5年ぶり、春秋通算で2季連続となる54度目の優勝を果たした。中山怜央投手(4年・奈良大付)が3安打1失点の完投勝利を挙げて4勝目。田原完行監督(59)は出場が決まった6月10日からの全日本大学選手権に、気持ちを向けた。
仏教大・田原監督は、中山怜の好投を称えた。チーム全体に人間的な成長を求めている中で「彼自身、去年の秋から期するものがあった。人間的にも成長してきた」と笑顔。今秋ドラフト候補の最速149キロ右腕・福森建投手(4年・水口)は開幕前に右肘の違和感を訴え、12日にようやくリーグ戦で復帰登板を果たしたところ。出場の決まった大学選手権では登板の可能性もあり「出番があれば100%でいきたい」と力強かった。
【中山選手の紹介】
185センチ84キロ 右投げ左打ち
変化球:スライダー・カーブ・カットボール・チェンジアップ
セットポジションから一度上げた足を前に下した後、背中に隠れるように回した腕を小さな振りで投げるフォームから最速148キロ、常時140前後のストレートを投げ込む右腕投手。
投げている球自体に迫力はないものの投げるタイミングが独特で打者がタイミングが取りづらく、さらに腕が頭の近くから出てくるため二重にタイミングが取りづらく引っ掛けたような当たりが多くなっています。
さらに山本由伸選手の動画を参考に修得したカットボールとチェンジアップでストレートを狙いづらくさせており、コントロールよいスライダーでカウントを整えます。このため三振数があまり多くないものの球数が少ないため試合を作れるタイプの投手となります。
【指名への課題】
タイミングの取りにくさが武器となるため、ランナーが出てクイックになるとタイミングが取りやすくなります。それでも腕の出どころでまだ惑わすことはできますが、もう一つの武器がストレートと変化球による緩急でタイミングを外している点です。
ただこれはストレートのコントロールが生命線となるため、ストレートがあまり決まらない日は入りを変化球に頼ることが多くなり、ストレートを捨てられて変化球に絞られます。そうなるとあまり大きな変化がない120キロ台の変化球狙いになるためホームランを打たれやすくなります。
現状の課題としてはスタミナが切れてコントロールが乱れ、さらに打者一巡してタイミングに慣れてくる5回以降をどう安定して乗り切るかが課題となっています。
【指名順位予想】
タイミングの取りづらさと変化球の緩急が武器となるため、戦力としてみるなら先発型となります。ただ即戦力としてみるにはスタミナや押し切れる武器があるわけでなく、素材型というにも厳しいものとなっています。大きな課題はないが大きな武器もないというのが評価となります。このままタイミングの取りづらさを活かしたままで球速と空振りをとれる変化球を磨き中継ぎとして今後指名を狙うのもありですが、現状では指名漏れの可能性が高い選手となります。