読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2020年に巨人がとるべきドラフト候補選手

 

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 FAでは美馬選手・鈴木選手を獲得できず、さらに今年先発の柱だった山口選手がまさかのメジャー挑戦に阿部選手が引退とかなりの変動があった巨人。

 そこで今回は20年のドラフト傾向も踏まえて巨人の2020年ドラフト戦略について考えていきたいと思います。20年のドラフト傾向については下記記事でご覧ください。

 

www.giantsdraft.site

 

 

【投手について】

【1軍先発について】

 まずは先発について。菅野選手が腰痛から復活できず離脱を繰り返す一方、山口選手がエース先発として15勝をあげました。しかしその山口選手がメジャー移籍を決断しただでさえ厳しいローテはさらに厳しいものとなっています。

 このため先発外人の獲得が見込まれており、さらにトレードでも先発候補の獲得を目指しています。しかし外国人は未知数、さらに先発はどのチームも不足しており、第一線クラスをトレードで獲得するにはかなりの選手を出さねばなりません。このため獲得できたとしても裏ローテで昨今燻っている選手といったところであり、山口選手の穴を埋めるのは難しいでしょう。

 ちなみに来季先発ローテは以下のようになっています。

 菅野ーメルセデスー新外人(デラロサ)ー高橋ー桜井ー戸郷ー田口

 

 この時点で戸郷選手をローテにいれないといけない程厳しい先発事情となっています。戸郷選手は今季1軍起用されたのもののまだ体は細く、本来であればあと1年はしっかり体づくりをさせたいところですが、2軍を見てもその余裕はありません。今年中継ぎ起用された田口選手は先発復帰を希望しているため、来季は先発として想定しています。

 

 

 一応他の先発候補としては今村・高田・古川・池田・畠・藤岡選手となりますが、1軍実績が少なく未知数の部分が多くなっています。2位で獲得した太田選手もスカウトは1年目は中継ぎ起用を示唆しており、太田選手自身も今年は制球が乱れていたため即戦力として計算するのは難しくなっています。野上選手も練習中にアキレス腱を断裂し前半戦は絶望となっています。

 このため来季は即戦力先発を最低2名は獲得する必要があり、大卒・社会人投手を2名以上が補強ポイントとなっています。

 

【ファーム先発について】

 


読売 ドラフト1位 投手 堀田賢慎(青森山田)

 2・3軍先発については18・19年に高卒投手を数多く獲得したためある程度の余裕は出来ています。ただ1軍先発総動員となるためある程度実績がある選手は1軍に引き上げられるため、必然的に5イニング以上投げられる先発は少なくなります。

2軍:高田ー大江ー今村ー畠ー古川ー沼田ー横川ー藤岡ー池田ー岩隈

3軍   與那原ー橋本ー直江ー山上ー堀田ー井上

 

このことから上位指名を使ってでも高卒選手を取る必要性はなくなっています。育成で1~2名取るといったところです

 

【中継ぎ】

【一軍中継ぎについて】

中川選手の飛躍やトレードで獲得した鍵谷選手の活躍。そして途中加入ながら守護神として優勝に大きく貢献したデラロサ選手のおかげで焼け野原は脱した状況です。しかし後半にかけて研究され苦しんだことから、中川選手は来季については未知数といったところです。デラロサ選手も先発転向の可能性が出ており、中継ぎ陣の底上げは急務となっています。

左:戸根・中川・高木

右:澤村・鍵谷・宮国・新外人(デラロサ)・大竹・太田・鍬原・野上

 

このように一軍起用を見込む選手自体も限られており、先発補填のために澤村選手を再び先発再転向となればさらに厳しいものとなります。伸び悩む高田・大江選手を中継ぎにまわす案もありますが、それも皮算用であり、計算できる中継ぎの補強は必須です。大卒・社会人から最低2名、特に速球が売りのパワータイプを獲得したいところです。

 

【ファーム中継ぎについて】

  中継ぎについても即戦力となると上位指名を使わざるを得ません。このため下位で獲得する選手は先発として起用されているものの先発として微妙な成績であったり、伸びしろも評価ポイントでありながら中継ぎ起用ばかりで起用の幅が限られており、それも1軍として見るにはもう少し成長が必要な選手を候補とします。そのためファーム中継ぎはそのような選手を起用する場となります。

左:巽

右:谷岡・田中優・平井・高井・ラモス・堀岡・田原・田中豊・山川・ナティー

 

  こうみると左が薄いところですか、左を即戦力でとろうとすると上位指名を使わざるを得ません。上位は先発とセットアッパー候補に使いたいので、下位で獲得した選手の育ち具合をみて中継ぎにまわす形での補強が現実的です。

  24日に育成獲得が発表されたナティーノ選手についてはリリーフとして起用されていたため、日本でも中継ぎとして起用されるとみて右腕中継ぎに入れています。

 

【捕手】

 

 年齢バランスから高卒捕手が補強ポイントでしたが、編成陣もそこは把握していたようで、ドラフト5位で山瀬選手を獲得しました。

 今年については補強を行う必要があるかどうかを見るために、山瀬選手を含めた来年の年齢構成を見てみます。

   炭谷:33歳

   小林:31歳

   大城:27歳

高山(育):25歳

広畑(育):24歳

小山(育):24歳

   岸田:24歳

   山瀬:19歳

 

 こうみると炭谷選手と小林選手の衰えを頭に置いた編成を考えていく必要があります。ただ即戦力クラスを獲ってしまうとまだ現役の小林・炭谷・大城選手とピークのタイミングが被ってしまうため、獲るのであればすぐには1軍で起用できないが、打撃で高い評価を持つ打撃型捕手が候補となります。しかし現状では急ぎの補強ポジションではないでしょう。

 

  また育成の3捕手について、高山選手は今年から育成4年目であり、広畑・小山選手も来年は自由契約となる育成3年目となります。このためこの3捕手のなかで一人は戦力外となる可能性があり、そうなれば育成で捕手を1名補強する可能性も出てきます。

内野手

【1軍内野手について】

ファースト:新外国人・北村・中島

 セカンド:吉川尚・田中俊・山本

 ショート:坂本・増田大・山本

  サード:岡本・田中俊・北村・若林

 

 鈴木大地選手を獲得できず、ドラフトでも内野手で即戦力タイプを獲らなかったため大きな変動がない1軍内野手。パーラ選手に加えてもう一人助っ人外人を獲得する見込みのため、パーラ選手をライト、もう一人の外人をファースト要員として計算しています。一方で岡本選手はサード起用を見込んでおり、大城選手については捕手としての起用をメインにしていくと述べられているため、そのうえでの編成としています。

巨人の宮崎秋季キャンプを指揮する原監督は岡本について、14日に行うソフトバンクとの練習試合に出場しないことを明言した。2年連続で全143試合に出場したことを考慮。今季は一塁で69試合、三塁で56試合、左翼で17試合に先発出場したが、来季に関しては「基本的にはサードがいいと思っている。サードの守備も上手になったし、体も締まった」と方針を示した。
 三塁での出場が増えた夏場以降に打撃が上向き、8月は月間自己最多の9本塁打。原監督は「逆にサードをやらせてコンディションも凄く上がった。サードをやってくれることが元々は望みだった」と説明した。

原監督、4番・岡本は「基本的にはサードがいい」― スポニチ Sponichi Annex 野球

  坂本選手が腰痛の悪化と年齢による衰えが徐々に見え始めており、離脱を前提としコンバートも見据えた編成を考える必要があります。若手でショートとして計算できる選手自体が少なく、20年は大卒・社会人ショート候補は不作。増田陸・湯浅・黒田選手の来年の出来次第といったところはありますが、来年高卒ショートを1名は獲得したいところです。

 

【ファーム内野手について】

2軍内野陣

ファースト:比嘉・山下・加藤・北村

 セカンド:吉川大・湯浅・黒田

 ショート:湯浅・増田陸・山本

  サード:比嘉・北村・吉川大

 

3軍内野陣

ファースト:折下・加藤・菊田

 セカンド:平間・比嘉・エスタミー

 ショート:黒田・平間・比嘉

  サード:松井・菊田

 

 ファームのファーストについては他のポジションで人数の点から笠井・加藤・山下選手といった外野手でスタメンに置けない選手を起用していることが多いため、ファーストについてはあまり考慮する必要はありません。


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 今年獲得した平間選手はショートもしくはセカンドとして計算しており、菊田選手は外野手としても起用されていましたが、外野については立岡・松原・加藤・山下・村上選手に加え、育成でも笠井・荒井・モタ選手がおり、さらに今年のドラフト6位で伊藤選手・育成2位で加藤壮選手を獲得しました。このためファーム外野だけでも10人おり外野手だけでも起用から漏れてしまう選手がいるため、菊田選手は実戦機会を優先して内野手起用を想定しています。

 24日に育成獲得が発表されたエスタミー選手はセカンドとして起用されており、3軍もセカンド・ショート要員が不足していることからセカンド起用を想定しています。

 

 獲得候補については比嘉・折下選手が来年育成3年目となる勝負の年。さらに吉川大選手は今年は戦力外こそ免れたものの、首が寒いことには変わりありません。比較的不足しているのはショートが出来る選手のため、セカンド・ショートで起用できる高卒・高卒社会人内野手を1名といったところです。

 

【外野手】

【1軍外野手について】

 ライト:パーラ・亀井・陽・松原

センター:丸・重信

 レフト:石川・重信・山下

 

 パーラ選手はレギュラーが高齢化しているライトでの起用。レフトはゲレーロ選手が退団したため今年レフト起用されていた若手選手を入れています。松原選手は今年に関してはライトスタメンが多かったことから起用の見込みはライト。

     山下選手もライトで起用されることはありますが、現状の守備力を考慮すればレフトとなります。1軍を見る限りセンターは丸・重信・松原選手である程度固定できていますが、ライトは来年38歳の亀井選手に波が激しい陽選手。

 パーラ選手もまだ未知数である部分が多く、ライトで起用できるレギュラークラスの選手が求められます。6位で伊藤選手こそ獲得したものの、下位でスラッガータイプのロマン型であるため完成には非常に時間がかかるうえ、下位のロマン型はなかなか大成せず戦力として計算できないため、ライトができる大卒外野手が一人は欲しいところです。

【ファーム外野手について】

2軍外野手

 ライト:松原・加藤・山下・村上

センター:加藤・立岡・笠井

 レフト:山下・モタ

 

3軍外野手

 ライト:村上・伊藤

センター:加藤壮・笠井・卓丸・比嘉

 レフト:モタ・荒井

 

 外野手はあまり戦力外にされていないため去年からあまり選手層はかわっていません。6位の伊藤選手はライト起用されていたためプロ入り後もライト。加藤壮・楽天戦力外の卓丸選手はセンターで起用されているためセンターとしています。

 

 選手層としては若手で伊藤選手こそ獲得したものの候補自体が少なく、特にクリーンナップを担えるような目玉となる選手がおらず、上位指名で獲得した外野手自体が15年2位の重信選手ということから、打撃評価が頭一つ抜けたスラッガータイプ外野手は補強ポイントの一つとなっています。ただ高卒だと年齢層が被り20年は高卒外野手不作のため、大卒外野手を補強したいところです。

 

 

【まとめ】

 以上のことから支配下指名は6名と想定したうえで指名候補をあげていきます。即戦力先発が最低1名(理想は2名)。即戦力中継ぎ2名。スラッガー外野手1名。大卒で将来性評価を1名としています。

 

     1位:近大・佐藤 輝明選手   大卒左外野手 スラッガー兼外野のレギュラー

はずれ1位:トヨタ自動車・栗林 良吏選手 社会人右腕投手   即戦力先発

   2位:  東海大・山崎 伊織選手 大卒右投手   即戦力先発

   3位:JX-ENEOS・藤井 聖選手 社会人左腕投手 即戦力先発・中継ぎ

   4位:  法政大・高田 孝一選手  大卒右投手   リリーフ候補

   5位:三菱HPWS・伊藤優輔選手 社会人右腕投手 即戦力中継ぎ

   6位:早稲田大・柴田  迅選手 大卒右腕投手  リリーフ候補