<関西6大学野球:大院大4-2大経大>◇1回戦◇4日◇わかさスタジアム京都
大院大がわずかながら優勝の望みをつないだ。1-2の6回に押し出し四死球と暴投で3点をもらって逆転。エースの打田(うった)雷樹投手(3年=日本航空石川)が8回2失点と力投した。
打田は自己最速を更新する145キロをマークし、今季4勝目。3年春の段階ですでに203回1/3を投げており、成長途上だ。「5回に監督から気合を入れ直せと言われ、ギアをもう1つ入れました。今年はタイトルを狙っている。勝ちにこだわりたい」と意気込みを示した。
昨年は春5位、秋6位。だが今春は大商大には勝ち点を譲ったが、昨秋Vの京産大に連勝するなど盛り返している。5日に大商大が勝てば優勝は消滅するが、今年1月に就任した米沢秀典監督はあきらめていない。「うちはもう絶対、負けられない。残り全部勝ってこそ去年とは違うと思わせられる。大商大を倒そうと思って、今トーナメントという気持ちでやっている」と気合が入っていた。
【打田選手の紹介】
186センチ83センチ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・フォーク
ノーワインドアップから右腕を大きく振りかぶらず前のめりに勢いつけて投げ込むフォームから最速145キロ、常時130後半のストレートを投げ込む右腕投手。縦のスライダーとカーブのコンビネーションで空振りを奪いながら、制球のよいストレートでアウトコースぎりぎりを狙います。
チームでは1年生から起用され、先発として起用。3年春には10試合に起用され6勝を記録しベストナインにも選ばれています。すでに3年秋終了時点で250イニング以上を記録するフル回転の起用をされており、実績豊富な先発候補として期待されます。
【指名への課題】
決め球は上下の落差があるカーブとなっていますが、投球頻度が多いわりに真ん中にいくこともあり、もともと球速がある方でないため、球速の落差があるカーブでもタイミングを合わせられ痛打されています。
序盤はまだその頻度は少ないものの、スタミナが切れてくる6回以降はかなり苦しい投球となり、スタミナ切れで球速がさらに落ちることで変化球をぎりぎりまで見られボールカウントが増え、ストレートは球速はあまり落ちない代わりにコントロールが悪化するため、どうしてもボール先行になります。
また3年秋時点で250イニングとかなりの酷使をされており、OBの堀田選手も300イニング以上登板しており、関西学院大はエース投手をかなり酷使する傾向にあり、故障のリスクも懸念されます。
【指名順位予想】
即戦力先発・中継ぎとするには球速の物足りなさ、それを補える変化球の精度やタイミングや見え辛さがあるフォームがあるわけでもないため、大きな武器となるものが無いのが課題です。カーブ・スライダーもコントロールが精密ではないため、スタミナが切れると真ん中に集まり試合を組み立てられません。現在の球速のまま即戦力となるには、持ち球の精度・種類アップで投球の幅を上げるしかありません。
このため現状では指名漏れの可能性が高くなっています。