読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

おおきくフォームチェンジした大江選手。その狙いと課題は

 

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 巨人2軍首脳陣は、現役時代にタイトルを獲得した者が多い。彼らが、期待の若手選手を挙げ、飛躍のヒントや自身の現役時代の練習方法などを語る企画の第2回。03年に新人王に輝いた木佐貫洋2軍投手コーチ(39)は、4年目左腕の大江竜聖投手(21)を挙げた。(取材・構成=中間 卓也、河原崎 功治)

 新型コロナウイルスの影響で個別調整が続くG球場で、木佐貫コーチは投手陣の指導に当たっている。緊急事態宣言により外出自粛が続く今、どんなことをして過ごしているのか。

 「キャンプからのメモ帳につけてきた投手記録をパソコンに打ち直しています。今後、指導していく中で(選手に)いい提案ができるようにしています」

 亜大からドラフト自由獲得枠で巨人に入団した木佐貫コーチ。1年目の03年にリーグ最多タイの2完封を含む10勝(7敗)、防御率3・34の成績を残し新人王に輝いた。期待する選手には大江を挙げた。

 「直球が良い。スピードも球威もないと、打者も意識してくれない。いろいろ考えるより、腕を振って強い球を投げてほしいです」

 大江は昨季、オープン戦で打者29人を連続で抑える快投を続け、初めて開幕1軍に名を連ねた。しかし結果を残せず8試合の登板でシーズンを終えた。1軍帯同を続けるには一つのことを続ける「しつこさ」が必要だと説いた。

 「一昨年は高田とともにファームで1年間成績を残し、昨年は春季キャンプからアピールして出だしは良かった。ですがファームに落ちてきたときは『迷っている』『悩んでいる』という印象でした。(投げているフォームがコロコロ変わるので)技術に対するしつこさが必要です」

 現役は短い 将来的には直球で押せる投手になってもらいたいと考えている。

【巨人】木佐貫洋コーチの真っすぐな思い 大江竜聖に「無我夢中で突っ走れ」 : スポーツ報知

 


大江竜聖投手のピッチング vs 増田大輝 → I.モタ → 湯浅大選手

 

 

【大江選手がフォームチェンジを果たす】

 27日の楽天戦で大江選手が中継ぎとして登板。2/3イニングを無失点で抑えました 。

 ただし注目すべきはその登板内容ではなく他の投球フォームでした。これまでの大江選手のフォームはスリークォーター気味のクロスファイアを意識したフォームでしたが、27日のフォームは腕をおろし横手投げのフォームとなっていました。サイドスローというよりは背中から腕を出すような形となっており、森福選手のようなフォームを想像してもらえると分かりやすいと思います。
 横手投げながらストレートは常時140前半を記録。 左打者にとってはリリースポイントからボールが来るまでかなりの横の動きがあるためボールの軌道を読みにくく、特にスライダーとのコンビネーションに苦労するフォームとなっています。

 

【なぜフォームチェンジをしたのか】

 大江選手は今年で4年となる21歳。高卒でドラ6といえど、そろそろ結果が求められる年齢となります。しかし大江選手自身は1年目はファームで結果を残し、2年目に春のキャンプに呼ばれオープン戦で好投したものの、その後開幕戦になると打たれだしその後迷走していくようになりました。2軍・3軍を往来し、先発として起用されるもあまり結果を残せず、現在は中継ぎ起用に留まっています。

 

 しかし先発として起用されるにしても、2軍では今村ーディプランー畠ー太田ー横川ー與那原選手が投げており、結果があまり出せていない大江選手が起用されるには首脳陣の信頼を得なければなりません。一方で左の中継ぎは1軍こそ中川・高木・藤岡選手がいるものの、2軍は大江選手を除くと戸根・巽・橋本選手のみ。さらに戸根選手は故障中のため、起用の機会と1軍に入り込む余地が先発よりも高くなっています。

 その中で対左として使われるために左打者にとって打ちにくいフォームとすることで生き残りを図っています。

 

【現状での課題】

 まだフォーム変更後の登板機会は少ないものの、スライダーの変化が以前に比べ少なくなっており、また甘いコースにいきやすくなっていました。横手投げのフォームはスライダーの精度が命となるため、このスライダーをどれだけレベルアップできるかが課題となります。

 

 また中川選手をみてもわかるとおり、スライダーだけでは攻略され苦しくなる展開が見えています。山口選手はかつて同じようにスライダーを攻略されてしまったとき、新たにシュートを覚えさらに成績を残しました。まずはスライダーの精度を高め、スライダーの地盤を固めたうえで次の変化球に取り組んでいくことで左の中継ぎの一角になることができます。こ