◆高校野球石川県代替大会 ▽準決勝 日本航空石川６—５金沢商（８日・石川県立）
日本航空石川の１４８キロ右腕、嘉手苅（かてかる）浩太（３年）が、実力の片鱗を見せつけた。不安定な立ち上がりで、１回は２四死球、２安打で３失点したが、２〜５回は無安打に抑えて圧倒。スカウトのスピードガンで１４３キロを記録するなど、力強いストレートとスライダーを武器に、５回まで９三振を奪った。嘉手苅は「初回の後は修正し、腕を振ってコースを意識した。みんなが打ってくれることを信じていました」と振り返った。
昨秋の県大会で右肘を痛め、北信越大会は登板を回避。昨年末まではノースローを強いられたが、下半身の強化や、肩甲骨と股関節の柔軟性を徹底的に高めた。「身体が柔らかくなって、肩や肘に負担が少ない。以前よりも故障しなくなりました」と手応え。今大会は鵬学園との準々決勝（１日）に途中登板して、昨秋以来の公式戦出場を果たし、この日は先発のマウンドに立った。「１番をもらっているのに悔しかったが、投げられて嬉しいです」と明るい表情を浮かべた。
１９１センチ、１０６キロと恵まれた体格で、将来性も抜群だ。ネット裏ではヤクルト、ソフトバンク、阪神、西武、楽天、ＤｅＮＡ、広島、ロッテの８球団１０人のスカウトが視察。ヤクルトの阿部健太スカウトは「自分で苦しい状況にしたが、尻上がりに安定感が出てきた。スケールが大きく、今後が楽しみ。これからスピードも上がっていくと思う」と期待を込めれば、パリーグのあるスカウトは「身体のポテンシャルが高く、エンジンが大きい。春の練習試合解禁の時も見たが、冬の間に練習してきたのが分かった」と評価した。
決勝の相手は、昨秋の県大会、北信越大会の決勝で敗れた星稜だ。「今まで星稜を倒す目標で頑張ってきた。最後はみんなで笑って終わりたい」と嘉手苅。完全復活のエースが、ライバルとの大一番に挑む。（中田 康博）
【石川】日本航空石川の１４８キロ右腕、嘉手苅浩太にプロ８球団 ５回３失点も９奪三振「修正して腕が振れました」（2020年8月8日）｜BIGLOBEニュース
【嘉手苅選手の紹介】
【嘉手苅浩太】日本航空高校の怪物投手！189センチ 110キロ
１９０センチ１０５キロ
右投げ右打ち
変化球：スライダー・カーブ・フォーク
セットポジションからあまり右腕を大きく振り下ろさない柔らかい腕の振りから最速１４８キロ、常時１３０後半のストレートを投げ込む右腕投手。コントロールの良い変化球を武器に、左に対しては手元で急に落ちるフォーク。右に対してはスライダーとカーブで空振りを奪っています。
また打者としても４番サードで起用されるパワーを持ち合わせており、秋の練習試合では４本塁打を記録するだけでなく、外角の変化球を上手く拾いセンター返しにする柔らかさを持っています。
投打ともに注目の大型選手として候補に挙がっていたものの、夏には足の故障、２年秋にひじ痛を発症し野手のみの出場にとどまりました。しかしその間に肩甲骨と股関節の柔軟トレーニングに励みさらに球速を伸ばしました。
フィールディングや牽制能力も高く、大型ながら技術力が高い投手として上位候補に挙がっています。
【指名への課題】
ひじ痛の影響からかフォームはあまり肘に負担がかからない腕の振りをしていますが、それ故に大きな武器となる背丈の高さが活かせていません。身長があるゆえにリリースポイントが高く制球出来ている変化球に比べてストレートは高め長打コースに集まりやすく、また最速１４８キロではあるものの平均球速は１４０ぎりぎりといったところであるため、球速には物足りなさがあります。
ひじの故障の過去があるためあまり肘に負担がかかるようなフォームにすることは難しく、また今の時点でかなり体が大きいため、現状物足りない球速をどのように上げていくかのビジョンを想像しにくいのが、高卒の大きな評価点である伸びしろの課題となります。
打者としてもパワーでライナー性の強い当たりは打ててもバットに乗せて外野に飛ばせておらず、フォームに固さが残っています。このため打者として評価だと指名候補に上げるのは難しい状態です。
