読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

巨人が2020年ドラフト方針を発表。まさかの育成10名獲得による戦力外候補は?

 

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巨人は28日、川崎市ジャイアンツ球場で編成会議を開き、今秋のドラフト会議での指名候補などについて確認。都内で報道陣の取材に応じた大塚淳弘球団副代表編成担当(61)は、ドラフト1位に大卒・社会人出身の即戦力となる外野手が候補と明かした。

 「1位は野手の即戦力。うちは投手と外野手が足りない。外れたら(先発の)投手の即戦力で」

 ドラフトでは5、6人、育成選手は10人ほどの指名を想定。現在、支配下登録されている選手は69人と上限の70人まで1人に迫っている状況のため、同副代表は「10、11人を外すか育成にするしかない」とも説明した。

巨人、今秋のドラフト1位は即戦力の外野手が候補に - 野球 - SANSPO.COM(サンスポ)

 

 

【1位は即戦力野手候補】

 28日の編成会議でドラフトの方針を決定。1位は即戦力野手を指名し、外れ1位で即戦力投手を指名する方針を固めました。

 そこで即戦力野手で1位指名候補はだれかということになると、中央大・牧選手。近畿大・佐藤選手、上武大・古川選手に絞られます。正直佐藤選手は身体能力型で即戦力といわれると難しいところはありますが、1位候補なのは事実です。


【ドラフト2020候補】牧秀悟の打撃&守備&ホームラン!

 牧選手は長打が期待できる右打ちのセカンド。セカンドの固定は長年の課題であり、坂本選手がショートで限界が見えている今、内野手のレギュラー固定は急務です。牧選手がセカンドレギュラーになれば、吉川尚選手→ショート。北村選手→ファースト。坂本選手→レフトorファースト。そうなれば外野手に長打力のある右打ち野手が入ることになるため、長打がある外野手不足問題にも光が見えてきます。


【ドラフト2020候補】古川裕大の打撃&送球シーン

 捕手がある程度計算できる中で捕手の古川選手が指名候補になるのかといった懸念がありますが、古川選手は捕手だけでなくショート守備もこなしていたりとコンバートを見据えた獲得が可能であり、守備よりも打撃評価の高い選手。巨人としても外野コンバート前提の強肩強打の野手として獲得する可能性もあります。

 佐藤選手は糸井2世と称される身体能力が高い内野手。メインはサードですが外野手もこなしたりとコンバートが見込める選手。ただ打撃がまだ粗く1軍で即定着できるかどうかは微妙なところです。

 

支配下指名の方針について】

 支配下は5~6名。即戦力外野手・投手が中心とされています。先発は火の車であり菅野選手のメジャー挑戦の可能性もある以上、即戦力先発は最低でも2名は必要となっています。また中継ぎもトレードで獲得した高梨選手にフォークチェンジした大江選手が1軍戦力になっているものの、中継ぎ不足は否めません。

 

 勝ちパターン以前に中継ぎの頭数が足りていないため、即戦力だけでなく2軍で投げさせ育てていく課題持ちタイプを下位で獲得することも求められます。

 

【育成はまさかの10名指名】

 一番のサプライズは育成を10名程度獲得する見込みであるということ。投手の頭数が足りないため、支配下だけでなく育成でも補強していく方針です。

 

 今年のアマチュアチームとの練習試合で敗北が続き、特に大量失点が目立つ試合が多かったことや、ファームディレクターを現場経験のある井上3軍監督に配置転換し、現場の目を持った人間にファームの選手を評価させ戦力外にも関わらせるとされていたため、今年のファームメインの選手の戦力外数は多くなると予想していました。しかし10名程度獲得するということはそれに近い数を戦力外にするため、想定以上の戦力外数となりました。

 

【戦力外候補は?】

 支配下・育成含め戦力外は10~11名とされています。まずは支配下の戦力外候補について、簡単な理由とともにあげていきます。

支配下戦力外候補】

戦力外通告候補】

岩隈久志投手:2年間現在で1軍登板0。今年はファームの登板すらなし。今年で引退し水野コーチがスカウトに配置換えとなったことで空いた投手コーチの枠に。

巨人・岩隈久志投手(39)が今季限りで現役を引退することが19日、分かった。日米通算21年間で170勝を挙げ、19年に日本球界に復帰した右腕がユニホームを脱ぐ。

巨人・岩隈、今季限りで現役引退(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース

田原誠次投手:1軍昇格無し。去年の1軍ではワンポイントもこなせず去年の時点で候補だったが、ブルペンブラック暴露により首を切れなかった選手。しかし2軍でも打ち込まれており、今年の過密日程にもかかわらず昇格もないため、戦力構想から外れていると考えられます。

 

ディプラン投手リスク管理の為に急遽支配下にしたものの、ヤクルト戦で1回3失点で降格。いまいち計算しづらいサンチェス選手は2年契約で来年も残るため、より計算できる助っ人先発を獲得するために戦力外。

吉川大幾内野手:中日から戦力外で獲得した内野手。内野守備が上手く足が速いため代走兼守備固めで使われています。しかし打撃は通算1割台で絶望的。戦力外で獲得した選手のため使い勝手自体はいいように思えますが、打撃が全く期待できないため、大差で勝っている試合でしか使えません。

 本来は2~3年後に1軍で使いたい若手に1軍経験させるためのポジションであるため、今年のドラフトで俊足タイプの内野手を取る見込みがたつと戦力外となります。

山本 泰寛内野手:1軍ではひたすらファールするだけで打撃に進歩がなく、代走に起用できるほど足も速くない。さらに長打のある北村選手が出てきたことで2軍で若手の出場機会を奪っている状態。

G・パーラ外野手:巨人と1年1億6500万の契約をした左の中距離打者。121打数35安打で打率.289と中距離打者として結果を残せており、強肩でライトスタメンを勝ち取っていましたが、膝の故障が目立ち度々途中交代したり、現在は登録抹消になっています。故障が目立つためスタメンとして計算しにくく、現在の巨人はパーラ選手がいない場合の外野スタメンの頭数が少ないため、パーラ選手が計算できない場合の穴埋めは難しくなっています。減俸を飲まないなら自由契約候補となります。

立岡 宗一郎外野手:中堅となり阿部監督が嫌っている若手の出場機会を奪っている1軍戦力となっていない立場となっている。ファーム外野は飽和気味であり若手の出場機会のためにも外野手戦力外筆頭。

【育成再契約候補】

戸根千明投手:左腕中継ぎの一角だったが相次ぐ怪我で結果を残せず、今年もリハビリ組になっていました。その中で元々のパワーを活かし二刀流に挑戦。肘の状態は芳しくなく、野手練習に時間がかかるため育成に落としトレーニングメインとなります。

 

松井義弥内野手:元々時間がかかる大砲候補だったが、7月12日にリハビリ組におり、8月18日にマシン打撃をしているものの実践復帰は未だ無し。出身校もドラフト候補が多いところではないため、育成に落としトレーニングメインとする。

村上海斗外野手:17年7位の身体能力評価の外野手。打撃に課題持ちではあったが、1年目に故障。2年目も3軍メインと結果を残せていない。今年から両打ちに挑戦しており、もともと素材型であったためもう1年育成で様子を見る。

 

【育成戦力外候補】

高井俊投手:トルネードが自慢の投手。肘の故障で1年リハビリを要し去年春に復帰。元々の課題だったクイック時に普通のフォームになりただの140前半の球を投げるだけの投手になっていましたが、今はクイック時でも半分の捻りで投げるようになっています。ただ変化球の精度の課題は解決しておらず、肘の故障は原因不明で再発のリスクもあり、今年で育成4年目のため戦力外候補となっています。

橋本篤郎投手:15年育成ドラフトで入団した高卒左腕。コントロールとスライダーを評価されていたものの、19年の2軍成績は故障に苦しみ4試合に留まり、今年は登板無し。

 ラモス投手:19年にモタ選手とともに獲得された育成外国人。最速158キロが武器だが基本は140中盤のあまり制球がよくないストレートに縦のスライダーであり、支配下になるほどの結果を残せておらず、2軍でも今年は3試合に留まっています。

高山竜太朗捕手:16年育成6位で入団。九州トップの強肩捕手であるが打撃が課題でした。この課題は今になっても解決できておらず、強肩であるにもかかわらずスローイングの無駄がありあまり補殺できていません。さらに山瀬選手が2軍スタメンになることが多くなってきたため捕手も人員整理がある可能性が高く、その中で育成最年長の高山選手が候補となります。

 

折下光輝内野手:17年育成6位入団のパワー型内野手。セカンド・ファーストで起用されることが多いものの、3年目も3軍で打率1割台。高卒のためまだ待ってもらえるものと考えていましたが、山上選手が内野手に転向しすでに起用されているため、弾かれる形で戦力外となります。

笠井駿外野手:17年育成3位で入団した俊足の右打ち外野手。今年の紅白戦で安打を記録し注目されたものの、その後は3軍でもパっとしておらず、ファームは外野が飽和状態のためファーストにも回されています。外野手不足を明言していることから育成でも外野手を取る可能性が高く、人員整理も同時に行われるため候補となっています。