読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

多彩な変化球で絞らせない左腕 法政大 鈴木 昭汰選手 大卒左腕投手

 

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今春リーグ王者の法大はエース左腕・鈴木昭汰投手(4年、常総学院)が、早大の早川との投げ合いで8回2/3まで13奪三振の力投。内角を強気に攻める気迫の投球で8回まで0―0の投手戦を展開し「打者1人1人に対して勝負していく姿勢を見せようと思った」。
 しかし9回途中に2死二、三塁のピンチを作り、足がつった影響で一時ベンチへ。直後に内野安打を許して悔しい失点となった。

 「こういうゲームになることは分かっていたが、打ち取りきれなかった。(9回途中の治療退場は)足がつってしまった。粘られて打たれたのが悔しい。絶対投げきるつもりだったのに…でも結果がすべて」と肩を落とした。

 敗れはしたが世代を代表する投手戦に5000人の観衆の目は釘付けになった。高校時代から早川や高橋昂也(花咲徳栄、現広島)、大江竜聖(二松学舎大付、現巨人)とともに左腕の四天王として注目された実力派。プロ志望届も提出している。集大成の大学4年で初めて早川と投げ合い「早川は自分にないものを持っている」と悔やんだ。

 それでも、視察したロッテの永野吉成スカウト部長は「鈴木は早川にないものを持っている。確実に指名候補になってくる」と評価した。

法大のドラフト候補左腕・鈴木 早川との投げ合いで13K力投も敗戦「悔しい」― スポニチ Sponichi Annex 野球

 

 

 【鈴木選手の紹介】


【2020ドラフト上位指名候補】法政大 鈴木 昭汰選手 早稲田大戦13奪三振!

175センチ82キロ 左投げ左打ち

変化球:スライダー・カーブ・ツーシーム・チェンジアップ

 

  ワインドアップからスリークォーターよりも角度をつけ大きく振り下ろすダイナミックなフォームから最速152キロ、常時140中盤のストレートを投げ込む左腕投手。角度のあるスライダーに打者の手元で一気に落ちるチェンジアップ。さらに小さく変化するツーシームで引っ掛けさせ打ちとっていきます。

 鈴木選手の武器は140を超えるストレートですが、それをさらに強力なものにしたのが変化球。スライダーとチェンジアップは似た軌道で打者に来ますが、見逃せばボールになるスライダーと見逃すとストライクゾーンに入るチェンジアップの見極めが難しく、さらにストレートと思い手を出せばツーシームでゴロを打ってしまうという、とにかく見極めが難しい球種が多く狙い球が絞り込めないことがストレートを打ち崩せない理由となっています。

 

  高校時代から高卒豊作年といわれた16年ドラフトの中でも注目株でしたがプロ志望を出さず法政大に進学。しかし1年は3試合にとどまり2年生では登板無し。3年春も先発起用されるも4試合で先発し1勝2敗で防御率6点台といまいちな内容でした。しかし秋に中継ぎとして起用されるようになるとストレートの球威が増し防御率0点台を記録。

 勝負年となった4年では一年下の三浦選手に代わり先発1番手として台頭。早稲田・早川選手との投げ合いでは9回に1失点したものの、9回途中で1失点(自責点0)と好投しました。左腕ドラフト候補が故障で本調子でない中一気に上位候補に名乗り出ました。9月4日にプロ志望届を提出しています。

 

【指名への課題】

 鈴木選手のストレートは比較的高めにいきやすく、球速も140前半から後半とばらけています。それでも押せているのは上記の狙い球を絞らせない変化球の精度です。このため変化球の精度が下がると打者が手を出さなくなり、それがスタミナが切れてきたときです。球数が増えてくると変化球の変化が早くなり見切られてしまったり、反対に変化せず三振を取れない場面が多くなっています。

 

 ストレートの高さがより低めに集められるか、常時140中盤を投げられるようになれば変化球がばらけても押せるようになります。

 

【指名順位予想】

 実績の少なさと大きな欠点はないが群を抜いた何かをもっているわけではないので、1位指名の可能性は低いと考えられます。ただ今年は変化球が優れるタイプの先発左腕は競合確実の早川選手や天理大・森浦選手くらいのため、一定の需要はあります。どの球団も先発が不足しており、場合によっては即戦力中継ぎとしても起用できるため、外れ外れ1位もしくは2位が指名順位となります。