巨人は2日、以下の選手に来季の契約を結ばないことを通達したと発表した。
(支配下登録選手)
藤岡貴裕投手
田原誠次投手
村上海斗外野手
加藤脩平外野手
(育成選手)
高山竜太朗捕手
高井俊投手
笠井駿外野手
ラモス投手
巽大介投手
橋本篤郎投手
山上信吾内野手
荒井颯太外野手
比嘉賢伸内野手
折下光輝内野手
【ついに一次戦力外が発表】
2日に育成含む14選手に戦力外通告がされました。巨人は日本シリーズを控えているため、日本シリーズで戦力として見込めない支配下選手と1軍では起用できない育成選手がこの一次戦力外にて発表されます。日本シリーズ出場チームはシリーズ終了後まで戦力外通告期間が延長されるため、日本シリーズで起用する可能性がある支配下選手をこの二次戦力外で発表します。
巨人が昨年のドラフト1位・堀田賢慎投手(19)と17年ドラフト1位・鍬原拓也投手(24)と来季、育成選手契約を結ぶ方針であることが2日、分かった。両投手とも今季、右肘を手術して現在はリハビリ中。ドラ1コンビが育成選手になるのは異例だが、球団はパワーアップした姿で復活することを期待している。
堀田は青森山田高から入団1年目。1月の新人合同自主トレ中に右肘の炎症で離脱し、4月にじん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けた。8月にはキャッチボールを再開。「トレーナーさんとも話して、春のキャンプでしっかり投げられるようになっていたらいいな」とビジョンを描き、走り込みによる下半身強化など、できる練習に前向きに取り組んでいる。
鍬原は昨年までの入団2年間で1勝に終わり、昨秋キャンプから中3以来のサイドスローに挑戦。オフには菅野のハワイ自主トレに同行した。背番号が「29」から「46」に変わった今季は1軍で5試合にリリーフで登板して1勝0敗、防御率6・43。8月の2軍戦で右肘を痛め、右肘の肘頭(ちゅうとう)骨折と診断されて手術を受けていた。
プロ野球はこの日、戦力外通告期間が始まった。巨人は田原、藤岡、加藤脩、村上の支配下4選手と育成10選手の計14人に戦力外を通告したと発表した。大塚球団副代表が「血の入れ替えが必要」と話していた改革が本格的にスタートした。堀田と鍬原は14人に含まれていないが、制度上、一度自由契約となってから育成契約を結び直すことになりそうだ。
さらに堀田・鍬原の両投手が育成再契約となります。2名とも手術済で回復にまだまだ時間がかかることから支配下枠を優先しての結果となりました。ドラ1を1年で育成再契約とするのは異例の事態ですが、堀田選手の場合1月の新人練習で肘の炎症からそのままTJという、スカウトを更迭させるまでのことをやらかしているためこのような措置も本人は受け入れたものと思われます。
【なぜ戦力外となったのか】
【支配下選手】
【①:田原誠次投手】
サイドスロー田原誠次のピッチングフォーム【イースタン巨人VSヤクルト ジャイアンツ球場2019 9 12】
最近だと高橋監督時代に巨人のブルペン事情の環境の悪さを契約更改時に暴露し、ブルペンの改善を訴えたことで話題となりました。この訴えのせいで干されて首になったなんて声もありますが、原因は年齢と衰えです。
年齢は今年で31歳と選手としてのピークを越え、勤続疲労も出て2軍成績は35試合で防御率7.06とかなり悪化しており、今シーズンは1軍登板0となっています。もともと球速が落ち込み変化球のキレも落ちていたため、得意の右打者も抑えられなくなっていました。
本人は現役続行を希望していますが、右打者を抑えられないサイドスローとなると獲得は厳しくなっています。
【②:藤岡貴裕投手】
19年に日ハムからトレードされた左腕投手。今年は新たに覚えたカーブで先発候補として期待されたものの、2軍暮らしが続いていました。ただリリーフでは12試合に登板し防御率3.12とまずまずの成績。決して中継ぎ事情が盤石でない今切る余裕があるのか、というラインの選手です。
ただ球威が無くカーブの精度もいまいち。球威が無いタイプながら変化球の精度は普通で騙しだましやっていたという内容です。大きな伸びしろも期待できず、セカンドライフを考慮しての戦力外となります。
【⓷:村上海斗外野手】
巨人二軍村上海斗選手の練習映像。2020年スイッチヒッターに変更。読売ジャイアンツ球場 japan baseball 读卖巨人军 일본 야구 yomiuri giants
17年7位で入団した身体能力型外野手。大田選手にも匹敵するアスリートタイプでしたが、丈夫さを売りにしていたにもかかわらず1年目に故障で長期離脱。
さらに身体能力型とはいえ3軍出場がメインであり、3軍ですら打率.178と大卒3年目とは思えない数字で首脳陣に見切られています。ライトからの強肩を披露し、片岡コーチからも盗塁王をとれる素材と評価されていましたが、指名当時からの課題だった打撃を改善することはできませんでした。
今年から右打ちから両打にに変更するという策で道を切り開こうとしていましたが、もともとの右打ちで打てていなかった選手としてはリスキーすぎる選択でした。
【④:加藤脩平外野手】
加藤脩平の見事な盗塁シーン【読売ジャイアンツ3軍 vs. 武蔵ヒートベアーズ2019.9.3】
16年育成2位で入団しその後支配下昇格を果たした高卒左外野手。亀井選手の年齢も見据え次代の外野手として期待されたものの、不調の波が激しく1軍起用には結びつきませんでした。
さらに新外国人のパーラ選手がひざの故障で離脱が続き、そのタイミングで不調に陥っていた加藤選手の代わりに1軍起用されたのが同期入団の育成5位・松原選手。加藤選手と同じ左打ちの外野手でポジションも同じライト。俊足巧打型で79試合で打率.265に3HRと定着したことで同タイプの加藤選手を起用するタイミングがなくなってしまいました。
加えて楽天から戦力外で育成契約した八百板選手が2軍で打率.313で8本塁打と支配下に向けて結果を残しています。今の外野手事情で加藤選手を切る余裕があるのかは疑問ですが、球団方針として今後も起用が微妙な若い選手を飼い殺しにせずに早めにセカンドライフを模索させるための戦力外となります。
【育成選手】
【①:高井俊投手】
2019/05/29 巨人 高井俊 トルネード投法復活5回表無失点の投球!
16年育成1位で入団したトルネードが売りの右腕投手。その独特のフォームから話題となりましたが、2年目の春季キャンプ中に右ひじの故障。そこから1年間リハビリを続け、一時期は負担の大きいトルネードをやめていましたが、杉内コーチの助言でトルネードを復活。しかし故障の原因はわかっておらず、変化球の精度が課題であったことから今年がラストシーズンと予想していました。
残念ながら想定通り投手を多く補強したことで課題の改善が見込めず故障持ちの高い選手は戦力外となりました。
【②:巽大介投手】
【150キロ左腕】巽大介投手(読売ジャイアンツ)ブルペン投球!
15年6位で入団した高卒左腕。最速146キロのストレートを武器に入団後も順調に球速を伸ばし、パワータイプ左腕として期待されました。
しかし故障による離脱があまりにも多く、18年に育成再契約。ですがその翌年にも左膝前十字靱帯を損傷。リハびりに半年を要しています。今年も2軍登板は2試合のみ。あまりに故障が多いため選手として計算できず、首脳陣も見込みなしとして戦力外としました。
【⓷:橋本篤郎投手】
1点差抑えは橋本篤郎〜スライダーキレキレもゲッツー崩れの間に同点へ【読売ジャイアンツ3軍 vs. 武蔵ヒートベアーズ2019.9.3】
16年育成6位で入団した高卒左腕。主に3軍先発で起用されていたものの、4年目はついに2軍デビュー。しかし肩やひじの故障に苦しみ4試合に留まりました。中継ぎとして3~40試合の登板を目標としていましたが、今年は3軍での1試合のみ。大きな伸びも期待できず戦力外となりました。支配下されていない組で最後の15年育成組でした。
【④:ラモス投手】
【巨人】最速158キロ ドミニカ出身の育成 レイミン・ラモス 規格外のパワーピッチング フェニックスリーグ 巨人ー阪神 2019年10月28日
モタ選手とともにドミニカトライアウトで入団した育成投手。最速158キロが売りでしたが、140後半が多く決め球もないためなかなか仕留めきれない展開から四球が多くなっていました。
それでも今年は2軍で9試合で防御率0.84と好結果を残していましたが、3軍のアマチュアチームとの大敗に一枚絡んでいる選手。中央大や上武大相手に失点しており、外国人枠を使う選手でもあるため戦力外となりました。
【⑤:高山竜太朗捕手】
読売ジャイアンツ・田原誠次投手の投球練習と高山竜太朗捕手のスローイング
16年育成6位で入団。九州トップクラスの強肩捕手として期待され入団しました。ただし入団当時から課題だった打撃は全く改善せず、20年も2軍で6試合のみの起用で打率.143でした。このためか今年は早くから捕手を2~3名獲得すると公表されており、結果育成も含めて4名獲得。結果育成捕手だけで高山・小山・広畑・喜多・前田・坂本選手と6名となったことで戦力外となりました。
【⑥:比嘉賢伸内野手】
17年育成1位で入団した通算37本塁打の強打の左内野手。しかし1年目は故障でいきなりリハビリ組となり、1年目は2軍の出場は1試合のみ。さらに2年目も12試合に登板するも2安打のみで打率.154という結果となりました。
今年は勝負となる3年目でしたが、最後の出場は3軍での7月のスバルとの練習試合のみに留まりました。松葉づえをつくほどの大怪我をしており、復帰も未定。復帰できるかどうか分からない以上戦力外となっています。
【⑦:山上信吾内野手】
【150キロ右腕】山上信吾投手(読売ジャイアンツ)ブルペン投球!
育成2位で入団したオーバースローが魅力の大型投手。しかし1年目に肘の故障でリハビリが続き、一時フォーム改造で五十嵐選手のようなフォームを参考にしていましたが制球を取り戻せず、2年生まで内野手だったことから今年内野手に転向していました。
転向後は主にサードで起用されていましたが、代走での出場がメインでスタメン起用されることは少なく、転向1年目で高卒のためあと1年は猶予を与えられると思いましたがまさかの半年で戦力外。
【⑧:折下光輝内野手】
高卒2年目 折下光輝(新野高)右中間真っ二つのタイムリーツーベース【読売ジャイアンツ三軍vs.BCリーグ選抜2019.9.20】
通算35本塁打の打てる内野手として期待された右打ち野手。3軍では主にセカンド・サード・ファーストで起用されていました。特に大きな怪我があったわけではありませんが、単純に打てませんでした。勝負の3年目も3軍で0本塁打の打率.154は擁護のしようがありません。
打てる野手として期待したのに本塁打無し、打率も1割台で戦力外となります。
【⑨:笠井駿外野手】
ジャイアンツ笠井駿の機動破壊!ファールフライでタッチアップでエラー誘う【読売ジャイアンツ三軍vs.BCリーグ選抜2019.9.20】
紅白戦で猛打賞を記録し話題に挙がった右打ち外野手。主にセンターを守っていましたが、今年は八百板選手が2軍で活躍したため3軍メイン。しかし3軍でも戦力外になった村上選手や加藤脩選手に押され出場は5試合のみ。打率も.056と1割以下となり、打てなかったため戦力外となりました。
【⑩:荒井颯太外野手】
荒井颯太が見事に五十嵐亮太からヒット!そして雄平が山本の打球を大ファインプレー〜イースタン ヤクルトスワローズ対 読売ジャイアンツ2020 7 28 7回表
18年育成8位で入団した大型外野手。入団テスト合格組でえ技術面はかなり未熟でしたが、それでも素材を期待しての入団となりました。
しかし3年目で3軍成績14試合で打率.174と戦力外にされた他の野手と同様の成績となっており、アマチュアチームに大敗したことから選手の大きな入替を示唆されており育成で12名指名しました。2軍での起用を見込めない選手をばっさりと切っており、荒井選手もその一人でした。
【今後の戦力外候補選手について】
現在岩隈選手が引退、田中選手がトレードで支配下枠は68名。さらに4名戦力外で2名育成再契約のため62名となります。ここにドラフトの7名が追加で69名となりますが、来年のシーズン開始時点で62~63名にすると明言しているため、後7名は支配下から外す必要があります。
では残りの戦力外候補についてです。
投手:ディプラン・野上・戸根
内野手:吉川大・山本
外野手:立岡・石川・山下・パーラ
投手については戸根選手はまだまだ野手として時間がかかるスイングをしており、二刀流といっていますが投球練習をしていないためほぼ野手転向とみていいでしょう。このため来年は育成として野手練習に時間をかける選択となります。
ディプラン選手は外国人枠を使う選手としては全く計算できず、現在1軍登録はされているものの、使えるかどうか最後の見極めのための昇格であり、ここでよほどの結果を残せなければ戦力外となります。
野上選手は去年のフェニックスリーグでアキレス腱を断裂。夏に復帰して先発で起用されているものの防御率は4点台後半。1軍登板もなく中継ぎで起用するにも決め球・球速に欠けるため、そちらでも未知数となっています。今年がFA3年目の勝負の年でしたが結果を残せておらず、年齢面からもここから大きな上昇は見込めません。トレードの駒やFAの人的補償対策として残すことも考えましたが、来年で34歳になる防御率5点台付近の140前半出すのが精いっぱいの投手を欲しがる球団があるだろうか、と考え戦力外候補としました。
内野手は育成で比嘉・山上・折下選手の3名を戦力外にしましたが、一方で獲得は中山・秋広・岡本・加藤選手の4名で岡本選手はまだ入団するか不透明。
ファースト:秋広・菊田・松井・北村
セカンド:平間・湯浅・増田陸・北村
ショート:黒田・中山・湯浅・加藤
サード:香月・岡本・菊田・松井・増田陸
岡本選手まで含めて12名、二軍と三軍の内野スタメンのために最低6名必要。さらに黒田選手は眼底骨折のため視力低下の可能性があり以前のように打てるかが不透明。しかし2・3軍で起用するには十分な人員がおり、むしろ吉川大・山本選手は若手選手の出場機会を奪っています。吉川大選手は1軍で代走兼守備固めとして起用されていますが、今年はそのどちらでもミスが目立っています。
そこに湯浅選手が入り込んでおり、吉川大選手よりも若く2軍で22盗塁を記録していることを踏まえれば、湯浅選手を起用したほうが将来性に期待できます。ショートだけでなくサードでも好守備を披露していたため、なおさら吉川選手のポジションを奪っています。
山本選手は戦力を試している日本シリーズ決定後も1軍に呼ばれておらず、ファームでの打撃は相変わらずの右打ちでストレートに少し差し込まれているような打撃でした。
松井選手は今年復帰できないなら育成再契約と想定していましたが2軍復帰し結果を残しているため候補から外しました。
外野手は保科選手しか補強しておらず、一方ですでに加藤・村上・笠井・荒井選手を戦力外にしています。
ライト:伊藤・重信・保科
センター:八百板・重信・保科・加藤壮
レフト:モタ・山下
外野手については候補に挙げたすべての選手を切ると外野手が回らなくなるため、切るとしたら2~3名と予想しています。
山下選手は今年故障が多く2軍は4試合のみ。治ったと思ったらまたすぐに故障と期待に沿えませんでした。このため故障しにくい体づくりをさせるために育成再契約とするための自由契約です。
石川選手は今年代打枠で起用されていましたが得意の左投手も打てなくなっており、打率は.238台となっています。守備もレフトでスタメンで使いにくく、ファースト・ライトで起用出来て長打の多い陽選手のほうが使い勝手がよいため、1軍での起用のポジションが限られています。
立岡選手は来年31歳。守備固め要員で現在1軍起用されています。今年全く1軍起用されないなら確定で戦力外でしたが、現在起用されて打率.261で1HRのため微妙なラインとなっています。重信選手が結果を残せていれば切られたでしょうが打撃の課題は改善できておらず、切られるとしたら立岡・石川選手のどちらかと考えています。