都市対抗野球大会第10日は1日、東京ドームで準々決勝の残り2試合を行い、熊本県勢のホンダ熊本(大津町)は日本新薬(京都市)に1-2でサヨナラ負けを喫し、2003年以来となる4強入りを逃した。
ホンダ熊本は先発の中津友志、2番手の林健太が好投し、五回まで0-0と接戦を展開。六回に1点を奪われたものの、八回に2死三塁から3番稲垣翔太の右前適時打で同点に追い付いた。
投手陣は5人の継投で踏ん張ったが、1-1で迎えた九回裏、2死二塁から右中間へ適時打を許し、決勝点を奪われた。
【中津選手の紹介】
180センチ82キロ 右投げ右打ち
変化球:スライダー・カーブ・パーム・カットボール・フォーク
経歴:三重ー国士館大ーHONDA熊本
解禁年:2021年
セットポジションから全体的にあまりタメを作らず力みを感じさせないフォームから最速145キロ、常時140前半のストレートを投げ込む右腕投手。130前半のスライダーに130中盤のカットボール、フォークなどを組み合わせ相手を打ちとっていきます。
変化球の特徴は大きな変化があるタイプではないもののストレートとの球速差が小さく、カットやフォークといったストレートを見せ球にする球が多いためストレートを狙わせて変化球で空振りを奪い、スライダーやカーブといった弧を描く変化球で狙いをはずさせカウントを稼いでいきます。
チームでは主に中継ぎで起用。都市対抗の日本新薬戦では先発起用されたもののオープナー起用で2イニング起用に留まりました。打たせてとる先発型として今後の飛躍が期待されます。
【指名への課題】
フォーム自体に打ちづらくする要素はなく、投球に緩急がないためタイミングを合わせやいため、長打はないもののある程度崩されても内野を超えるヒットを打たれています。球威があまりないのも打ち返しやすい原因の一つとなっています。
変化球に大きな特徴がないためドラフト候補として名乗りでるには大きな武器が必要です。スライダーやカーブだとストレートに合わせているため打者は踏み込み時に若干タイミングをずらされているため、パワーカーブのようなさらに球速を落として緩急をつける球があるとよりタイミングをずらせ打ちとりやすくなります。
ストレートは140前半であるもののコントロールがありコースに投げられているため、あとは140中盤を安定して出せるようになり、スライダーの変化量がもっと増えれば先発として計算できるようになります。ただクイックだとスライダーが抜けやすくなるため、クイック時の精度向上も課題となります。
【指名順位予想】
現状の評価だと指名漏れの可能性が高くなっています。中継ぎとしては大きな特徴がないため、起用するなら先発ですが上記課題を改善できないことには指名候補にもなりえません。
指名の最低ラインは140中盤の球速アップとパワーカーブの習得。これでも即戦力ではないため指名されるかどうかは難しいラインです。ここにスライダーのレベルアップまで果たせてようやくスカウトが注目株の一つとして挙げるレベルとなります。
大卒右腕社会人になると即戦力で変則タイプかこれといった変化球がないかぎり最速が150キロを超えないと指名は厳しいため、今の球速で実績が少ない選手は指名候補になりません。すべての課題を解決できてさらに先発実績まで残せた場合、3~4位が指名候補となります。ただ先発が駄目でも中継ぎなら・・・というタイプではないため、ここから指名候補になるのはかなり厳しいとみるしかありません。