<高校野球鹿児島大会:神村学園17-1吹上(5回コールド)>◇4日◇1回戦◇平和リース球場
神村学園のプロ注目で最速148キロ左腕・泰勝利(たい・かつとし)投手(3年)が、3回無安打無失点で勝利に貢献した。
この日は打者11人に対し、最速146キロだった直球だけで勝負。スライダー、カットボール、チェンジアップは封印したが、まったく危なげなく「今日は全部直球で攻めた」と言い、父が名付けてくれた「勝利」の名のごとく強気の投球で圧倒した。6月上旬の練習で最速を更新し、順調な成長を見せている
【泰選手の紹介】
173センチ82キロ 左投げ左打ち
変化球:スライダー・カット・チェンジアップ
セットから上半身を反らしながら軸足の重心を落とし、そこから上半身を突っ込ませ勢いをつけながら投げ込むフォームから最速150キロ、常時140中盤のストレートを投げ込む左腕投手。最速150キロ、140後半を記録することも珍しくない非常に球速のあるストレートを中心に、ブレーキの利いたスライダーを駆使して打ち取っていきます。
チームでは主に先発で起用。中学時代は野球部がなく練習相手が両親のみという経歴を持ち、家族が神村学園に在籍した縁で入学。入学当時は110キロが限界だった球速も、監督から評価される可動域の広さと柔軟性を活かすために筋力トレーニングとフォームの連動性の向上に励み、最速150キロを出せるまでに成長しました。
【指名への課題】
制球が安定しておらずいい球と悪い球の差が激しすぎるため、ストレートの四球も珍しくありません。上体を突っ込ませ勢いをつけて投げ込むフォームのため、どこでリリースするかで球がどこに飛ぶのかが決まりますが、それが安定していません。
このため投げた瞬間にボールとわかるものも多く、これがストレートだけでなく変化球でも見受けられます。どの球も形なれば強力な武器になりますが、現状では安定して計算できる球がないため、突然ストレートの四球を出すことになります。
また右打者に対しては抜けると死球になるリスクが高いためしっかり投げ込めずアウトコースに抜ける球も多くなっています。しっかり決まれば右打者は外野に飛ばすことがかなわない角度あるストレートとスライダーですが、死球のリスクが少ない左打者に比べるとボール先行になっています。
【指名順位予想】
安定して計算できる球が一つあれば上位候補となりますが、先発・中継ぎどちらで見込むにしてもどの球も不安定のため不安要素は残ります。
しかしまだ粗さもあり、高校の3年間で110キロから150キロまで伸ばした伸びしろや成長度合いから、今度も伸びしろは高いと評価し指名順位は3~4位となります。