<全国高校野球選手権:近江7-6神戸国際大付>◇25日◇準々決勝
今秋ドラフト候補で最速148キロ右腕・阪上翔也外野手(3年)擁する神戸国際大付(兵庫)は、近江(滋賀)との「近畿勢対決」にサヨナラ負け。夏の甲子園初の4強入りを逃した。
阪上は「3番投手」で先発も2回を2安打2失点で降板し、3回からは右翼の守備に入った。打っても4打数無安打に終わり、試合後は「自分が先発して抑えきることができなかった。調子は良かったけど2回にボールが抜けてしまって、修正できなかった」と悔しさをにじませた。
それでも、北海(南北海道)との初戦では5回1失点の好投。続く2回戦の高川学園(山口)戦では3失点完投勝ちするなど、投打二刀流の活躍で同校初となる全国8強入りに貢献。「今大会は思い切ってやろうと思って、自分らしさは出せた」と胸を張った。
今後の進路については「たぶん大学です」と明かしたが、「将来はプロ野球選手になりたい」と夢を語った。
【阪上選手の紹介】
180センチ77キロ 右投げ左打ち
変化球:スライダー・カーブ・スプリット・カットボール
ポジション:センター・ライト
早くから注目されている、通算31号を記録する左のスラッガー。鋭いスイングで本塁打を量産するだけでなく、アウトコースへのストレートにもコンパクトなスイングでセンター返しするミート技術も持ち合わせています。
また投手としてもワインドアップから大きな腕の振りで最速148キロ、常時140中盤のストレートを投げ込む右腕投手。フォークのように鋭く落ちる縦のスライダーに130後半のカットボール、変化の大きいスプリットで打ちとっていきます。
当初はどのスカウトも打者としての評価が高く、阪上選手自身も野手としてのプロ入りを目指していました。そのなかで3年春には北海戦で2回途中に突然球速が大きく落ち込み、肘の違和感を訴え降板。打者としても4打数1安打と不本意な結果に終わりました。
しかし夏の地方大会で復帰登板を果たすと、武庫之荘総合戦で6回無失点と好投。投手としての成長をスカウトにアピールし、投打ともに注目される選手となりました。野手としても打撃フォームを改造しすり足にしたことでタイミングを取りやすくなったと語っており、打撃面でも調子をあげています。
現在は大学進学を示唆しており、大学で投打どちらに専念するかが注目されます。
【指名へ課題】
投手としては手投げのため粗さが目立ち、どの変化球もキレはあるもののコントロールが悪く、抜け球も目立ち、フォームの見直しも行う必要もあるため、投手としてはまだまだ時間がかかります。
また野手としては引っ張りの意識が非常に強く、アウトコースに集まりやすいため引っ張りやすい右投手に対し、インコースに投げ込める左投手からは空振りが目立ち、特に緩い変化球を無理に引っ張りカウントを悪くしています。カーブを引っ張り本塁打にできたことでインコースをパワーで引っ張ることに固執してしまい、結果手を出せないたまにまで手を伸ばし、体勢を崩してまで手を出してしまう打席も見られました。
【指名順位予想】
投手・野手両面でも見ても粗さが目立ちますが、当初ならば変化球のキレ。野手ならばスイングの柔らかさとスピードが評価できるため、粗さを加味しても伸びしろが評価できます。ただ投手のほうが粗さが目立ち、今年は高卒投手の豊作年であるため、投手としては育成1~2位が指名順位、野手ならば春先の不振を払拭しきれていないため、4~5位が指名順位となります。