読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2021年読売ジャイアンツ支配下指名を振り返る。1位に不安が残る投手徹底補強

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◆2021年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(11日)

 巨人・原辰徳監督(63)が11日、ドラフト会議を総括。1位の関西国際大・翁田体勢投手(22)ら支配下で7選手を指名し、「もう90点以上ですね。上位指名はもちろんなんですけども、4位、5位、6位、7位とこの辺も非常に魅力ある選手、逆に言うならば、よくぞこういうすばらしい選手たちが残ってくれていたなという風に考えております」と振り返った。

 7選手の内訳は投手6人、外野手1人となったが「非常に優れた投手が多かったというところ。もちろんバランス的に言えばもう少し野手もという所はあるんですけども、ジャイアンツ全体のバランスも含めて、今年は投手(を多め)という形がベストであろう、と我々の中で考えました」と説明。補強ポイントである投手陣の層を厚くした。

 最速157キロを誇る翁田、左の本格派で三振を量産できる山田、球のキレと制球力に秀でる赤星と、上位では即戦力の期待がかかるタイプの異なった3投手を指名。「先発ローテを目指してほしい。ジャイアンツの中に入っても十分戦える3人と考えております」と期待した。

 また6位・代木、7位・花田は、ともに打撃にも定評があるが「まずは投手でしっかりといってもらいたいと。当然、無限の可能性を持っていると思うので、その辺はしっかりとコミュニケーション持ちながらやる。走攻守、野球選手としての能力、センスが非常に高い選手を指名出来たことはありがたい」と、まずは投手として育成する方針を示した。

【ドラフト】巨人・原辰徳監督が支配下ドラフトを総括 的確な補強に「90点以上」と満足 : スポーツ報知

 

支配下では投手6、外野手1の合計7名を獲得】

 投手中心の指名となった21年のドラフト。巨人が競合をはずすのはもう見慣れてしまいましたが、そこからなんとかリカバリーできたなというのが印象です。それでは各指名選手について触れていきます。

 

【1位指名】関西国際大・翁田 大勢選手 大卒右腕投手

◆2021年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(11日)

 巨人は1位で西日本工大の左腕・隅田知一郎投手を指名。西武、広島、ヤクルトとの4球団競合で抽選となった。

 今村社長がくじ引き役を務めるも、最初にくじを引いた西武が交渉権確定。巨人はドラフト1位の抽選11連敗となった。

 外れ1位で関西国際大の翁田大勢投手を指名。西脇工出身の右腕で181センチ、88キロ。担当の岸敬祐スカウトは「最速152キロの力あるストレートが魅力のサイドスロー右腕。身体に馬力があり落ち球のフォーク(2種類)とチェンジアップが武器。ロッテの益田投手タイプで先発の即戦力としてローテーションに入れる素材である」とコメントした。

【ドラフト】巨人外れ1位は関西国際大・翁田大勢「ロッテ益田投手タイプ。先発の即戦力」 : スポーツ報知

 


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 西日本工大の左腕・隅田知一郎投手を狙うもはずれ、外れ1位で翁田選手を獲得。直前の記事で上位指名候補の一人に挙がっており、最速152キロ(記事によっては最速157キロ)のサイドスロー右腕となっています。

 本人も球速が自慢と言っており、150前後を常時投げることが出来ます。一方で制球にはまだ課題があり、この荒れ球をどれだけ改善できるかが戦略になるかどうかのカギとなります。できなければ平内選手の二の舞となります。

 またオフシーズンにシンカー・チェンジの習得にも取り組んでおり、球種を増やすことにも取り組んでいます。巨人は先発として期待していますが、どちらかといえばパワータイプ中継ぎとして見てみたい選手です。

 

 

【2位指名】JR東日本・山田 龍聖選手 社会人左腕投手

◆2021年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(11日)

 巨人は2位でJR東日本の左腕・山田龍聖投手を指名した。

 左投げ左打ち、183センチ82キロ。高岡商出身。担当の織田淳哉スカウトは「球速150キロを超える力強いストレートが魅力の左腕。制球力が安定し、三振を奪える投球は即戦力として期待」とコメントした。

【ドラフト】巨人2位はJR東日本・山田龍聖 担当の織田スカウト「三振を奪える投球は即戦力」 : スポーツ報知

 


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 2位指名は高卒社会人のJR東日本の左腕・山田龍聖選手。高校時代から上位候補とされていた選手であり、社会人になり平均球速も上がり上位候補の一人となっていました。

 1位で右腕投手を獲得したため2位は左腕投手。巨人は3位指名のためこの順位まで山田選手が残っているのは予想していませんでした。ただ社会人として頭角を現してきたのは今年になってからであり、直前の試合で炎上してしまったのが印象に悪くなり順位がおちた可能性があります。

 即戦力と評価されていますが、スライダーが120前半であるため先発として見るならあと5キロアップは欲しいところです。

 

【3位指名】日大・赤星 優志選手 大卒右腕投手

◆2021年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(11日)

 巨人は3位で日大の赤星優志投手を指名した。

 右投げ右打ち、175センチ78キロ。日大鶴ヶ丘高出身。担当の脇谷亮太スカウトは「球のキレと制球力で勝負する先発タイプ。力感のないフォームからストレート、変化球にキレがあり凡打の山を築く。フォームはオーソドックスだが、腕の振りが良くてしなりがある。変化球も多彩で、右打者の内角へのキレ味鋭いシュートはプロでも十分通用する。高校から本格的に投手を始めまだまだ伸びしろもある」とコメントした。

【ドラフト】巨人3位は日大・赤星優志 脇谷スカウト「まだまだ伸びしろある」 : スポーツ報知


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 3位指名は大卒右腕。制球力で安定した成績を残す上位候補でした。シュート系のツーシームとコースを狙うストレートで見逃しを奪うタイプであり、アマチュアトップのコントロールと評価されています。

 巨人にとって喉から手が出るほど欲しい先発投手候補であり、高校から投手転向したこともあり、まだ伸びしろもあるとみています。課題は奪三振能力の低さ。空振りを奪うタイプでなく、コースに投げ込み見逃しを奪うタイプであるため、プロで決め球に困る懸念はあります。三振を奪える変化球の開発が今後の課題となります。

 

 

【4位指名】東海大相模・石田 隼都選手 高卒左腕投手

◆2021年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(11日)

 巨人は4位で東海大相模センバツ優勝左腕・石田隼都投手を指名した。

 左投げ左打ち、183センチ78キロ。担当の円谷英俊スカウトは「長身細身な体形から長いリーチを生かし角度をつけた球を投げ込む将来性豊かな左腕。指先の感覚が良く直球、変化球どちらでもストライクが取れてしっかりピッチングできる点が最大の長所で投球リズムも良い」とコメントした。

【ドラフト】巨人4位は東海大相模のセンバツV左腕石田隼都 円谷スカウト「将来性豊か」 : スポーツ報知


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 最速146キロ、選抜優勝に大きく貢献した細身の左腕投手。勢いのあるフォームから130後半のストレートに大きく曲がるスライダーが武器。上位候補の一人でしたが、甲子園出場がかかった地区大会でまさかのコロナによる出場辞退。最後のアピールの場を失ってしまいました。

 高卒という点を考慮しても非常に体が細く、スカウトも将来性を高く評価しています。1年目はしっかりと体づくりをしていきながら2~3年後に2軍ローテを期待したいところです。

 

【5位指名】法大・岡田 悠希選手 大卒左外野手

◆2021年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(11日)

 巨人は5位で法大・岡田悠希外野手を指名した。

 右投げ左打ち、183センチ85キロ。龍谷大平安高出身。担当の高田誠スカウトは「パワー、スピードを兼ね備えた走攻守そろった大型外野手。スイングに力強さがあり逆方向へも飛距離が出る打撃と強肩で守備範囲の広い守備が魅力。走塁面でも成長が見られ将来的にトリプルスリーを狙える選手」とコメントした。

【ドラフト】巨人5位は法大・岡田悠希 高田誠スカウト「将来的にトリプルスリー狙える選手」 : スポーツ報知


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 法政大でクリーンナップで起用される左の外野手。主にセンター・ライトを守り、3年生になってから起用されるようになった遅咲きの選手ですが、既に4本塁打を放っています。

 一方で72打数18三振とまだ荒さも残る選手。残念ながら即戦力と言えるタイプではなく、あくまで外野手の底上げを目的とした獲得となります。

 

【6位指名】明徳義塾・代木 大和選手 高卒左腕投手

◆2021年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(11日)

 巨人は6位で明徳義塾の代木大和投手を指名した。

 左投げ左打ち。184センチ83キロ。担当の岸敬祐スカウトは「制球力の高さが魅力の大型左腕。フォームのバランスが良く、全身をうまく操る能力が高い。ゲームメイクができる先発型でマウンドさばきやフィールディングも良く伸びしろも十分」とコメントした。

【ドラフト】巨人6位は明徳義塾・代木大和 岸スカウト「制球力の高さが魅力の大型左腕」 : スポーツ報知

 


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 投打で評価される左腕投手。決め球で勝負するタイプでなく精密機械と評価されるコントロールで打たせて取る投球を武器としています。

 目に見える武器が無い分癖もなく、しっかり体を作り球速が出るようになれば面白い素材。インコースに投げ込めるコントロールがあるため、左打者のインコースをつくツーシーム系の球を覚えてインアウトをせめられるようになりたいところです。

 

 

【7位指名】広島新庄・花田 侑樹選手 高卒右腕投手

◆2021年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(11日)

 巨人は7位で広島新庄の花田侑樹投手を指名した。

 右投げ左打ち。180センチ72キロ。担当の渡辺政仁スカウトは「本格派投手。投球バランスが良く安定した投球ができる。フォーム的に球持ちが長くて決め球のフォークボールの落ちが良く空振りが取れる。投球・打撃と野球センスがあり将来のエース候補として期待の選手」とコメントした。

【ドラフト】巨人7位は広島新庄・花田侑樹「将来のエース候補として期待」 : スポーツ報知


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 最速146キロ、伸びのあるストレートと一気に変化するカットボール・フォークが武器の長身右腕。打者としても4番でシャープな打撃を披露し、投打ともに評価されています。

 非常に下半身が細く、直江・井上選手のような癖が少なく体がまだ出来ていないタイプの投手指名となっています。変化球の精度が不安定なところがあるため、変化球の精度アップが今後の課題となります。やはり打撃を活かして先発として育てたい選手です。

 

【全体的なまとめ】

 中4日を強行するほどの先発不足のなかで、1~3位を大卒・社会人投手で固めました。1・2位を投手でいくと明言していたとおりで、3位で上位候補の即戦力野手がいなかかっため3位も先発候補を補強。

 一方でファームでは有望な投手が少なく、4・5・7位で高卒投手を獲得しました。どれも線の細さが目立つ選手で、今年からゴールドジムのコーチを獲得し肉体強化に力を入れるようになったため、体を大きくすれば伸びしろが大きく期待できる選手が中心となりました。

 外野手も補強ポイントでしたが、右打ちは1・2位でブライト・鵜飼・正木選手が消えたため、左打ちでセンター・ライトを守れる大型外野手を補強。残念ながら来年も外野手に苦労しそうですが、来年が野手豊作年であるため、来年は我慢の年となります。

 まとめとしては補強できるところを補強したといった及第点のドラフトでした。