読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

2021年読売ジャイアンツ育成指名を振り返る。ウィークポイントを押さえた指名

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 21年の育成指名は当初の宣言通り10名の指名で終わりました。投手・外野手を中心とした指名で、ただ想定していたよりも素材型の指名が多く、独立リーグの指名は1名のみで終わりました。

 それでは育成指名を振り返りたいと思います

 

【育成1位指名】北海学園大・鈴木 大和選手 大卒右外野手


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 全国大会にも出場した小柄な俊足外野手。右打者で一塁到達速度3.97秒というかなりの俊足が武器であり、広い守備範囲も魅力。

 不足する外野手、右打ち野手を補強した形となります。スイングに癖があるため、アウトコースへの対応が今後の課題となります。

 

【育成2位指名】石川ミリオンスターズ・高田 竜星選手 独立リーグ右腕投手

  


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 最速149キロ、オーバースローよりも低い角度から投げ込み高卒1年目ながらチームでは先発起用。17試合を投げ3勝ながら防御率2.93。1失点で黒星がついたりと勝ち運に恵まれなかった投手ですが、98イニングを投げ先発型として期待される右腕投手となります。

 

 

【育成3位指名】東海大 亀田 啓太選手 大卒右捕手


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 183センチ94キロの大型捕手。1.8秒の強肩が魅力で打者としても5番に座り、秋のリーグでは1本塁打を記録しています。

 唯一の東海大からのプロ志望提出者であり、当たれば飛ぶパンチ力はありますが、通算打率2割前半と確実性に欠ける選手。1~3軍まであるなかで、捕手が一人故障するとぎりぎりの運用となるため育成での獲得となっています。

 

【育成4位指名】上田西 笹原 操希選手 高卒右外野手


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 180センチの身体能力型外野手。全国大会にも出場し2年秋の地方大会では打率4割越えを達成。3年生でも3割越えと巧打者として高く評価されています。

 また守備面でも遠投105mの肩と50メートル6.0秒の足でセンターを守り、高い身体能力とバットコントロールが評価される選手。本塁打などの長打面でのアピールが少なかったことから育成指名となりましたが、巨人にとっては不足する右打ちセンターの補強となります。

 

【育成5位指名】創成館・鴨打 瑛二選手 高卒左腕投手


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 身長195センチの長身左腕。横川・阿部選手と続く190センチ越え高卒左腕となります。最速138キロながら角度をつけて力みのなフォームで投げていくため、身長を活かした角度で打者に怖さを与えます。

 監督もまだ体が出来ていないと評するように下半身が非常に細く、身長が高いとそれだけ重心も高くなるため、勢いをつけたフォームで投げ込めません。このため来年はしっかりと体づくりをして2年後に本格登板を狙いたいところです。

 

 

【育成6位指名】桐蔭横浜大・菊地 大稀選手 大卒右腕投手


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 186センチ91キロの大型右腕。佐渡初のプロ野球入団選手として話題となっています。

 大型右腕ですが、武器はスライダーとカーブ。特にパワーカーブのように非常に落差のありブレーキの効いたカーブはカウント・決め球両方をとることが出来、そこに外に逃げるスライダーと縦のスライダーで右打者にはこの変化球のみで打ちとっています。

 その代わりストレートのコントロールに課題があり、対左のストレートとツーシーム系の球の習得が今後の課題となります。将来的な先発型としての獲得です。

 

【育成7位指名】明豊 京本 眞選手 高卒右腕投手


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 明豊の快進撃を支えた先発看板の一人。上半身を反らし角度をつけて振り下ろすオーバースローながらコースをつくストレートのコントロールが魅力。カーブも武器の一つですが、ストレートに比べると変化球は全体的にもう1段階精度アップがほしいところです。またストレート自体も平均130後半の為、球速アップも必要となります。

 よくこの順位で残っていたなと思った選手の一人。下半身が細く粘りが必要なフォームであるため、球数が増えてくると抜け球が増えてくるのも今後の課題。スタミナ強化も必要となります。

 

【育成8位指名】四国学院大 富田 龍選手 大卒左腕投手


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 179センチ79キロと決して大きくはありませんが、最速147キロ、始動の瞬間に一度小さく重心を落とし、大きく上げた腕と足を一気に落とす勢いをつけたフォームで投げ込む左腕投手。

 春は不調で3試合で8失点と先発として試合を作れず、秋はあまり登板していない調子を落としている選手。ファームでは中継ぎ左腕が不足しているため、登板させながら調子をあげていきたい選手となります。

 

【育成9位指名】誉 川嵜 陽仁選手 高卒右腕投手


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 上半身を反らし、頭の位置から振り下ろすオーバースローから最速147キロの角度あるストレートと、高い位置から一気に落ちるスライダー・カーブを武器とする右腕投手。

 愛工大名電相手に7回1失点と好投しており、愛知地方の隠れた好投右腕です。クイック時の制球と下半身の安定感が求められるフォームの為下半身が不安定になり、高めの抜け球が目につく点が課題です。

 

 

【育成10位指名候補】北海 大津 綾也選手 高卒右捕手


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 チームでは3番で起用される小柄な捕手。遠投115mの強肩が魅力であり、1年生のころに捕手に転向。しかし2年生で内野手に戻り、3年で再び捕手に戻った経歴を持ちます。

 このため捕手経験は浅いため球団も伸びしろを期待した選手。ブロック技術が未熟で捕逸する場面がそれなりにあるため、落ちる球への対応が課題。

 また打撃も硬さがあり、詰まらされた打撃も目につきます。打撃・守備どちらにも課題があるためこの順位となりましたが、その分形になった時の期待も大きい選手となります。

 

【全体的なまとめ】

 投手6、捕手2、外野手2名と支配下同様に投手中心の指名となりました。2・3軍が投手不足で運用に頭を抱えていたこともあり投手中心になることは予想されていましたが、素材よりの選手を多く指名しています。陽・菊田・石川選手しかいない右打ち外野手の補強。ファームでの若手は横川・井上・阿部選手のみの左腕の補強。捕手を2名獲得したのは予想外でしたが、山瀬選手が想像以上に打てておらず、萩原選手は捕手としてあまり起用されていないことから、若手捕手の頭数を増やし危機感を煽る戦略と思われます。

 ちなみに指名拒否の可能性ですが、今のところ1位鈴木選手、2位高田選手、4位の笹原選手、5位の鴨打選手、6位の菊池選手、7位京本選手、8位の富田選手、10位の大津選手については指名に前向きなコメントが出ています。