読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

巨人が戦力外の12選手すべてを育成に。各選手の戦力外の理由とは

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巨人は15日、田中豊樹投手(27)、鍬原拓也投手(25)、横川凱投手(21)、井上温大投手(20)、伊藤優輔投手(24)、堀岡隼人投手(23)、沼田翔平投手(21)、香月一也内野手(25)、E・ウレーニャ内野手(22)、平間隼人内野手(24)、増田陸内野手(21)、伊藤海斗内野手(20)の12選手に自由契約とすることを通知したと発表した。

 関係者によると、球団は上記の全選手と育成選手として再契約する方針で、制度上、一度自由契約とした。

【巨人】田中豊樹、鍬原拓也、横川凱ら12選手に自由契約通知 全選手とも育成再契約の方針 : スポーツ報知

 

【まさかの12人全員育成再契約】

 CSシリーズ敗退が決まり、巨人の21年シーズンが終了しました。そして月曜日に第二次戦力外が発表。先にサンチェス選手が退団、ウレーニャ選手が育成再契約が発表されていましたが、追加で12名が戦力外。

 しかし12名すべてを育成再契約にすることを発表。まさかの完全な戦力外は松井選手のみとなっています。

  そレでは今回育成となった12名について、その理由について解説していきます。

 

【故障による育成再契約】

田中豊樹選手】

 今年は5月下旬に2軍で先発として起用されてからフォークの精度と制球が改善し、1軍でも勝ちパターンで起用されることのあった右腕投手。6月は9試合で防御率0.77、7月も4試合で防御率2.45と抜群の安定感を残しました。

 しかし8月から成績が悪化。奪三振率は上がっているものの、長打を打たれる割合が増えてしまい、CSではベンチから外れていました。しかし中継ぎ不足に悩む1軍において39試合に登板し防御率2.84と貴重な戦力として活躍した選手。

なお、今季39試合に登板した田中豊は近日中に手術を受ける予定だという

巨人情報@サンスポ (@sanspo_giants) | Twitter

 しかしまさかの育成再契約。理由として近日中に手術を受けるため、リハビリのための育成再契約となっています。

 

【井上温大選手】


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巨人は17日、高卒2年目左腕の井上温大投手(20)が左肘頭骨折と診断され、神奈川県内の病院でスクリュー挿入術を受けたと発表した。手術は無事終了し、今後は故障班でリハビリを進める。
 井上は群馬・前橋商から2019年ドラフト4位で入団。今季は、イースタン・リーグでここまで6試合に登板して2勝2敗、防御率4・76の成績だった。

巨人の高卒2年目左腕、井上温大が左肘頭骨折で手術― スポニチ Sponichi Annex 野球

 19年ドラフト4位で入団。癖のないフォームを評価された選手で1年目から先発で起用されていました。さらなる成長が期待された21年ですが、調子を取り戻せず3軍中心の起用となり、5月17日に左肘頭骨折が発覚しスクリュー挿入手術を実施。それ以降一度も登板していません。まだ投球練習も再開したといった情報もなく、リハビリにかなりの時間を要しています。

 このためリハビリに時間がかかるとしての育成再契約となっています。

 

【伊藤優輔選手】

巨人は2日、伊藤優輔投手(24)が1日に神奈川・横浜市内の病院で右肘内側側副靱帯(じんたい)再建術の手術を受けたことを発表した。退院後にリハビリを進めていく予定だ。

伊藤は社会人の三菱パワーから20年ドラフト4位で入団。2月は1軍の春季キャンプメンバーとしてプロ生活のスタートを切ったが、3月の2軍戦で投直を右足に受けて降板。5月15日のイースタン・リーグ、ロッテ戦で公式戦初登板を果たしたものの、その後に右肘痛を発症。約2カ月のリハビリ後、9月11日の3軍戦で実戦復帰した。今季は1軍登板はなく、2軍で16試合0勝2敗、防御率4・30だった。

巨人伊藤優輔が右肘手術 20年ドラフト4位で入団、今季は2軍で0勝2敗 - プロ野球 : 日刊スポーツ

 20年4位で入団した即戦力右腕でしたが、怪我や故障に苦しみ1軍登板は0。2軍でも中継ぎで登板するものの、制球の悪さが目立ち防御率は4.30となっています。

 さらに11月に右肘内側側副靱帯(じんたい)再建術の手術を受けたことを発表。いわゆるトミージョン手術であり、これを受けると2年は投げられないと言われています。このため来年は全く戦力として見込めないことが確定しており、伊藤選手もリハビリ組としての育成再契約となっています。

 それにしてもこの年のドラフト、2位の山崎選手、4位の伊藤選手、育成10位の奈良木選手と3名がすでにTJ経験済みはさすがにどうかと思う。

 

 

【香月一也選手】


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 澤村選手とのトレードでロッテから入団。トレード2年目となる今年はレギュラー選手がコロナにより一斉離脱したなかで昇格。すると持ち前の長打が爆発し、4月は42打数10安打3本塁打と大活躍。久しぶりの長打が期待できる若手としてさらなる活躍が期待されましたが、原監督が亀井選手を1軍に上げたいがために降格。そこから調子を落とし出場機会を増やすため慣れない二塁を守るも、そこで守備中の着地で故障。肩を怪我し担架で運ばれる事態となりました。

 「イースタン、巨人-ヤクルト」(20日、ジャイアンツ球場)

 巨人・香月一也内野手が負傷退場した。

 「4番・二塁」でスタメン出場。初回の守備で松本友の一、二塁間へのゴロに飛び込んだ際に、左肩を痛め、そのまま起き上がれなかった。トレーナー、金杞泰コーチらがかけより状態を確認。金コーチは両手で×サインを出して交代を求めた。

 起き上がった香月は左肩が伸びきった状態で、右手で左腕を支えながら、苦痛に顔をゆがめてベンチに退いた。

巨人・香月が負傷退場 初回の守備で左肩痛める(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース

 その後脱臼したことが判明。脱臼癖の治療の為に手術することが10月中旬に発表されているため、香月選手もリハビリ組としての育成再契約となります。

また、9月のイースタン・リーグで左肩を負傷していた香月一也内野手(25)も、脱臼癖があるため、近く手術をすることになった。

【巨人】梶谷がヘルニアの手術で今季中の復帰は絶望、香月も脱臼癖のため近く手術へ:中日スポーツ・東京中日スポーツ

 

【成績不振による育成契約】

【鍬原拓也選手】


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 肘の骨折手術により堀田選手とともに育成再契約となった選手。その後2軍で先発として好投し、不足する1軍先発候補として、8月31日の支配下期限ぎりぎりの30日に滑り込みで支配下復帰を果たしました。

 ですがその直後となる9月1日のファームヤクルト戦で1回途中6失点と大炎上。さらに7日の日ハムでも6回途中7失点と連続炎上。そうして防御率を悪化させ、支配下手前では3.64だった防御率は最終的には5.29となっています。

 このため1軍中継ぎではパワータイプ右腕が不足するにもかかわらず1軍昇格はなし。ドラフト1位で中央大ということで最後のチャンスとして育成契約で残されました。


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選手】

 

 19年4位で入団した長身左腕。一時は2軍で先発ローテを任された期待の若手候補でした。しかし今年は投げるたびにフォームが変わり、コントロールや球速も以前より悪化していました。杉内コーチも週刊ジャイアンツのインタビューで「投げるたびにころころフォームが変わる、youtubeばかりを参考にする信念の無い投手がいる」と酷評しており、中継ぎに回されても炎上するなど、首脳陣の評価を大きく落としていました。

 フォーム以前の問題として身長があるわりに球威が無く、130後半で癖のないフォームと変化球であるため、1軍で投げるには全体的にスケール不足となっています。

【堀岡隼人選手】


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 16年育成7位で入団した高卒右腕。翌年にトミージョン手術を受けるも、19年には2軍で15試合に登板し防御率0.86と好投。見事支配下を勝ち取りました。

 しかしそこから低迷が続き、1軍通算成績は15試合で防御率7.41と敗戦処理でも計算できない状態となっており、成長が見込めないことから戦力外候補の一人となっていました。

巨人の堀岡隼人投手が、進化を遂げようとしている。

 みやざきフェニックス・リーグに参加している右腕。指揮する二岡智宏2軍監督代行が「今来ているピッチャーの中で一番いいんじゃないかな。自信を持って投げてるし、ボール自体もいいね」と、称賛する。

 10月30日の広島戦では、1-1の9回に登板し、7球で3者凡退に仕留めた。圧巻だったのは、最後の打者との対戦。カウント1ボール2ストライクから、154キロの速球で空振り三振に仕留めた。「三振を狙いに行って取れたので、良かったです」と笑みを見せた。

 力強いまっすぐが武器ながら、制球力の欠如が指摘されてきた堀岡。それが今回のフェニックス・リーグでは、ここまで7試合に登板して無四球。何が右腕を変えたのか―。

 「ストライクゾーンに力強い球を投げて勝負しなきゃ、と思ったんです。自分のできることは、それしかない、と」。

 堀岡は高卒として、2016年の育成7位で巨人入り。17年の右肘クリーニング手術を経て、19年に支配下登録を手にした。今季は1軍登板はないが、19、20年で計15試合登板(通算0勝0敗、防御率7・41)。しかし、この1軍経験が逆に、迷走のスタートとなった。

 「1軍の投手は、変化球のレベルも高い。ボール球もうまく使って、ゲームメイクする。それを見ていたら、自分もなんとかしなくちゃと思った。でもそれって僕にとっては、階段を2段飛びで上がるようなものだった。階段は1段1段上がらなくちゃダメだって気づいたんです。目の前の、自分が今できることをやる、ってことですね」。

 改めて自らの武器が力のある速球であることを認識。そして「しっかりストライクゾーンで勝負すると、ファウルにできたり、ゴロで仕留められたりできる」と手応えも感じ始めている。

 二岡2軍監督代行が「このフェニックスでは、すべて競争。競争に勝ち残る投手が、いいところで投げられるようになる」と話す中で、クローザーの仕事も託されている堀岡。これからの活躍が楽しみだ。

【巨人】堀岡隼人、5年目右腕の進化「階段は1段1段上がらなくちゃダメだって気づいた」 : スポーツ報知

 

 そんな堀岡選手が首の皮一枚つながったのは、フェニックスリーグで二岡監督代行から同行している投手の中で最もいいと評価しており、7試合で無失点と好投。本人も自分の進むべき方向性を見いだせており、来年そのとおりで成長できるかどうかのラストチャンスとして育成再契約となりました。

 

 

【沼田翔平選手】


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 18年育成3位で入団。すると2年目のキャンプでは1軍に選抜され、紅白戦、オープン戦で伸びのあるストレートを武器に好投。見事支配下を勝ち取ります。

 しかしそこがピークで通算で7試合で7失点と毎試合失点。防御率9.45と結果を残せておらず、2軍でも27試合で防御率5.00とこちらでも炎上が続いています。持ち球が少ないために投手としての引き出しが無く、今年は新たな武器を習得するためにサイドスローに転向。しかしこのサイドスローも現状では腕を横から出すようになっただけの固いフォームであり、サイドスローで結果を出せるかどうかのラストチャンスとして育成再契約となっています。

 

【平間隼人選手】

 19年育成1位で徳島ISより入団。2年目は当初から2軍で起用されると、持ち前のミートセンスで打率.321と高打率を残し、原監督からも守備を高く買われ、6月には支配下昇格を果たしました。

 ですが1軍ではなかなか出場機会に恵まれず、代走で使おうにも2軍では64安打34四死球と出塁していますが、それに対し盗塁数はわずか4と足をあまりいかせていません。本塁打も2本、二塁打も6本と長打が期待できるタイプでないため、長打が打てないのに盗塁でチャンスも広げられないという、使い勝手の悪い内容となっています。

 また21年の内野手は5月に坂本選手がスライディングで骨折、吉川尚選手も死球により骨折。加えて増田大選手は去年に痛めた膝の状態が悪く盗塁成功率が悪化。若手の廣岡選手も打率.189、若林選手も.239、俊足の重信選手も打席の3分の1が三振で出塁率は3割を切っており、俊足の1番・若手内野手が不足していたために支配下された背景もあります。しかし後半になると内野すべてを守れ、今の巨人に不足する右打ちの湯浅選手が登場。同じ代走要員で守備が安定している湯浅選手が登場したことで優先度が落ち、使い勝手の悪さも相まって育成再契約となりました。

 正直平間選手については、支配下の判断が早すぎたと判断できます。

 

 

【増田陸選手】


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 17年2位で入団。打てる内野手としてポスト坂本として期待された選手ですが、入団前から抱えていた手首の故障が治らずに手術。1年目は大半をリハビリで過ごしました。

 その後は3軍メイン。2軍にこそ上がるものの、2軍通算打率は263打数52安打3本塁打で打率.198と結果を残せておらず、高卒1年目の中山選手にスタメンを奪われています。

 今年のフェニックスリーグでは打率4割と高打率を残していますが、去年の秋も本塁打を放つなど活躍していたため、フェニックスリーグの活躍だけでは首脳陣からあまり評価されていません。このためラストチャンスとしての育成再契約となります。

 

【伊藤海斗選手】


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 18年7位で入団。渦巻くようなフォームから「アナコンダ」と称された左の大型スラッガー。2軍では53試合で通算打率.262とそれなりの数字を残しているものの、守備があまりうまくないうえに長打は二塁打が3本のみ。長打が期待されるタイプで単打ばかりで守備が上手くないタイプとなれば評価は低くなるため、単純に評価が落ちたための育成再契約となります。