＜センバツ高校野球：九州国際大付4－1広陵＞◇24日◇2回戦
九州国際大付（福岡）が準優勝した11年以来11年ぶりに8強に進んだ。広陵（広島）との大会屈指の好カード。高校通算28本塁打の1番打者、黒田義信外野手（3年）が4安打4打点と大暴れ。本塁打が出ていればサイクル安打という活躍でけん引した。27日の準々決勝では浦和学院（埼玉）とぶつかる。
九州国際大付の恐怖の1番打者、黒田が暴れた。まずは0－1の2回。2死満塁から内角高め直球を右前に運んだ。「体が反応してくれました」。逆転の2点適時打に笑顔だ。8回2死一、二塁では右中間への適時三塁打で2点を加えた。1回の二塁打、4回の内野安打を合わせて今大会最多の1試合4安打。サイクル安打にも王手をかけ、チームの全4打点を稼いだ。
「1つ上の先輩なので、負けたくないです」とライバル心を向けるのは注目の2年生4番、佐倉だ。後輩は高校通算10本塁打を放っているが、黒田も28本塁打を誇る。さらに50メートル走はチームトップの6秒0。佐倉とともに、俊足強打のリードオフマンとして打線を支えている。
昨年は4番も経験した。ただ、西武で活躍した楠城徹監督（71）は「1番黒田」に明確な意図がある。「1番はヒットより長打を打ってくれる選手を起用する。ヒットを打って（犠打で）セカンドに送るとアウトを1つ与えて、自分が逆ならホっとする。長打なら無死か1死で三塁に送れる。これが一番大事にしている攻撃パターン」。パンチ力と俊足を兼ねる黒田はその1番構想に最適。黒田も「4番の時も良かったけど、自分は1番の方が向いている」と、役割を自覚している。
昨秋の明治神宮大会準優勝の広陵を退け、準優勝に輝いた11年以来の8強進出。黒田は「次は3回戦。ワンランク上に上がるけど食らい付いていきたい」と引き締める。九州勢最後のとりでには、頼れる1番がいる。
【黒田選手の紹介】
１８０センチ７２キロ 右投げ左打ち
ポジション：サード・センター
高校通算２８本塁打、１番ながら長打も期待される左のリードオフマン。シャープなスイングでしっかりと振り抜き長打を生み出し、インコースも捌いて外野に持っていくバットコントロールで選抜では１３打数７安打で打率.５３８を記録。一時４番で起用されるほどの打力を誇りますが、１番に長打を打てる選手を起用したいという監督の方針により１番で起用。本人も１番が性に合っていると語っており、秋季九州大会では４試合で７四球を奪いチームでの得点力に貢献。また得点圏での強さも光、長打も狙えるリードオフマンとして活躍しています。
また５０ｍ６．０秒の俊足を活かしセンター守備では広い守備範囲を誇ります。レフトとセンターと中間に落ちそうな当たりにも余裕で追いついており、打撃だけでなく守備でも貢献度の高い選手。スカウトからも３拍子揃った選手として注目されています。
【指名への課題】
上記は黒田選手の選抜・明治神宮大会でのゾーン別打率を現したもの。見てわかるよ檻、黒田選手はインコースが得意なのに対し、アウトコース低めは６－１とほとんど打てていません。左打者にとって最も遠いゾーンであるため打率は低いところになりますが、引っ張りを意識した打撃であるためレフト方向への当たりが少なく、選抜では１３打席のなかでレフト方向への当たりはサードフライ１つのみ。
リードオフマンとして期待される以上、打てるコースに偏りがあればシフトを組まれ打撃を崩される懸念が出てくるため、今後レフト方向にも安打を増やせるかがカギとなります。
【指名順位予想】
黒田選手に期待されるのは４番でなく得点圏の強さや足の速さを活かした１～３番での起用。その場合苦手なコースがあるというのは戦力として見込む上での課題となるため、指名順位はおちてしまいます。
また足自体は速いものの盗塁技術はまだ未熟であるため、現状では素材型としての評価と巧打型としての伸びしろを期待しての獲得。指名順位は７～９位となります。レフト方向にも安打が増え、通算本塁打も４０本塁打を超えれば５～６位が指名順位となります。
