読売ジャイアンツのドラフト戦略を語る

巨人が取るべきドラフト候補選手、また現状の選手たちの実情から取りうるべきドラフト戦略を語っていく

顕著となった巨人の外野手問題。若手の現状と2022年ドラフトでの底上げについて

 松原選手以降なかなか出てこない1軍外野手。そんな松原選手も33打数5安打と調子をあげられておらず、1軍外野手スタメンはウォーカー・丸・ボランコと外国人に依存しています。

 そんな巨人外野手の現状と、2022年ドラフトで底上げが可能かどうかについて語っていきます。

 

 

【30歳未満の外野手の現状について】

 まずは巨人のこれからのチームを担っていく、30歳未満の外野手の現状について触れていきます。

 

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※黄色は右打者・赤字は育成契約(育成再契約含む)

 松原選手は1軍成績で掲載。年齢は今年迎える年齢で掲載

 

 みてのとおり、25歳以下で支配契約をされているのは八百板・岡田選手の2名のみ。右打ち野手いたっては支配下では石川選手のみとなっており、外野手の候補不足が顕著となっています。

 2軍成績を見てもわかるとおり、上記の選手で1軍の外野手事情が今年中に大きく改善される見込みは薄く、大卒・社会人外野手の補強は必須事項となっています。

 

 

【外野もこなす捕手・内野手の現状について】

 巨人は外野手だけでなく、萩原・秋広・ウレーニャ選手といった、捕手・内野手が外野をサブポジでこなすことも珍しくありません。特に秋広選手は中堅として育てることが明言されており、彼らも将来的な外野手構成に含める必要があります。

 4月18日時点で外野手登録されていない選手で外野で起用されているのは下記の選手となります。

 4月19日時点で2軍において外野守備に就いたのは秋広・萩原・ウレーニャ・平間選手の4名のみ。この中で萩原選手は3軍での起用も多く、長打は魅力であるものの確実性が低く、今年中に1軍戦力になる見込みは低くなっています。平間選手も同様であり、さらに平間選手はレフト守備が多く、レフトとして期待される長打魅力がないため、現状での期待株はウレーニャ・秋広選手の2名です。

 しかし秋広選手は去年も外野で起用されていたものの、本格的に練習を始めたのは今年から。まだ打球の追い方もぎこちなく、キャンプでは亀井コーチからすべてが課題と指摘されたほど。打撃こそ順調ですが、守備面での課題から1軍戦力としてはまだ見込めません。このためコンバートによる1軍外野事情の改善も見込めません。

 

【2022年ドラフト市場における外野手について】

 2022年は久しぶりの大卒野手が中心となる年。早稲田大・蛭間選手や中央大・森下選手、中京大・澤井選手といったスラッガーに加え、巧打者の立教・宮﨑選手や俊足強肩の立教・道原選手。俊足の中央大・斎藤選手など粒揃い。

 一方で社会人はENEOS・瀧澤選手や大阪ガス・三井選手といった左野手に注目株が集まります。

 ですが大卒・社会人どちらにも共通するのは、右野手が非常に少ないこと。捕手・内野手では右打ち野手が豊富ですが、外野手に限っては左野手に集中しています。右打ち外野手が非常に少ない今の巨人にとっては頭が痛い問題ですが、外野手の1軍戦力候補自体が少ないため、無理に右打ちに限定せず、補強していく必要があります。

 

【外野手以外の補強ポイントについて】

 ドラフトは外野手以外の補強ポイントも考慮したうえで補強順位や指名数を考える必要があり、今の巨人で特に優先度が高いポジションは先発・中継ぎの即戦力です。

 特に左投手は先発では今村選手を中継ぎに回しており、高橋選手もリリーフ待機となっているため、事実上1軍先発は外国人枠のメルセデス選手のみ。若手では去年獲得した山田・石田・代木・鴨田選手に加え、20年ドラフト8位の山田選手、井上・横川・阿部選手とここ3~4年で大卒以下の素材型選手を数多く獲得しました。

 しかし先発以上に深刻なのが左の中継ぎ。中川選手が相次ぐ故障に大江選手の不調が響き、1軍中継ぎは高梨・今村・高橋選手の3名のみ。2軍でも戸根選手は防御率5.68ととても1軍に上げれるように成績ではなく、高木選手はほとんど投げていません。2軍で一番成績のいい中継ぎ左腕は育成1年目の富田選手といった状況であり、2軍ですら中継ぎ不足となっています。

 そのため即戦力左腕中継ぎの補強は必須。先発は若手の頭数が多いため、即戦力は右腕投手を確保しても問題ありませんが、中継ぎは深刻な状況となっています。

 

 捕手・内野手については、捕手は大城選手が1軍正捕手として起用されていますが、それ以降が続いていないのが現状。岸田選手はなかなか定着できず、喜多選手も支配下こそされたものの、まだ1軍戦力としては未知数。まさかの山瀬選手が3番手捕手として1軍帯同している状況です。

 ですが他のポジションに比べると優先度は低く、萩原選手や大津選手を外野手やショートで起用していることを踏まえると、獲得の見込みは低くなっています。

 内野手の課題は安定して1軍ショートを任せられる守備力を持つ選手の台頭。坂本選手が故障、降板した後のショート要員がおらず、21年の守備率で坂本選手の次に安定しているのは廣岡選手となっています。しかし廣岡選手は致命的なエラーや打撃の不安定さが課題でなかなかレギュラーを掴めておらず、増田大選手も送球に難あり。このため守備力の高いショートの獲得が必要となっています。

 

 

【補強についてのまとめ】

 今の巨人にとって右野手は重要な補強ポイントの一つ。しかしここ2~3年右打者の需要は高まっており、大卒・社会人で長打力もしくはセンター・ライトを守れる右打者を獲得するには2位までに枠を使う必要があります。

 また左で率を残せセンターを安定して守れる俊足外野手か、レフトメインで長打力のある左右を問わない外野手も一人は獲得するひつようがあるため、最低でも2名は補強する必要があります。

 また中継ぎも補強ポイント一つでありますが、22年ドラフト市場は去年に比べると左腕は少なく、今村・高橋両名を左のリリーフで固定するために先発候補を1名獲得する手もあります。

 そのことから指名順位ごとの補強ポイントは以下の通りとなります。

1・2位:即戦力先発・右打ち外野手

3・4位:左腕中継ぎ・左打ち俊足外野手or長打力外野手

5位:右の中継ぎ